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夢精、性的マイノリティ。びっくりの一日でした。

 昨日は、何とも、感動とびっくりの一日でした・・・。性教協中国ブロックでの講演を終えてすぐに取り掛かった次の講演、「障がいのある人の性教育」の構想を練ることと、その肉付けのために本を猛烈に読んでいます。ごはんを食べながらも読んでいます。また、それらの本についてご紹介しますね。

そして、夜は劇団四季の「コーラスライン」。楽しみにしていました。さすがでした。圧倒されるダンスシーン。これだけ踊れる人たち。ストーリーも面白くて。写真を撮ることはできないので、購入したパンフレットから一枚だけ。

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ブロードウェイでのミュージカルのオーディション。その最終審査に残ったダンサーたちのさまざまな人生模様が語られます。

両親が不仲だったり、父親とうまくいかなかったり、バレエをしていた母親に自分が夢を託されたり。さまざまな家庭環境の中で、みんなダンサーを目指して頑張っています。

そのエピソードの中で、びっくりしたのが、いま読んでいる障がいのある人の性教育の本に繰り返し書かれている、そして私自身も主張してきた「早く教えてあげないと」というエピソードが出てきました。

父親の書庫で見つけた医学書が好きだった11歳の男の子。自分で「盲腸」も診断し、手術を受けました。そして、ある日「夢精」を迎えます。びっくりした彼は何の病気かと医学書をあさり、そして「淋病」であると診断し、驚愕します。親にも言えず、悩んだ彼は、結局教会に行き、神父さんに話します。驚いた神父さまが「相手は誰だ?」と聞くと、自分にはそんな経験はないと。神父様は「それでは淋病にはならせてもらえない」と。自分の症状を話し、神父様からいろいろと教えて頂いたと。

それから、ある男性。これが、先日の真野豊さんの話と重なるのです。

自分はゲイだと自覚。歩く姿が女みたいだといじめられます。何とか男っぽくなりたいと頑張るのですが、自分がゲイであることにも、いじめにも耐えきれなくなり、校長の所に行き、話します。ミッションスクールの校長は、精神科に行くことを勧めます。精神科では、宗教的に厳しい今の学校をやめることを勧められ、結局退学します。俳優になりたかった彼は、ゲイ劇団に入り役者をしていますが、ある時、女装の役の姿を両親に見られてしまいます。そして、母親は、シカゴ公演に出かける彼に「手紙を出しなさい、しっかり食べて元気でね」と言い、父親は劇団の代表に「息子をよろしく」と頼みます。

 真野さんの講演の後、自分の子どもが性的マイノリティであることを知った親の対応についての質問で(この質問をしたのが上村先生だったのですが)親なのだから、自分の子どもを愛してあげてほしいと真野さんは答えられました。

あまりのタイミングなので、本当にびっくりしました。そして、その後、ゆーぽっぼに行き、帰宅してつけたテレビで、なんと、偶然なのですが、めったに見ることもないEテレで、昨年9月に放送された再放送で「ダブルマイノリティー」をしていたのです。ダブル。体の障がいがあって、かつ性的マイノリティの人のことです。脳性マヒの人、耳の不自由な人、それぞれトランスジェンダーの人が話しました。

脳性まひで、女性の体であるけれど、男性ホルモンの治療を受けている人、入浴介助を男性、女性、どちらにしてもらうか悩んだと。

耳の不自由な人は「耳が聞こえないというだけで差別を受けているのに、その耳が聞こえない人たちの中で、トランスジェンダーだということで差別を受けるのはつらい」と、仲間に告白します。そして、手話の差別用語を正す様訴えます。

障がいのある人の性教育の講演には、LGBTのことも入れようとしていました。そして、 実は、お昼に「手話。聞こえない人と聞こえる人とのことについての講演会をしよう」という話をしたばかりだったのです。日々、意識していることがこれだけ重なった一日はないなあと。自分でもすごくびっくりした一日だったのです。

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コメント

「one」て歌詞が印象に残る歌ですよね。
そして、いまお騒がせ中のSMAPの歌にもありますよね。
「個」を大切にする、自分だけでなく他の人も大切にする世の中になれば良いですね。
戦争もなくなるでしょうね。

投稿: やんじ | 2016年1月22日 (金) 08時59分

すごい不思議な話ですね。ミッションスクールはやっぱり性的マイノリティを嫌う慣習があるのはいけないが、仕方ないと思います。宗教は不自然な部分がありますが、宗教を破壊すると戦争にならます。差別をしないことは訴えられますが、百点はむりだと思います。ダブルマイノリティの番組を見ようと思いましたが時間的に難しく、内容を河野先生が教えてくださるのは素晴らしいなと思います。もし自分の子どもが性的マイノリティであることがわかった場合は、親としてはショックですが、愛してあげたいですね。介護者・訪問事業所の立場としては、あいにく申し訳ないですが、たぶん生物学的性を取らざる得ません。重度訪問介護の場合女性は女性に介護・男性は男性の介護が一般的です。それくらい人員不足だからわがままが通らないからこそ問題だと思います。

投稿: 愛ちゃん | 2016年1月22日 (金) 09時11分

長崎大学の事件聞いてびっくりしました。障害者への対応って本当に大変だと思います。ナチスドイツの断種法の残酷な話がある一方、現代では、遺伝相談・出生前診断があるのは存じ上げてますが、本当は、障害者の保護者の方もある程度は結論があるなか、ドクターは、妊娠から今までの経緯をねぎらいながら親の本音を聞き出してどういう措置にするかプロとしてすべきだったと感じます。あの対応は障害者差別とうけとられますが、障害者が子育てすることは間違いなく貧困につながりますが、それを本当に考えていかないと行けません、障害がある母とそのお母さんから産まれたお子さんを支援した事がありましたが、上司から男に遊ばれたからシングルマザーになったとききました。だからこそ、障害者とその親のケア必要ですね。河野先生の障害者の方と性的マイノリティの方への立派です、障害者への対応は時として産婦人科医は差別的に扱うことが常にあると伺ったことがあります。だからこそ、医師と親を救えるのは性教育ですね。医師がわるいというのはあまりにも産婦人科の仕事をしらないのでは。だからこそドクター不足なのだと思います。差別は行けませんが、産婦人科のもうひとつの側面は優生保護。障害者への対応は、貧困と差別のギリギリの線の中善意で女性を助けている側面もありますよね、本当に問題ですね。

投稿: 愛ちゃん | 2016年1月22日 (金) 23時26分

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