エイズ・メモリアルキルト
今日は日曜日の休診日。午後から宮島で講演です。宮島に渡るのは、本当に久しぶりです。福島からの保養の親子と一緒に行って、お弁当を食べていて、鹿に襲われた時以来でしょうか。紅葉の時期は過ぎて、でも、きっと観光客は多いでしょうね。宮島にお住まいの方、働いているの方、どれだけの方が来て下さるでしょう。忙しかった今年の講演も、この後、木曜日に吉田で話して、終わりです。頑張りますね。
先日行った松江女子高校の生徒さんたちがしているエイズの啓発活動について、ずっと考えています。私が指摘したこと。その根は何だったのだろうかと。で、少しわかってきました。エイズが一つの病気として捉えられています。とてもよく調べてあるのですが。「病気」であって、その病気は「人」がかかるもの。その「人」が語られていないから、上っすべりしてしまっていること。せっかく出前講座をしていても、それを聞いている人たちに実感をもって捉えられないのではないかと。
特に、このままだと、「差別」をしてはいけないと言っても、やっぱり差別を広めることになってしまうのではないかと危惧します。特に、発表の中に「血液製剤で感染させられてしまった人たちのこと」がなんにも語られていませんでした。日本の、いえ、世界のエイズの歴史の中で、これは欠かしてはいけないことだと思って。
京都のキルト展に行くと、もっと深まるのでは、と、思います。エイズと闘い、亡くなった多くの人たち、その一人一人が名前を持った人であるということが。以下、メモリアルキルトジャパンのホームページ、華頂女子中学高等学校の寺尾由美さんと風工房の斉藤洋さんのフェイスブックからの写真をお借りします。
華頂女子中学高等学校の生徒さん達が作ったテディベア、初期のころ、まだ治療方法もなかった頃、エイズの患者さんたちがテディベアを抱きしめてその苦痛に耐えたという、その売上げは、患者さん個人を支援するテディベア基金の資金になるそうです。
ああ、名前を出すことができなかった時のご夫婦のイニシャルだけのホワイトキルト、石田吉明さんのキルト、私たちの目の前で自分の血を抜いて、それを混ぜて赤で書いた赤瀬範保さんのキルト、懐かしいキルトが沢山見えます。
もう一日、これらのキルトが意味するものを書きたいと思います。
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コメント
華頂女子中高の話もNHKラジオやNHKテレビで以前とりあげていましたね。素晴らしい校風だとおもいます。帝京大学系の大学を卒業したものとして、世の中をめちゃくちゃに教職員がしたと思い呆れ果ています。しかもあろうことが医学部の教職員。帝京大学系の大学がいましているのは、大学ではなく、まさしく帝京株式会社で営利経営しかしてないよとおもってます。
投稿: 愛ちゃん | 2015年12月13日 (日) 17時26分
やっぱり人がエイズと言う重度な性感染症に感染するのたから、その人の歴史に当てなければ本当の理解にはなりませんよね。その人の生活や暮らし方、生き方を把握し、後世にエイズの悲劇を伝えられないし、疾病理解につながりませんね。河野先生の熱い生き方を見習いたいです。自分とは正反対の立場でありますが、正しいことは正しいと伝えたらいいなあと思いながら少子化対策の脆弱性を患者の立場でつたえられたらと思いたくさんの政治家と対話したいと考えています。河野先生は正反対の立場でありながら見習うところあります。
投稿: 愛ちゃん | 2015年12月13日 (日) 23時50分