男性と女性の更年期3.
更年期の話が続きます。
「夫婦はいつも喧嘩しています。それでも、私は妻を愛しています。夫婦ってそんなものではないでしょうか」
とおっしゃったドクターに、私は「どんな時に喧嘩をされるのですか?」と尋ねました。
そしたら
「私が仕事から疲れて帰ったら、妻が『まーあ、今日は隣の犬が鳴いてうるさくて昼寝ができなかったわ』と、くだらんことを言います。だから私は『くだらん!』と言います。私が疲れて帰って『ああ、疲れた』と言うと、妻が『だから、開業なんかしなさんなって言ったでしょ』と言います。」
会場のみんな笑いましたね。そしたら、村瀬先生が、
「くだらん!じゃなくって、「『昼寝ができなくって、それかかわいそうだったね』と言ってあげたらいいじゃないですか」と言われました。それもまたおかしくて、ひそかに笑いましたが。私は
「奥様も『だから、開業なんかしなさんなって言ったでしょう』ではなっくて、『仕事大変だったのね、お疲れ様。ちょっとここに座ってビールでも飲んで』と言ったあげたら、夫婦の会話が優しく展開して行くと思いますが」
と言いました。私は、いいろな夫婦、それこそ熟年離婚に至る人たちにもお会いしてきて、やはり夫婦の会話が貧しいと思っています。
私が勤務医時代、救急指定病院で、それはそれは忙しくて大変でした。家に飛んで帰って、飢えて待っている子たちに一生懸命食事を作って出すと、娘がこういったのです。その時はシチューでしたが。
そう言われると、胸がホコホコして、よしよし、あしたも手抜きしないで一生懸命作って食べてもらおっと思います。でも、隣で夫が黙って食べていたら、「おいしいんね、おいしくないんね、何か言ってよ」と言う気になるじゃないですか。
「黙って食いよるいうことはうまいいうことよ。いちいち言わせるなや」
黙って食ってたらおいしいということ。まずい時だけ文句を言う。だいたい、日本の夫婦はこれで来ているのですね。
「だまってても分かるはず」
いいえ、黙っていたのでは分からないのです。伝わらないのです。言葉に出して、態度で示して、初めてそれは実感をもって伝わるのですね。
明日に続きます。昨日、福井の中学で講演をしてきました。びっくりしたことがありました。また、このシリーズが終わったらそのお話もしますね。
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コメント
先生のお嬢様の発言こそ家庭をやわらげますね。男性は女性に対して無神経な性質があるのと女性が男性と会話しやすい話題作には興味がないのでしょう、だからこそトラブルになりやすいと思います。先生のご主人はその頃は先生が家事と仕事に終われ負われて疲れてるのにきずかなかったのですね。意外性があります。
投稿: 愛ちゃん | 2015年11月13日 (金) 15時07分
サラ金でかりてまでお酒を飲んで馬鹿じゃないかと思いながらも喧嘩に巻き込まれた子ども時代ですが、こんなセミナーが子ども時代にあったらどんなにたすかったか。本当に母親は回りに相談にのってほしかったようですが、私が家庭のことを教師に話すと怒られました。そこがだめなんだと今改めて感じてます。
投稿: 愛ちゃん | 2015年11月14日 (土) 11時15分
ご無沙汰してます!
諸事情により超多忙で、ブログもしばらくチェック出来ませんでした。(泣)
一般的な日本の夫婦の会話の乏しさに、妙に納得。
日本の場合、静かな食事が礼儀であり、対照的に外国では楽しく会話しながら時間をかけて食事をする場面を映画でよく目にします。
今、はまっている月9では、無駄口禁止のお寺での食事のシーンと家族団らんで笑いの絶えない食事のシーンが描かれていて、ハッと考えさせられました。
ましてや、孤食、個食が増え、人と会話する事なくインターネットだけで生活できる現代の有り方に危惧を覚えるのは考えすぎでしょうか?
昨日、あるイベントに参加して、改めて、自分は人と会話するのが好きなのだと実感。
但し、「口は災いの元」
何気なく発した言葉で、相手の心を傷つけてないかと配慮する事も大事ですね!
一番辛いのは、自分の真意が伝わらず、相手に誤解されてしまった時。
誤解を解こうと説明して仲直り出来た友人もいれば、逆にこじれてしまったケースも。
河野美代子先生には、そんな経験はありませんか?
長文で失礼しました。m(_ _)m
投稿: r s | 2015年11月15日 (日) 08時23分