重症の子宮内膜症の手術と術後薬物療法
15日の西武地区産婦人科医会学術講演会は、すでにお話ししたように、講演1は「性犯罪被害者におけるお願いについて」。そして講演2は「深部子宮内膜症への腹腔鏡下手術と術後薬物療法」でした。ひどい月経痛と、不妊が深刻な子宮内膜症の治療についての講演です。演者は倉敷成人病センターの太田啓明先生。
ものすごい数の患者さんの治療にあたっていて、そのデータ、素晴らしい技術の腹腔鏡の手術の動画、うなりました。倉敷成人病センターの院長、安藤正明先生には、何人かの患者さんを紹介しております。その安藤先生の元で沢山の医師が活躍していらっしゃいます。そのお一人である太田先生の話を聞いて、本当に良かったと思いました。
とても重症の困難な子宮内膜症、骨盤一杯に癒着しているような方の手術も、腹腔鏡で見事にやり遂げられます。
中でも、重症の「子宮内膜症の術後の妊孕能は、術直後に比較して、1年で40%から10%程度に低下する。しかし、術直後から薬物治療をすることで、その低下を抑制し、術直後の妊孕能を温存できる可能性がある」と言う、貴重なお話を聞きました。内膜症の手術の後、まだ妊娠を望まない時には、必ずOCやLEP(月経困難症に保健適応のある低用量ピルと同じもの)等の治療をすること。それも、21日型のOCよりも、ヤーズやディナゲスト等の、持続して内服する薬物の方が成績が優れているということでした。心しようと思います。
以前、太田先生のパートナーの太田郁子先生のミレーナの使用経験の講演を聞きに来たことがあります。ご夫婦で素晴らしい活躍をしている両先生に拍手です。
これは、講演の最中の写真を撮りにくくて、講演終了直後に撮らせていただいた写真です。それと、懇親会の後、お帰りになる直前に撮らせていただきました。
私たち入院を持たない開業医は、他の病院の先生たちに手術をお願いしますが、どこの病院でどんな治療をされているのか、十分に情報を知ること、そして、患者さんに的確にアドバイスすること、さらに術前後のケアを最新の情報に基づいて、的確にすること。それが大切なことと思います。そのための勉強を怠らないようにすることがもっとも大切だと、今回の講演も聞かせて頂いてよかったなあと思いました。太田先生、ありがとうございました。
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コメント
私の失礼すぎる要望にこたえてくださりとても感謝します。本当に今では考えられないことなののですが、独身時代は、知人から指摘されていた、内膜症と筋腫は死ぬわけでもないし、バツイチで、短期の風俗勤めがある私に結婚を申し込む馬鹿な男はいないから放置をしようと決めていて、内心は手術が怖い、感染症もあるかもしれないから人生を諦めようと思っておりましたよ。だからこそ今は猛省しながら子宮内膜症や筋腫は恐ろしい病気だと思います、子宮内膜症や筋腫をおさえる薬の値段の高さに驚愕しているので、生理痛でも産婦人科にいくべきだし、セデスやバファリンでは治すことはできないんだと感じます。セデスやバファリンには騙されないで病院にいく習慣を妊娠可能年齢の女子はいくべきだと今は感じます。
投稿: 愛ちゃん | 2015年10月20日 (火) 10時07分
実は、腹くうきょう手術までいつかいくんじゃないかと本当に治療が終わるまで、妊娠七ヶ月すぎるまで考えていました。本当に子宮内膜症は放置してほしくない、しなくてもよい苦労ばかりしてるからこそ子宮内膜症や筋腫で悩んでるんだったら、もしかしたら子宮内膜症や筋腫かもしれないと自宅で悶々としてるんだったらやっぱり病院にいくべきだ、安易にセデス等を使って過ごす時間のその後のリスクを考えていくことも女子力をあげるのかもしれません。本当に腹くうきょうの手術かもしれないと本当に考えてしまうくらいひどい生理痛でした。
投稿: 愛ちゃん | 2015年10月20日 (火) 22時16分