育鵬社の公民の教科書について(3)
育鵬社の公民に書かれている「男女の平等」について。「法の下の平等」という項で、まず『憲法は「すべて国民は、法の下に平等(14条)であり、人種や性別、社会的身分によって差別されてはならないと定めています(法の下の平等、平等権)。そうした差別は一日も早くなくさなければなりません。
一方で、憲法は人間の才能や性格のちがいを無視した一律な平等を保障しているわけではありません。憲法が禁止する差別とは、合理的な根拠を持たないものと考えられているからです。行き過ぎた平等意識は社会を混乱させ、個性をうばう結果になることもあります。』
と来て、それから男女の平等へと行きます。『人類の歴史は男女の性別のちがいにより、さまざまな文化的・社会的な役割分担や、ときには女性への差別を生んできました。(略)
1999(平成11)年には男女共同参画社会基本法が制定されました。男女共同参画社会とは、男女のちがいを認めたうえで、たがいに尊重し、助け合う社会を言います。』
これは、絶対に違う、かってに「ちがいを認めたうえで」などと言わないでほしい、それは後で他の社の教科書と比較してみれば、すぐに分かることですが。そして、こういきます。これは見開きとそれだけでは見えにくいのでアップします。
まことに正直に『急激に進む少子高齢社会に対応するためにも、女性の労働力が注目されています。』といっています。女性の60%が非正規雇用であるという、雇う側に都合のいい労働力です。そして、そこから先。『「性差と男女差別を混同し、男らしさ・女らしさや日本の伝統的な価値観まで否定している」「女性の社会進出を強調するあまり、とにかく働くべきだという考えをおしつけ、子育てなどで社会に貢献している専業主婦の役割を軽視している」という声も上がっています。』『同時に、社会の風習や古くから伝わる伝統をすべて否定したり、性別を尊重しようとする個人の生き方を否定してはならないでしょう』『個性が強調される中、男女のちがいというものを否定的にとらえることなく、男らしさ・女らしさを大切にしながららそれぞれの個性を磨き、高めていくことが重要です。』
こんなことを言う人が力をもっているから、女性差別は日本では一向に改善しないのです。これは、2006年以降、毎年発表されている世界の国々のジェンダーギャップ・女性差別が解消されているか否かの指数です。2014年の日本のジェンダーギャップは、なんと世界の中の104番目なのです。
この男女差別についての、他社の教科書と比較してみますが、少し長くなりましたので、これは次回に。
私は今日の診療をすますと、すぐに博多に向かい、福岡空港からソウルに行きます。日曜日の夜には、博多経由で広島に帰ります。ですから明日はソウル発のブログになります。少し時間を置いてこの続きを書きますね。お許しを!!
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