SACHICOの加藤先生の講演の続きです。
昨日に続いて加藤先生の講演の一部の報告です。
SACHICO開設して3年経った時点でのデータです。
レイプ・強制わいせつの被害者の来所までの経過時間は、72時間以内が146人、72時間~7日が24人、そして8日以上が167人、不明が4人と、半分以上は8日以上経ち、妊娠してから来所というのが目立ちます。
レイプ・強制わいせつ被害者577人への対応内容(開設5年)
1) 緊急避妊薬処方:196人(うちIUD挿入4人)(妊娠例2)
2) STD検査:427人 感染者:クラミジア39人 淋菌10人 性器ヘルペス1人 トリコモナス4人 HCV陽性1人
3) 証拠採取:254人(うち中絶の際の絨毛採取26人)
4) 妊娠:53人(レイプ被害455人中)→初期中絶28人 中期中絶10人 出産10人 流産他3人 不明2)
5) 弁護士紹介:133人
6) カウンセリング紹介:236人(2014年度には被害者の母にカウンセリング12人が含まれます)
性虐待の加害者の内訳は昨日報告しましたが、その加害者の状況です。
☆SACHICO 5年間の性虐待被害213件中
加害者が逮捕されたのは、16件のみ(告訴予定も含む)(実父5件 義父9件 母と知人2件)(罪名は、強姦罪・強制わいせつ・児童福祉法)
☆他は、
・母が離婚 ・加害者に児相が厳重注意 ・母が加害者側につく など
=性虐待の加害者は、ほとんど罪に問われない
理由①親告罪であるため(本人も非加害者も告発しにくい)
②本人の供述を証拠採用されにくい など
性虐待に同意がありうる?と加藤先生は問います。
☆加害者が本人に対して言ったことば
「二人だけの秘密、家族を守るため」
「誰にも言うな」
「お父さんが刑務所に入ったら困るやろ」
「言うと家族がバラバラになるぞ」
「そろそろできるな」
「(やめてという被害者に)やめられない」
「お母さんのかわり」
☆ほとんどの加害者(多くは実父、継父、内夫・・・)はその事実を完全否定するが、一部認めた加害者の弁
「あいつが自分から誘ってきた」
「娘に誘惑された」
「娘は自分のもの」
「本人の勘違い」
「母と間違えた」
「スキンシップだ」
「どれだけ胸が大きくなったかチェックしただけ」
これらは、ほとんどが大阪での出来事ですが、でも、大阪だけの特殊なことではありません。広島でも、そしておそらく全国でも起こっていること。もう一回、明日に続きます。
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コメント
妊娠してから、性病になってから支援団体にくるのはあまりにもかわいそうです。しかも、中期中絶もあるなんて信じられません。性暴力による出産もあるからこそ命を守る産婦人科ネットワークもあるんですね、相手の男性へのいきどおりと呆れも感じてます。
投稿: 愛ちゃん | 2015年6月 2日 (火) 10時28分
肝炎や淋病を移されていたり妊娠してもまわりに助けをもとめられない方がいるから、赤ちゃんと女性をまもる産婦人科ネットワークの先生の詩集をこの際買いましたが、素晴らしい方と感じてます。一週間あまりの入院生活の中でほんのすこしの事ですがあらゆる立場の赤ちゃんと女性の見方ですという産婦人科のドクターはあまりいないと実は感じてしまいました。ますます、そういうはなをしをきちんと聞ける機会がないので勉強になります。あまりにも性暴力の内情はひどいなと感じています。 不妊症で治療したけど良い結果を得られなかった人や性暴力をふくめて望まない妊娠をした人両方を救えるなら特別養子縁組みもそう悪くないと今は感じます。十組に二組は良い結果を得られないで辞めていく現状ならそれも視野にいれられる社会も良いですが、私も含めて現状はあまり選択肢になってないと感じています。命の大切さを願うなか、特別養子縁組みの制度や犯罪被害で妊娠した女性への中絶費用を国が助成や公費負担していく姿勢が望ましいのではなかろうかと感じています。胎児の命を守りながら生む生まないは私がきめる、中絶するしないも私がきめる姿勢はすばらしいと思ってます。中絶はしないのではなく、中絶できなかったひとを救うのはすばらしいと思ってます。中絶も必要、胎児の命も大切と考えてる河野先生はさすがですね。
投稿: 愛ちゃん | 2015年6月 2日 (火) 12時10分