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御会葬御礼

 先日書いた、四国がんセンターの日浦昌道先生のお葬式に代表して行ってくれた友人が、会葬御礼を持って来てくれました。それを読んで驚いたので・・・。転載しますね。

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「感謝」

本日は大変ご多忙中のところ、私、日浦昌道の葬儀にご列席賜り、ありがとうございました。振り返ってみますと、産婦人科の仕事に誇りを持ち、約四十三年間自分なりに少しでも患者さんのお役に立てばと、日々勉強して情熱を注いでまいりました。

そのような私をいつも妻が支えてくれ、長年夫婦二人三脚で共に笑い、共に泣き、一つの道を歩めて本当に幸せでした。

また、子供達も独立して、それぞれ家庭を持ち、何も思い残す事はありません。

~わが人生に悔いなし~

私の人生によきご縁を結んで下さいました多くの方々に心より
お礼申し上げます。ありがとうございました。

この文章は、生前故人が皆さまへの感謝をお伝えするべく遺したものです。
皆さまのお力添えにより実りある日々を送ってきた夫は、紫陽花の青葉に白露宿る平成二十七年六月二十四日、満六十八歳にて生涯を閉じました。

本日はご会葬いただき、誠にありがとうございました。
略儀ながら書状をもってお礼申し上げます。

   平成二十七年六月二十六日

                        後略      』

 死を受け入れ、覚悟して、どんな気持ちでこれを書いたのかと思うと、泣けて来ます。

 300人もの沢山の方々が葬儀に列席されていたそうですが、中でも患者さんたちが沢山来られていたそうです。さもありなんと思います。素晴らしい人生でしたね。でも、やっぱりもう少し長生きして欲しかったです。

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 2012年4月号のメディカルトリビューンの依頼で、日浦先生の司会で座談会をしました。がんのスペシャリストの先生たちに囲まれて、身が縮むような思いでしたが、いい思い出になりました。この後、ホテルのバーでお酒を飲みながら話をした、それが最後です。

  もう一度合掌

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コメント

 自身と年齢の近い友、研究者、仲間が亡くなるのはとても辛いです。私はここ2年のうちで次々と亡くしました。悲しくて、寂しくて、辛くて、残念で、・・・・。
 死というものは、もちろん本人が一番残念なことなのですが、残された者はその死も引き受けて生きなければなりません。とりわけ、残されたご家族のつらさは想像を絶します。学者、研究者等はどうしてもその専門領域の故に、家族と共有することが難しいことが少なあります。もちろんご学友のようにご夫婦で同じ道を歩まれている場合はその部分はかなり少なく思います。だからこそこんな素敵な感謝のお言葉を残され、それを会葬者にお配りになったのでしょうね。羨ましく思います。
 私の友人の場合、ご遺族はできるだけ多くの故人の在りし日の姿を知ろうとなさいます。葬儀でも、百箇日でも、一周忌でも・・・。ご家族のそういう思いに応えるのも残された者の役割だと思い、少なくとも一年に一回はお伺いし、お話を伺っています。それによって私自身の心も落ちつきます。
 親兄弟、叔父叔母も逝ってしまい、残ったのは妹一人と従姉妹だけとなりました。死がどんどん自分に近づいているな、というのが実感です。終焉に向かってどれだけ準備し、覚悟していけるのか、凡人の私には判りませんが、少しでも準備できるようにしたいな、と思う今日この頃です。

投稿: yaasan | 2015年6月30日 (火) 14時33分

何で日本の産婦人科のドクターって短命なんでしょうか?わかすぎます。死ぬのがはやすぎますね、ベテランの先生がいなくなり、医学生が産婦人科にいかない理由は、政治を含めた日本の風土と患者にあるような気もします。患者にも日本の風土にも問題を感じながら私の母親よりも若いドクターがなくなるのはいけないと感じます。

投稿: 愛ちゃん | 2015年6月30日 (火) 22時10分

河野美代子先生

初めまして。日浦昌道の長男の日浦祐一郎と申します。先生には色々と父の事をブログに挙げて頂きましてありがとうございます。以前より先生のブログは時々拝見しておりました。先日父は他界いたしましたが、父は本当に『我が人生に悔いなし』と申しておりました。自分の仕事や家族についても、息が絶え絶えになりながらも『人生、よかった。ありがとう。。。』と言っておりました。最後は、最愛の母と共に自宅にて過ごしました。病院にずっと勤務していたのに、病院での最後はいやだったみたいです。私は父とは違い消化器外科に進み、現在夫婦で関西で開業しております。また、機会がございましたら先生にもお目にかかれたらと存じます。この度はまことにありがとうございました。

投稿: 日浦 祐一郎 | 2015年6月30日 (火) 22時31分

後悔のない人生って、素晴らしいですね。
自分にはとても無理です。

投稿: やんじ | 2015年7月 1日 (水) 17時38分

yaasanさま
yaasan様が大切なご友人を失くされた、その痛みはブログでこちらも痛いほどわかりました。この頃、私もやっと死を当たり前のこととして受け入れられるようになりました。もう少し前は、やたら怖かったのです。身近な人の死は、やっぱり寂しいです。でも、せっかく生きているのだから、もう少しぼちぼち生きてみようかと、そう思っています。いつも通り過ぎるだけの京都ですが、今度京都で講演します。市民公開講座です。お会いできますでしょうか。またお知らせします。コメントありがとうございます。お返事が遅くなってすみませんでした。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2015年7月 3日 (金) 08時11分

愛ちゃんさま
はい、産婦人科医は早死になのです。私も、このままではもう死んでしまうと思って、疲れ果てて開業医になりました。今の度亡くなった友人は、産科はしなくても、癌の患者さんばかりで、本当に大変だったことと思います。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2015年7月 3日 (金) 08時14分

日浦祐一郎さま
日浦さま、コメントありがとうございました。びっくりしました。私のブログがお目に留まった事、大変うれしく思います。お父様とは、大学一年、18才からの友人です。昔から、勉強熱心な方でした。私は祐一郎さまが子どもさんの頃にお会いしていますよ。あの子がこんな立派なドクターになっている!日浦氏が何の心配もないとおっしゃったことがよく分かりました。お父様の最後のご様子もわかりました。ありがとうございます。どうぞ、これからも多くの患者様のために、お父様に負けないドクターとしてご活躍されますように。感謝申し上げます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2015年7月 3日 (金) 08時22分

やんじさま
本当に。私も、今死が迫ってきたら、もう後悔だらけです。でも、少し楽しく過ごしましょ。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2015年7月 3日 (金) 08時23分

是非お声かけ下さい。予定が重なっていないことを祈るばかりです。山中 章

投稿: yaasan | 2015年7月 3日 (金) 23時47分

日浦の妻の千明でございます。            日浦の事ではいつも温かいブログを書いて下さり、感謝で一杯でございます。今は夫が他界してから虚ろな日々を過ごしていますが、私に明るく楽しい余生を過ごしてほしいと言う遺言があり少しずつ気持ちを変えていかなくてはと思っております。
今日先生のブログを拝見させていただき、改めて在りし日の思い出にひたり人柄を偲んでいます。夫はすべてに満足して旅立ちました。それが残された家族にとりましてささやかな救いとなっております。仲良し同級生に支えられとっても有意義な一生でした。ありがとうございました。 日浦の分まで長生きしていただき患者さんのためにご活躍くださいませ。       日浦千明

投稿: 日浦千明 | 2015年7月 6日 (月) 17時42分

日浦千明さま
御子息に続いて、奥様までコメント戴いてありがとうございます。私のつたないブログをお目にとめて戴いて、感謝しております。彼には、ほんとうに沢山沢山助けて戴きました。彼は思い残すことは何もないと言っていらっしゃいますが、でも、やっぱりもう少し長く生きてほしかったという想いは消えません。きっと、患者さんのために無理を重ねられた、それが体力を削ってしまったのでしょうね。残されたご家族の方々は、まだまだおつらい日々が続くでしょうが、でも、多くの方の胸の中に彼は感謝と共に、生き続けることでしょう。看病の日々も大変だったことでしょう。どうぞ、ゆっくり休まれて、少しずつでも、お元気になられますように。お墓はどちらでしょう。松山ですか?それとも、故郷の蒲刈でしょうか・・・。御子息のコメントと奥様のコメント、こんな所に埋もれるのは、もったいなくって。もっと沢山の方たちに見て戴きたいので、ブログの本体の話法に載せさせて頂きますね。どうそ、ご了承くださいませ。ありがとうございました。

投稿: こうのみよこ | 2015年7月 8日 (水) 08時33分

河野先生、初めまして。
2年前の記事にコメント失礼します。

数年前、日浦先生に私の母の子宮頸癌の手術をして頂いていました。
その後も母は「あの先生の治療は痛みがなくて、すごく楽だった。今どうしてるだろうね。」と気にしていました。
私の知り合いが子宮頸癌の検診してみようかという話になり、日浦先生は今どこでお仕事をされているのか調べるため検索していました。
そして、こちらのブログに辿り着きました。
2年に亡くなっていたとは知らず、母も私もとても悲しいです。
こうして河野先生が記事にして下さったおかげで、先生がどう過ごされていたのか知ることが出来ました。ありがとうございます。

これから暑い日が続きますが、河野先生もどうぞご自愛下さい。

投稿: 桐 | 2017年6月23日 (金) 21時55分

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