「オペラはだしのゲン」沖縄上演について
中沢啓治さんの作品と言うと、もちろん「はだしのゲン」であり、「黒い雨にうたれて」であります。が、「広島カープ誕生物語」と「オキナワ」。これらにも、心打たれたものです。
「オキナワ」は、1970年に少年ジャンプに連載されました。沖縄返還は1972年。はだしのゲンの連載が始まったのは、1972年です。つまり、「オキナワ」は、はだしのゲンよりも前にかかれたものです。実は、この「オキナワ」が中沢啓治さんの初めての単行本になる予定でしたが、販売直前になって中止されました。
オペラ「はだしのゲン」は、1981年に初めて広島で上演されました。沖縄で初上演されたのが、1982年です。初上演の演出をなさった粟国安彦さんが沖縄県南大東島の出身で、これをどうしても沖縄で上演したいと望まれたそうです。
その時のパンフレットを藤田真弓さんが大切にもっていらっしゃいました。その一部を戴きました。その一ページに、若き中沢啓治さんの写真とメッセージが寄せられています。
『私は、沖縄本土復帰、1年前に外国旅行並の手続きを経て本島を訪ねたことがあります。あれから11年が過ぎたのかと時の流の速さに驚いています。
沖縄へ出発する前には、沖縄の歴史、その他の資料などを調べ出発したのですが、空港に着いてから先ず驚いたのは、本土では想像もつかない、あまりにも巨大な米軍基地だったのです。そして、太平洋戦争で唯一の住民を含めた地上戦が行われた各激戦地を尋ね歩いて、戦争の痛みを、つくづく感じました。
広島で原爆を受けた私の体験と惨状が蘇って来るのです。人間にとって最高の宝は、〝平和″だと思います。そんな思いを込めた「オキナワ」とい言う作品を描いて発表もしました。戦争と原爆は、人間を狂気にし、生きる未来を奪って行く最高の罪悪だと確信しています。平和の尊さを、つくづく思い知るのです。
そんな思いを込めた「オペラはだしのゲン」が沖縄の地で上演される事は、本当に意義あることだと思います。一人でも多くの人々に観てもらい、心にふれて、戦争と原爆を阻止する役割の一つとなってくれる事と成功を心から願っています。 原作者 中沢啓治』
もう少し、オペラ「はだしのゲン」の沖縄上演について明日書きますね。お付き合い下さいませ。私は今日は診療後東京に移動です。明日は、川崎で講演です。
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コメント
今は、名作漫画をオペラで鑑賞する時代なんですね。オペラ=高い芸術性でお値段も高いですが、チケットはどれくらいなのでしょうか?漫画もよい作品は芸術性が高いとおもいます。
投稿: 愛ちゃん | 2015年6月27日 (土) 09時54分