日韓国交正常化50周年記念講演。
昨日は、広島県日韓親善協会の総会、講演会、会員の夕べでした。これまで長い間会員ではあっても、いつも総会は仕事と重なっていて参加できませんでしたが、昨日は、ちょうど木曜の休診日。初めて総会にも講演会にも参加しました。
駐広島大韓民国総領事館・広島県日韓親善協会主催「韓日国交正常化50周年記念特別講演」「韓日関係50年とその未来のために」。講演会には沢山の人たちが参加しました。
講師は孔魯明先生。元外交部長官。1032年生まれ。ソウル大学卒業後58年外務部入り。ロシア大使、駐日大使などを歴任。現東アジア財団理事長。1965年日韓条約締結の際、国交回復交渉の実務に当たられました。
長年にわたる日韓両国の関係・歴史を見つめて来られた方です。
これまでの両国の50年の分析と、これからの50年への提言でした。外務部での日韓交渉の裏話なども含めて、改めて事実関係を整理することができました。
丁度私が大学に入学した年。学生運動で「日韓条約締結を阻止しましょう」というのに、なぜ?という素朴な疑問を持ったものです。
それは、これまでの日本が韓国他のアジアの国々の植民地政策によって散々迷惑をかけてきて、その反省もなしに表面上の国交回復をしようとする日本の指導者たちに対しての学生からのノーでした。
孔先生の話は、まず現状から入られました。国交正常化50周年。「ともに開こう新しい未来を」。しかし、現状は2012年以来の両国関係は、この50年間で最悪の状況になっていると。
3年間、両国の首脳会談は開かれないままである。安倍氏の言い分、朴氏の言い分。それを何とか打開しよう、流を変えようと今年3月、「賢人会議」が持たれている。日本からは森・福田元総理、韓国からは李洪九元総理などが出席していますが、未だ成果を上げていない。
1951年、国交回復のための第一次会議で、韓国側は「韓国は日本を侵略したことは一遍もないが、日本は韓国を侵略し、植民地化し、多大な苦痛を韓国の人々に与えた。しかし我々は過去の怨念を捨て、全ての問題を解決することによって、新しい出発をしたい。過去の日本の行為に賠償を要求するものではない。我々は共に和解しましょう」と言った。が、日本はそれに対して「われわれは何を和解するというのですか」と答えたのだと。
15年に渡る何回もの会議を重ねて、やっとの国交回復でした。それから30年後の村山談話、そして河野談話。
安倍総理のオーストラリア議会演説・米国上下院合同演説は、対戦国むけであった。8月に行われるという談話は、かつての被害地域=アジアに向けて明るいイメージで語られることが望ましいと。
韓国と日本両国が共有する未来は「自由民主主義・市場経済・東アジアにおける共同の政治外交的利益」。新しい時代の両国経済協力「第3国共同進出と直接投資」など、共有できるものは沢山あり、共に歩んで行けるものであると。又、巨大な隣国中国に向けても、日韓両国で共同して向き合えるように。
さらに、世界では、韓国と日本の外交官同士は、仲良く力を合わせていることや、広島に領事館を設置するに至る裏話など、現場にいる人だけが語られることも楽しく聴かせて戴きました。
その後の会員の夕べについては、また明日ご報告します。
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コメント
日中平和友好条約も日韓平和友好条約もかなりいい加減な状態で結ばれたなら再構築したり建て直しを色々な面でサポートすべきかなと感じます。どさくさの中での講和が米中韓国との間で結ばれ百パーセント平等な講和ではないから問題があるし、日本もかなり反省すべきところがあるので大変なんだなと思います。そんな中NPTが無効になったのは問題だと感じます。中韓への謝罪がきちんとなされない影響がでたとおもいますが、謝罪がない事を理由に核開発や侵略戦争を進める中国には絶句します。
投稿: 愛ちゃん | 2015年6月 6日 (土) 09時25分
広島は韓国との交流が盛んなんですね。びっくりします。韓国語のお勉強頑張ってください。応援します。
投稿: 愛ちゃん | 2015年6月 6日 (土) 18時29分
高校生平和ゼミのことを検索したら、河野先生のブログに出会いました。お元気ですか。中学校で教員をしていたときに、先生の講演を何回か拝聴したことがあります。あの当時は、性教育も盛んにおこなわれていました。もちろん平和教育もです。「カキ船」の件は、広島の「見識」が試されているように思います。先生が日韓親善協会の会員だったと知り、今は会員ではないのですが、どこか親しみを感じました。総会にも参加したことがあります。市民レベルの交流を地道に続けることは、実際に韓国を訪れると実感します。
投稿: いっちゃん | 2015年6月 9日 (火) 21時16分