「あきらめない」
この頃、つくづく思うのです。「体が楽だということ、体のどこも辛くない」ということは、どんなに幸せなことかと。今、私は本当にそうなのですね。もちろん、いろいろとお薬は飲んでいます。が、自覚症状としては、どこも辛くないのです。
いつもいつもしんどい体を抱えていました。特に勤務医の時代、極端な寝不足が当たり前。診療をしていて、婦人科の「内診台」に寝ている人をうらやましいとさえ思いました。あんな風に、ちょっとでも横になれたらと。
「更年期ダイアリー」に書いたように、いろいろな病気が一気に吹き出て、まあ、さまざま治療しました。全身のリウマチでヨチヨチとしか歩けなかったことも。この時は、大量の鎮痛剤を飲みながら、保冷剤を足首の関節に縛り付けて診療をしていました。サルコイドーシスというおかしな病気の治療で、ステロイドで顔がぱんぱんになったこともあったし。
大きなしんどいことを抱えて、不眠でもんもんと朝まで過ごしたことも数えきれないほどあったし。
でも、今、私の体はすっかり楽なのです。しんどいということがないのです。それはもう、すごく幸せです。いつまで続くか分からないけれど、ありがたいことです。
そんな今日、この本を読みました。カープのパーティールームでナンシーさんから勧められました。
山下貴大君の闘病記です。弁護士だった父親を幼稚園卒園前に亡くし、母親の手で育てられました。そして、脳腫瘍、大腸がん、白血病となんとこんな病気に次々と見舞われながら、強く明るく生きた彼と母親の闘病記です。彼はよく頑張りました。彼も母親もどんなにかしんどい毎日だったことでしょう。一人の少年に、こんなに次々と厳しい病魔が襲いかかるということが、こんな過酷なことが、現実あったなんて・・・。
「あまりに現実は過酷で、"忘れる"事でしか前に進むことはできませんでした。辛い過去は振り返らず、、常に前向きに希望を捨てない。そうすることによって、それはいつか意味のあるものになるだろう、そう信じて毎日を必死に過ごしてきました。」
本の帯にあるように、新井選手も彼を励ました一人だったと。新井選手がカープに帰って来たことを知ったなら、きっと山下君も喜んだでしょう。
ああ、私は、せっかく医師という仕事についているのだから、しんどい人たちを少しでも楽にしてあげられるように。日々の仕事を漫然と過ごすのでなく、心して仕事に向き合わなければ、と改めて思いました。
これから読む予定の本です。
『河野美代子からだの相談室』
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ぜひ覗いてみて下さい。
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コメント
先生がご紹介されたご本ですが、何かのTV番組で紹介されてました。私も機会があれば読みたいとおもいますが、生きることの素晴らしさ、命の大切さをうかがい知るご本だと思ってます。私も最近命の大切さを伺い知る絵本にはまって、赤ちゃんがおおきくなったら読んであげたいと思い数冊かいました。
投稿: 愛ちゃん | 2015年5月27日 (水) 21時27分
「体が楽だということがどんなに幸せか」
先生、それわたしすごくわかります~~~。
先生のこれまでのことを読んだら、とてもわたしなど
楽々人生ですが、年に数度、体のどこにも
痛みもかゆみもだるさも感じない日は
声に出して確認をして、幸せだなあって言います。
空に向かって両手を広げて幸せを確認します。
そしてわざわざ誰かに言いたくなります♪
ブログにも書きたくなりますネ!
その幸せ、長く続きますように!
毎日が大変なのに、仕事でもプライベートでも
アチコチ行って、しかも今はカープも行きまくって
その上、ものすごい字数のブログを書きまくり
どれだけの事柄をこなしていくのか
どうやって時間のやりくりをしておられるのか
頭の回転の速さにいつも敬服しております。
お孫ちゃんの記事には、心を寄せました。
…でも先生を必要とする事柄の多さに
そのために生まれてこられたのだろうなあとも思いました。
あ!はじめましてコメントさせていただきました(_ _)
「その幸せ」に、あまりにも共感したもので^^;
先生のブログ、いつも字数の多さに舌を巻きながら
楽しみに拝見させていただいております。
投稿: あまからともこ* | 2015年5月29日 (金) 02時07分