会いたい人に会うということ1.
昨日は、山口県社会福祉士会の方々への講演でした。ふつう山口へは車で行くのですが、昨日は新幹線で行きました。以前にそう決めていたのですが、大正解。ムチ打ちの頭では運転は無理です。講演も、二時間立ちっぱなしで大丈夫だろうかと少し心配だったのですが、大丈夫。ちゃんと終えることができました。
社会福祉士の方々に、産婦人科の現場で起こっていること、様々な性暴力の被害、DV被害、または若い人たちのデートDV。これらの事を知って戴くことはとてもありがたいことなのです。
その話の中で、ひどい性暴力の被害に遭った女性のことでお世話になった山口の弁護士さんを思いました。話を聞いて下さって、警察や検察にも行って下さって、尽力して下さったのですが。昨年末に急死なさいました。その松坂孝一弁護士が書生として住み込み、司法試験の勉強をしていたのが、同じ山口の高井弁護士さんの家です。
私が学生時代、学生運動で逮捕された学生たちの面会や保釈、裁判でとてもお世話になりました。その後も私が結婚し、二人の子どもが生まれてからも、当分行き来していたのですが、そのうちご無沙汰してしまって。
一昨年、山口での泊まり込みでの性教協の全国大会の時に連絡をして、何十年ぶりかでお会いしました。お宅にお邪魔してお話ししたのですが、またまたそれっきりになっていました。
会いたいなあと思う人には、会っておくこと。会えないままに後悔することがとても多いので。最近特にそう思うようになりました。
で、講演が済んで恐る恐るお宅に電話してみました。そしたら、元気なお声で出られたので嬉しくて。お家に訪ねて行きました。
高井先生の奥様は認知症が激しくて、以前行ったときには、先生がお世話をなさっていたのですが、もうできなくなったと、施設に入っていらっしゃいました。だから、先生は一人暮らし。一匹の犬と一緒に暮らしていらっしゃいました。
先生のお宅の庭に梅が二輪、雨に濡れて咲いていました。
先生は、弁護士になってから山口に住んだので、友達もいないし、80才で弁護士を引退してから何にもすることがなくってと言われます。でも、頭はとてもシャンとしていて、昔の学生のことなど、しっかり覚えていらっしゃいました。
一緒にタクシーで湯田温泉の天ぷら屋さんに連れて行ってもらって、天ぷらとお刺身を御馳走になりました。先生は、日本酒を飲まれました。
思い切って会いに行ってよかったと思いましたが、帰る時先生は、今度いつ来る?と言われました。これからも機会があれば訪ねようと思います。
そしたら、帰りの新幹線の中で電話がありました。私たちのたった一人のおばさんが亡くなったという電話でした。また明日に続きます。
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コメント
これまでのブログの内容を、どなたか優秀な編集者の方に協力して貰い、重複を上手く整理したり全体のストーリーを構成したりして是非、一冊の本にまとめて出版して下さい。先生の波乱万丈の生活と奮闘は、多くの人の共感を呼ぶと思いますし、先生の発信する大切なメッセージも、日常の食べ物や交流の堅苦しくはない雰囲気の中で、自然に伝わるのではないかと思います。
投稿: 一ファン | 2015年2月23日 (月) 09時48分
先生、御愁傷様です。色々とお体がおつらいのにお仕事をなさる姿をブログ上でお伺いするのは、忍びがたいものです。会いたい人がいるというのは幸せです。また会いたい人に会いたいと思うのは自分自身が辛い立場にいるときだとある目上の人が私にいってました。本当にお体を大切になされませ。本当にご回復を祈ります。
投稿: 愛ちゃん | 2015年2月23日 (月) 15時33分
大丈夫と仰いますが、本当に無理をなさらないで下さいね。先生が筆を折るようなことがあっては一大事ですから。
投稿: 公主 | 2015年2月23日 (月) 23時42分