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救急患者さん、あれこれ。

 今朝6時過ぎ、まだ真っ暗な中を出勤しました。急患なので。平和公園は、寒くて暗い中をウォーキングしている人がとても多いです。その人々のそばをすり抜けるように自転車を走らせました。

 これは手がいると思うときには、スタッフに連絡をして出てきて来てもらいますが、今日は一人で大丈夫と判断。当着するとすぐに診察の用意をします。産婦人科は、いろいろと準備が必要です。冷え切った診察室のエアコンとストーブのスイッチを入れて部屋を暖めて、超音波や内診台のスイッチを入れて立ち上げて、内診に必要な道具を用意して。

 ほどなく患者さんが到着、まだ全然部屋は暖かくなっていませんが、仕方がありません。

 昨夜つい夜更かしをしてしまって、2時間しか寝ていません。しまった、こういうことがあるから早くに寝なければ、と思いましたが。それでも、深夜や早朝の診察は時々で、勤務医の頃に比べれば楽なものです。

 診察をし薬を出して、彼女は、これからの勤務に間に合いそうで、よかったです。私はそのままクリニックにいます。

 昨年末の深夜、午前1時過ぎ、寝ようとしていたときに、患者さんからの電話でした。おなかが痛いというのですが、その数日前から痛かったと。でも、昼は仕事があるから受診できない、今診てほしいと。

「先生、知っとるじゃろ、私が仕事しよるのを。忙しいんよね」

それは知っているけれど、救急病院に行って、と言って診察には出て行きませんでした。彼女はすごく怒ったけれど、突っぱねました。昼働いていても、なにも、そんな遅い時間に。もっと早ければ出て行ったでしょうが。

 もしも彼女が大変なことになったら・・と頭をかすめましたが。日頃の言動からして、大変な事態ではないと判断したこともあります。

 わたしのクリニックでは、クリニックを閉めているときには、留守電に吹き込んでもらいます。吹き込んでもらえば、私の携帯に知らせがきますので、その吹き込まれたメッセージを聞いて、私から電話をします。そんな私に連絡を取る方法を小さな紙に書いておいて、患者さん、とくに妊婦さんには全員に手渡しています。留守電には、

「当院の患者さんで、緊急のご用件の方は、お名前、電話番号、御用件を吹き込んで下さい。折り返しお電話します」と吹き込んでいるのですが、この頃、電話番号を言ってくれない人がとっても多いのです。

 携帯に相手の番号がディスプレイされる、その習慣なのでしょう。でも、留守電に吹き込まれたメッセージを電話で聞くのですから、電話番号は見えません。中には、ご丁寧に、「この電話番号に電話下さい」とだけ言う人もいます。

 それから、電話番号を言った人に私の携帯で電話すると、通じない人がいます。私の番号は非通知にしていたのですが、それでは出てくれない人がとても多いので、もう非通知をやめました。そしたら、その私の番号を登録して、それ以降直接かけて来る人もいます。それはやっぱり困るのですね。

 そうそう、昨日、救急車で運ばれてきた人、酸素吸入までしながら、ものものしく来られたのですが、A型のインフルエンザでしたよ。うーん、妊婦さんでもないし、しんどいからと救急車を呼ぶのは辞めて欲しいのですが、でも、診察をしてみないとインフルエンザとは分からないので、仕方がないことなのかもしれません。

 何十年もそんな仕事を続けています。つくづく因果な仕事だとは思いますが。これは仕事を辞めない限りついて回ることなので。そんな仕事を選んだのは私なのですから・・・。

 

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コメント

すごい先生はお優しいですね、今はお医者さんのプライバシーや休息時間もあるから、患者さんにはあまり携帯番号をあえて教えないところがあるのに、すばらしいです。でも、インフルエンザで救急車を使って開業医に駆け込むのは問題ですよね、掛かり付け医として信用なさっているのだと思うけど、救急病院でも足りるのではと感じます。そのくせ分娩予約してるところには運んでくれなくて救急病院に運ぶのは問題だと思います。結局マナーが悪いから妊婦が分娩予約してるところには運ばないのかなと感じます。開業医のお医者様の携帯に電話するのはよっぽどの事がない限りだめだと思いながらも、体調管理ができないならお仕事を辞めて違う会社に勤める勇気や不景気があるからできないと感じます。本当に先生のお体がかわいそうです。お疲れ様です。

投稿: 愛ちゃん | 2015年1月 7日 (水) 10時50分

河野先生にみてもらっているわけでもないから、差し出がましいかもしれませんが、睡眠不足のまま出られるなんてかわいそうです。また、本来は救急外来にはベテラン先生がいないから結局、先生を早朝およびになるのは先生がとっても信頼されてるのかも知れませんが、全くお会いしたこともない私は、あまり携帯番号を教えるのはよくないと心配してしまいました。ベテランの産婦人科ドクターがいない分年配のドクターが睡眠不足になるまで働くのはよくないと感じます。携帯番号を勝手に悪用されたりしたら嫌だなと感じます。本当の緊急事態に先生の個人電話にするのは一向にかまわないのですが、深夜早朝に電話連絡って一般のお宅でも嫌がられるからこそ時間帯によっては救急外来にいくのが患者としてのマナーなんだなと感じます。先生はおやさしいし、親切だからみんなが甘えてしまうと感動しました。

投稿: 愛ちゃん | 2015年1月 7日 (水) 20時38分

客だからといって、むちゃくちゃを言う人は少なくないでしょうね。
相手を尊重する、そんな考え方は消えてなくなっていくのでしょうか。
携帯番号を通知するのはやめた方が良いと思います。
先生の善意であっても、そう受け止めず携帯番号が拡散する可能性があります。
誰かに医者に直接つながると教える人もいるでしょうから。
留守番電話に、非通知の着信拒否を解除しておくように入れた方が良いと思います。
それか、もう一台携帯電話を持つほうが良いですね。
それに、携帯電話番号を伝えた相手の名前と電話番号を登録しておけば、それ以外は着信拒否にしておけばいいし。
それと、留守録に名前を名乗らない人には、連絡はしないと決めた方が良いと思います。
自分の名前さえ名乗れない人は、患者ではないでしょうし、緊急時ではないでしょうから。
そんな人のを夜間診療していたら、危険だし、診療費の踏み倒しをするかもしれませんから。
市民病院でも、健康保険証を忘れたからといって、踏み倒して逃げる人もいるようですから。
先生の安全のためにも、ちゃんと筋を通せない人には対応すべきでないでしょうね。そんな人のために、心を苦しませる必要は無いですよ。
本当に危険な状態なら、救急車を呼ぶでしょうから。

投稿: やんじ | 2015年1月 8日 (木) 14時49分

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