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性教育指導セミナー④女性の愛情曲線

 性教育指導セミナーの報告、これが最後です。

 シンポジストのお一人、看護師であり、保健師でもある押栗泰代さんの発表です。押栗さんは、産後女性を対象に育児にかかる不安や悩みを「お母さんのための保健室」として支援をしてこられました。

 その押栗さんは、『妊娠に適齢期があることは情報として理解をしているが「実際には夫の育児体制が整っていない」「電車の中など小さな子どもを連れていける環境整備ができていない」「出産後も継続して安心して働くことができる環境がない」など社会的な体制が不十分であることなど、自分自身の抱える課題から躊躇していること』そして、

『個人のライフスタイルに見通しを持ち、それぞれの「こころ」と「身体」「環境」などのバランスを考えたうえで「この時期」と思えるとき』

『「授かった時」が自分にとって一番いいとき』であると話されました。「授かったとき」という言葉が今さらながら新鮮でした。

 そして、NPO法人 ファザーリング・ジャパンの徳倉康之さんの「子育て男性のWLBからみた妊娠適齢期」が興味深いものがありました。眼科医である妻との間に現在三人のお子さんがいらっしゃいます。2009年に第一子が生まれた時に8ヵ月の育休を、これは、妻が男性の医師と同じ時期に専門医の受験をしたいとの思いから仕事に復帰、代りに彼が育休を取って子育てをしたそうです。そして、2011年の第二子誕生の時には二ヵ月の育休を取っていらっしゃいます。その徳倉さんのスライドと同じ物をネットから戴きました。

___384 渥美由喜さん提唱の「女性の愛情曲線」の紹介です。子どもが生まれると、とたんに彼氏、夫への女性の愛情は一気になくなります。そして、その曲線が回復するグループと低迷を続けるグループの分かれ道は、「出産直後から三年間」の間に、男性がどれだけ育児にかかわるかで決まると。その三年間がとても大事なのだと言われました。

「愛情曲線」ねえ。知りませんでした。でも、本当にその通りですね。今回のシンポジウムは、目からうろこがぽろぽろとこぼれました。全く、いつまでたっても、勉強することが大切だと、改めて考えました。性教育って、まったく奥が深いです。

 来年は広島で開催です。これ以上にお役に立つメニューができるだろうかと、少々不安ではありますが。

避妊教育ネットワークの皆さんのパワーを期待しながら、準備しましょうね。

ここからはおまけです。県民公開講座の後、懇親会でした。琵琶湖の湖上汽船ビアンカによるクルージングです。

___369 ___377  京都の芸妓さん、舞妓さんの踊り。芸妓さんは、これまで見たこともない美しい人でした。舞子さんはかわいくて。この後もクルージングの終わりまで一緒に船に乗って戴いて、大人気でした。

 クルージングの後は、琵琶湖ホテルでの二次会。カラオケ三昧です。みんな上手!!二次会の終わりには、みんなで記念撮影。このほとんどが避妊教育ネットワークのメンバーです。やっぱりすごいパワーです。
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 私は今日の診療後は鹿児島に行きます。明日は性教協鹿児島サークルでの講演です。

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コメント

授かった時の夫への愛情曲線とそのあと二三年で愛情がきえてしまうと、病気の体外授精セミナー でも病院の先生がいっていたような気もしています。徳永さんのように男性の妊娠・育児休暇やフランスのように妊活もふくめて男女が妊娠や出産に関する休暇をとれたらどんなに楽でしょう、またそれが非正規にまで広がっていく動きはどんなによいでしょうか?本当に日本は産みにくく育てにくい環境ですが、それでも生むなら男性の妊娠や育児休暇や家事参加なんだと思います、それがまったくできてない社会だと思います、本当に都議会や都政だけでなく雇用や労組の改革が必要だと思うのにまったくできてないから少子化っていうことも頭にいれておきたいです。本当にそういうことがまったくできてないから不妊治療当事者への差別があるんだとかんじます。

投稿: 愛ちゃん | 2014年7月30日 (水) 10時08分

河野先生。偶然にも先生のブログを拝見させていただきました。当日パネラーで報告させていただいたことを書いていただきありがとうございました。
出産された方はその時は様々な悩みを抱えておられますが、子どもを育てる中でいろんな意味で強く、優しく成長されます。ただしそこには社会的支援が必要だといえます。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

投稿: mymama | 2014年8月13日 (水) 16時16分

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