今こそ「性教育」を!その①
前回の日曜日、竹原市で講演をしました。
これは、講演の前の写真です。
私、今こそ子どもたちに性教育をしっかりすることが必要だと思っています。それらをしっかり話をさせてもらいました。
またまた熊本でネットにより知り合ったことから、殺人の被害にあった高校生のことが連日報道されています。ネットの危険性について、さまざまな知識人がコメントをしています。
私はもう3年以上前から、中学生や高校生に話す時には、必ずこの問題を入れています。例えば中学生に話す時には、次のように。
『みなさんはまだ中学生だから、携帯は持っていないでしょうが。高校生にもなると多くの人が持つでしょう。そしたら、出会い系サイトの情報が沢山入って来ると思います。今、フィルターがかけられるようになって、出会い系サイトの多くはつながらなくなっているけれど、それに代わる物として「掲示板」があります。ゲームの掲示板、学校掲示板、学校裏掲示板・・・。いい?それらに自分のアドレスを晒すということは、単にメールの交換だけでは終わりません。それは、必ず会おうということにつながります。
会う目的は?もうはっきり言いますね。セックスです。セックスが目的で「会おう」となります。もう、たくさんの被害に遭った人たちを見てきましたよ。
一番多いのは「妊娠」です。妊娠が分かって、それを告げたら、とたんに携帯を変えられて、連絡がつかなくなって。中絶しようにも中絶のお金どころか、相手の同意書も取れなくって、途方に暮れる、そんなことが今、あちこちの産婦人科で起こっています。
若い人たちは、「会ってもいいじゃん」と言います。会ってみて、感じよかったら、まあ、ご飯くらいおごってもらってもいいかね、カラオケくらい行こうか(言っておくけどカラオケも密室ですよ、カラオケでレイプされた人を何人も見ていますよ)、まあ、ホテルにも一回くらい行ってもいいかね。感じ悪かったら、黙って帰ったらいいんよねって。会っただけで、感じよかったら、悪かったらって、そんなにみなさんは人を見る目ができていません。みなさんはまだ未熟です。私の年齢になってやっと患者さんと話していて、ああ、彼女はいろいろな社会を背負っているなあとか分かってきているのに。それでも、時には騙されることだってあるのに。
私の患者さんでね、感じいいと思った人とホテルに行ったんだって。で、相手が脱いだら全身に入れ墨が入っていたんだって。もちろん、入れ墨が入っている人が悪い人なんて、単純に言えることではないけれど、外見からは全然そんなふうに見えなかったって。怖かったよ、怖かったよ、と私に言いましたよ。
それから、私の患者さんではないけれど、性教育の仲間の教師の教え子です。やさしそうな人だと思って、ホテルに入ったんだって。そしたら相手がガラッと変わって、いきなりばかーんと殴られたんだって。殴る人、サディスト?
いい?密室の中で二人っ切りになるっていうことは、命を危機に晒すことです。声を上げたって聞こえやしない、逃げようとしたって逃げられはしません。彼女は殴られてけられて、鼻の骨が折れて、そしてレイプされたって。でも、殺されなくってよかった。命が助かってよかったけれど、もう、計り知れない心の傷を負ったでしょう。
今、出会い系サイトなどのネットを舞台にした殺人事件って沢山起こっているのですよ。今や、男性だって女性に殺される、そんな社会なのだから。』
もちろん、こんなことで「性」を脅してやろうと思って話すのではありません。でも、携帯にはそんな側面があるということを、今、本当に、緊急に、具体的に、実感できるように話してあげなければならない時に来ている、そう思います。
この項、もう少し続きますね。
『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。
| 固定リンク
コメント
青少年のライン使用について本日の赤旗にのってますが、中高校生では問題になってるんだなと感じたのと、青少年だけではなく中高年がラインで違法薬物を買うケースがあるようですね薬物使用には、どういう訳かセックスがつきものですが、ラインで購入した薬物をかい、使用するのに、中高生と援助交際するのにラインもつかうとなると今の中高年ってと首をかしげたくなりますね。ラインってそういうものじゃないんだと思います。それにしても、先週の横浜の中学生が長崎の被爆者に修学旅行中に暴言はいたり、特ダネのメインコメンテーターが白鴎関の5月場所での優勝記者会見の対応がわるいとにめちゃくちゃ文句をいったり、白鴎関側の理由をマスコミが、知ったときの、報道内容を拝見すると、性教育について考えさせられます。白鴎関だって望んでもない結果なのに、配慮すらしないマスコミ業界って金儲けしかないのねと感じます。金儲けと快楽しか頭がない社会だからラインが望ましくない方向にいってるのかと感じます。性教育の内容や方向性、場所、世代の幅を広げていかなくてはならないと痛切してます。
投稿: 愛ちゃん | 2014年6月11日 (水) 09時43分
子供達が持つ携帯やスマホに、フィルターをかけるより、ネットにはつながらないようにすべきですし、企業もそんな携帯やスマホを作るべきですね。
フィルターと言えば聞こえがいいですが、小さは穴のあいたコンドームみたいなものですから、十分な機能はないでしょうね。
メールと電話だけの機能で十分ですね。
そう難しく無いプログラムで作れるでしょうし。
学割などで、大人も安く使えるようにして、子供達にネットに簡単に安くつながるような料金システムは、子供達が被害になる犯罪に加担しているようなものです。
スマホでネット検索を、子供達が簡単にできる必要性って、重要なことなんでしょうか。
家族のパソコンででも十分でしょうね。
アメリカのドラマでは、子供が専用に使うパソコンはそんなに多くは無く、もし専用のパソコンを持っていても使い方に問題があるなら、個人の部屋でなくリビングで使わせる教育を親がやっていました。
ネット教育も、家庭等では不十分でしょうね。
投稿: やんじ | 2014年6月12日 (木) 15時11分