昨日のNHK。
昨夜はNHKでの討論、失礼しました。
私は診療があって、代りのドクターもお願いしようとしたのですが、代診のドクターの手配ができなくって。5時半で診療を終えるつもりで掲示もしていたのですが、それも一杯で、NHKに駆けつけるのが6時になってしまいました。皆様にご迷惑をおかけして申し訳ないことでした。
打ち合わせもそこそこに、私にとってはほとんどいきなりの本番でした。
時間の配分など、いろいろと反省すべき点はありました。特に、せっかく来ていてた高校生がほとんどしゃべられなかったこと。これはかわいそうなことで。ただ、私たちには、時間が後どれくらいなのかも分からないままで、あっという間に終わってしまって。後で、ああ、あのときに私がしゃべらないで、彼女に話しをさせて上げればよかったなあと、申し訳なく思いました。
でも、それでも、私にはずいぶん勉強になったことが沢山ありました。
被爆の体験の伝承。広島市が3年前から取り組んでいること。初めは、「他人の体験を他の人がしゃべることができるのだろうか」と思っていたのですが。そのVTRを見て、これはすごいことだと思いました。
あのVTRに出て来る新井俊一郎さん、アッと思いました。私がまだ学生時代、だから47~8年前になります。RCCのドラマグループにいた時代にずいぶんお世話になりました。45年ぶりに画面上でお会いできました。あの新井さんが被爆体験の伝承事業に取り組んでいらっしゃるのですね。これは、VTRを見た限り、ずいぶん成果を上げていると思いました。素晴らしかった!です。新井さんの体験を若い女性がしゃべる、はじめてVTRを見て、涙が止まりませんでした。
ああ、被爆の体験を風化させない、こういうことが出来るのね、と改めて感じ入りました。ちょうど、新屋英子さんの一人芝居、または神田香織さんが「はだしのゲン」を語る講談のように。
さらに、被爆建物についても。沢山あった貴重な建物がどんどんとなくなって行きます。私の小さい頃は、原爆で壊れた建物が遊び場でした。学生時代、授業を受けたのは、被爆した赤レンガの教室でしたし、医者になっても、赤レンガのうす暗い診察室、医局、食堂でしたし。これらはみんな姿を消しました。
これらをどう保存していくのか、課題です。あの世界遺産の原爆ドームだって、ポロボロと崩れて行くのを、もう取り壊そうという寸前にまで行ったのです。それを全国からの募金で何とか保存できて、そして世界遺産の登録までできたのですね。
生き証人である貴重な建物をどうするのか、課題は沢山あります。そして、その保存の運動に生涯をかけている被爆者のことも知ることができました。
いろいろと反省と課題はあるにしても。もっともっと言いたいことはあったにしても。私自身の勉強になったこと、こういう機会を与えられたことに感謝します。
でも実は、私自身は画面も番組も見ていません。自分がどう紹介されているのかなどを未だに分からないままなのですね。家では、VTRも取ってもらっていないし。いつか何とかして見てみたい、そしたらもっと反省点や新たに知ることもあると思います。
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コメント
広島大学って世界遺産ものだったということを今初めてしました。きちんと歴史あるものだから、耐震とかよりも補修などをしてつなげてほしかったです。卒業生や在学生のつながりで募金とかすれば保存できたかもしれませんね。同窓会などの場で伝えられる機会がなかったのが残念ですね。NHKもいい番組作ってるなと先生のお話を伺い安心してます。
投稿: 愛ちゃん | 2014年6月21日 (土) 09時22分
丁度運転していたので、観れませんでしたが、聴きました。
アナウンサーさんが「かわのさん」って言うので「こうのさんじゃろ」と
突っ込みながら運転してたら、声が先生じゃなく、本当にかわのさん
でしたw
保存するのに、お金がかかりすぎますよね。長く残すには
収益型のテーマパーク的な要素が必要なのではないでしょうか!
投稿: ⑦パパ | 2014年6月21日 (土) 12時40分
録画していたのを本日見ました。
なんとも、物足りないですね。あやふやなままって感じですね。
司会のアナウンサーは、高校生にも意見を求めるべきですね。
同じ人の話ばかりでは、???と思います。
いままでやってきた人達の話も重要ですが、街灯インタビューで若い人に聞いていうrのですから、出ている高校生の話や意見をもっと聞きたかったです。
大人の話は、なんども繰り返されているので、聞いていてなるほどと思えるものは無かったですね。
被ばくの継承をしてくれる、若い人達の意見を中心にし、それに対しての大人の意見を聞きたかったですね。
被ばく建物の保存も、これからの若い人達が、どのように考えているか、被爆者の想いをどれだけ受け留めれるか、今から十年弱の間に道筋をつけなければいけないですね。
投稿: やんじ | 2014年6月22日 (日) 18時10分
やんじさんと同感です。「タイトル」が泣くような進行でせっかくの企図がいかされず、元同業者として残念に思います。翌土曜日の再放送も見ましたが、「原爆遺跡」を別立てにすれば、もう少し突っ込んだ内容になったと思います。ただ、新井さん(私の先輩)の熱意とそれを受け継ぐ若い語り部の情熱が救いでした。先生も
消化不良だったと思います。
投稿: 無冠の諦王 | 2014年6月23日 (月) 10時17分