低用量ピルの副作用②月経痛の治療薬として
昨日の記述で、若干不十分だったかなと思うので、少し追加を。コンドームをいつも使っていれば、避妊は完璧かと言うと、決してそうではありません。
これまでにも何度も言っているのですが、私の所でのデータでは、コンドームをいつも必ず使っていたという人の妊娠率は、13.5%でした。コンドームの避妊率は、一年間で85%と言われています。これは、一年以内に、100カップル中15カップルの妊娠が成立するという意味です。それと本当に近い数値が私たちの所でも出ました。
これは、コンドームの限界を示しています。そもそも、私の所でも緊急避妊を求めて来られる方は、圧倒的にコンドームが敗れた、または外れてしまっていたという人たちなのですね。コンドームは、そういうハプニングが起こりうるものだということなのですね。それに、ハプニングが起こらなくって、ちゃんと避妊はしていたのに、それでも妊娠してしまったという人たちにも出会います。この人たちは気の毒ですね。「ちゃんと避妊してたのに」と途方に暮れてしまいます。
なお、コンドームについては、もう、ずっと以前、ここから9回に渡って書いています。2008年のことですから、まだ日本では緊急避妊の認可もされていない時ですので、今とは異なることも書いていますが。
さて、低用量ピルです。一般的には単にピルと言われて入ることが多いようですが、私たちは、今はOC(oral contraception)と呼んでいますので、ここでもそう呼びますね。
OCは 女性がちゃんと飲んでいればほぼ確実に避妊ができるというので、女性にとっては福音でもあります。それに、それだけでなく、月経痛がひどい人、卵巣機能不全で月経が不順な人、また、ダイエットなどで月経が止まった人などの治療の一環としてもつかわれています。
特に、子宮内膜症などで、とっても月経痛がひどい人には、劇的に効果があります。普通の鎮痛剤では、効かないほど強い月経痛の人がいます。ですので、今、OCではあるけれど、月経痛の治療薬として保険適応として認可されているものが2種あります。というか、正式には3種です。一つは「ヤーズ」、もう一つは「ルナベル」ですが、ルナベルは、最近ホルモンの量を変えた「ルナベルULD」が発売され、同じく月経痛の治療薬として認可されています。ですから、正式には3つですね。
ただ、保険適応といっても、薬価がとても高く設定されていますので、健康保険の一部負担が3割の人は、受診料、調剤料なども合わせると、返って他のOCを私費で出してもらうのより高くなることもあります。
この度、ヤーズの副作用が報道され、まるでヤーズだけが悪者のようにとらえられるという現象が起こっています。ヤーズを服用している人が、ほかのOCに変えてほしいという人が続いています。でもOCの副作用については、ヤーズだけでなく、以前から分かっていることであり、いまさらと言うほどのことなのですね。
一番副作用として注意しなければならないのは、血栓症。血管の中で血が固まってしまうというものなのです。私たちがOCを処方する時には、必ず血栓症についての説明をすることになっています。また、薬に添付されている能書、説明書にもこれについては、注意するように必ず書かれています。
その血栓症のことについて明日説明しますね。
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昨日から福屋八丁堀店で開かれている京都展。昨年も買っておいしかったので、今年も。はもチラシ寿司です。二つ買って晩御飯にしました。(これと豆腐とわかめと玉ねぎのお味噌汁です)とてもおいしかったです。1260円でした。3月1.2.3.はひな祭り用に大きいのが出るそうですが・・。職場からは福屋はちょっと遠くてもう行けません。
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