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「貧困・家族」について④養子縁組

 昨日の夜、昨日の私のブログにコメントを戴きました。

『ご沙汰しております。
先生、誰にも話せない気持ちをはきださせてください。
今、話題になっている社会的養護を題材にしたドラマ。私は怖くて見てないのですがネットを開くとその内容とともに様々な賛否両論が出ています。

「ドラマはフィクション嫌なら見るな」「すてる」「かわいそう」「バカ親」「子どもの気持ちを考えろ」「無責任な母親」

嫌でも目にしてしまうコメントに、自分がしたことを突きつけられ辛いです。

「大丈夫。私に育てられるよりあの子は今幸せでいるんだ」
と自分には言い聞かせています。
私が苦しむのは仕方がないですが、当事者である子どもたちに
「母と名乗れなくてもあなたの幸せを願い心から大切に思ってる」と直接言うことができないことが一番辛いです。

女は心身ともに一生の跡がつく、でも男もその当事者であることには思いも及ばないものなんですね。
どの子にも必ず父親がいるのに。
出産は「ちょっと産んでみよう」と軽い気持ちで乗り越えられるようなものではないです。

私と同じ経験のある彼女たちが今同じように辛いのではないかと心配です。

河野先生、信頼できる後継者が見つかるか、辛い妊娠をする女性がいなくなるまで現役でいてください。』

 彼女については、ここから 6回にわたって書いています。14歳で赤ちゃんを産んで、でも育てることができなくって、赤ちゃんは養子縁組で手渡した女性から、時が経って手紙を戴きました。その彼女と私の返事を許可を得て、また身元が分からないように一部カットもして、掲載したものです。

 その彼女が今放送されているテレビドラマの胸を痛めて寄せて下さいました。このドラマについては、私は見ていないのでなんとも言えませんが。でも、日本の社会にはまだまだ育てられない妊娠をした女性や養子縁組に対しての偏見があるのも事実です。

 14才の母さま、つらい気持ちをずっと抱えて生きていること、胸が痛みます。でも、子どもについては、とっても幸せに育ててもらっているので、全然申し訳ないと自分を責めることはありません。私の手紙にも書いているように、貴方はつらい思いをしたけれど、貴方のおかげで、どれだけの人を幸せにしたのだろうかと思います。貴方は、一度大きくなった子どもに会うことが必要かもしれませんね。考えてみます。

 そして、時を同じくして、こんな写真が送られてきました。ご夫妻に、この写真を皆様に見せて上げてもいいかと尋ね、了解を得ました。

Photo Photo_2 半年前、保育器に入っていた子。ママに会えた時の写真です。

 その子がこんなに大きくなって、養子縁組の決定が出ました。写真に添えられた文です。

 『写真の中で座っている男性は、○○の養子縁組のケースを担当した裁判官の方で、立っている白人男性は私たちが手続きをお願いした弁護士さんです。

 実はこの弁護士の方も去年の11月に中国から2歳の女の子を養子に迎えたばかりなんです。彼は現在50歳で、18歳と21歳の息子二人が既にいるのですが、奥さん共々もう一度の子育てやる気満々です。』

 夫妻が養子を迎えることになった時、彼の会社は、そのための経費を申請するようにとの事でした。飛行機代などを会社が負担してくれると。そうなのですね。以前、別の子の養子縁組の時、迎える親に対して、産休が出たこともあります。産休は、子どものためにあるものだからと。

 実子であろうと養子であろうと、全ての子どもを社会の子として育てようとする、ふところが深くて、日本と大きな違いがあります。

 私は、この赤ちゃんの養子縁組が進行中に、厚労省の指示を受けた広島市の方から事情聴取を受け、そして、今、養子縁組のお世話をできない状況にあります。

 また、野田聖子さんなどが、養子縁組についての法律を作ろうとしていると報道されています。もしその法律ができると、まず海外の日系の人との養子縁組は不可能になるでしょう。

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コメント

昨日の先生のブログを拝見したのですが、改めて産婦人科の救急で先生のクリニックから大病院にうつられた女性の母親の冷たさを考えさせられると共に、現代人は携帯電話のコミュニケーションが命綱になりつつも、その大病院にはこばれた女性の前ではわたしは親に中絶費用をだしていただいたことを大きな声ではいえない、お金をだしていただいたことは親にすてられてなかったと確信しましたが、中絶後、一昨年まで母とことあるごとに喧嘩がたえなかったけど家から母親に追い出されなかったのは幸いです。産婦人科の医療をうけるときお母さんに辛いときお金をだしてもらえない、付き添ってもらえないのは女として親にすてられた瞬間だからこそ本当にここまで行きられてきたことを親に感謝します。昨日のニュースでは既婚婦人が子宮外妊娠の発見がおくれて死亡のニュースをきき、河野先生の最初の名著の中でも子宮外妊娠をした女子高生の話がおもいだされました。やっぱりそれと比較したら女子高生の事件のむごさはひどいなとおもいだされました。本当に河野先生のブログを拝読すると自分とは半分違う世界にいるとおもい勉強になります、自分たちは今こうしてるが別の方々の生きざまや考え方がわかり今までの人生を素直に反省してます。本当に人生は一回真剣に生きなきゃだめだ、自分の信念をもちながらも相手の意見にも耳をかたむけたいのですが、本当に今感じるのは母親にあのときの謝罪とお礼を申し上げたいなと感じます。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月23日 (木) 09時51分

こんにちは!

いろいろな見解が あると思います。
私は なかなか子供に恵まれず 先生の所で 不妊治療を していました。年齢の事もあり 暗闇をさ迷うような気分でした。
いつの間にか旦那と 『養子』の事とかも 会話に出てくるようになりました。
ニュースでは 児童虐待、子供を殺す・・・などと 言う 暗い事が。
逆に 私が思った事は 『いいよね!Hしたら子供が 出来て。子供を殺したり、捨てたり、虐待するくらいなら Hせんかったら いいんよーー』って いつも イラ立っていました。
神様って いるのかしら?
子供が 欲しい所には なかなか恵まれない
そうでない所には 子供が 授かる・・・
( ̄▽ ̄;)ハハハ
話が ずれてしまいましたね!
最近は、養子縁組のテレビ番組を よく、目にすることが 多いように感じます。
日本人の子なのに 外国人が 養子縁組をして 引き取って行く。。。
深く 考えさせられました。
今 話題のドラマは 見てないので 何とも言えませんが どちらの気持ちも 大切にしないと いけませんね。

投稿: のり | 2014年1月23日 (木) 17時29分

日テレのドラマですね。私も観てはいませんし、観る気はしなかったです。
養護施設の子供が、「ポスト」というあだなで呼ばれていて、慈恵病院が問題提起してますね。
日テレは、ドラマを最後まで観てもらえてら番組の真意がわかるからと、続けるようです。
日テレは、問題が続くと視聴率が上がるからとかとも言われています。
危惧されているのは、養護施設の子供達が、現実の世界で同じようになってしまうということです。
子供って残酷ですから、大人が考えているように番組の真意より、面白おかしい部分だけで邪揄しますから、慈恵病院が言われていることのほうが現実だろうと思います。
いじめ問題を考えると、番組を制作すときに、深く考えていないように思えます。目立って視聴率があがることばかりでしょう。
視聴率の悪い番組でも、良いドラマは沢山あります。
昔に放送された「おしん」が最近リメークされていましたが、あまり話題にはなりませんでした。
テレビ局が本気で養護施設の問題を提起するつもりがあるのなら、バカバカしい、お笑い番組や、問題を出題する番組を止めて、ゴールデンタイムに、社会問題の番組として制作するのが、マスコミの使命だと思います。
親が育てるのが、子供にとって一番幸せだと考えるのは、今も昔も、もしかしたら特殊なことかもしれませんね。
昔は、小さくして男の子は丁稚奉公に、女の子は下働きに出されていたのですから。
今は、子供の虐待が、毎日のように報道されますからね。
子供の幸せを考えると、何が一番かは、その時の状況しだいかも。
親、家族、周りの大人達が、子供に正しい方向を示すことができないなら、不幸になるかも。
福祉の世界に企業概念を持ち込むと、福祉を受ける人もそれを行う現場の人も、幸せんにはなれないようです。
介護の世界に、ブラック企業と言われて会社が参入して、行政から遠く離れてしまって、大変なことになっているとも聞きます。

現代は、ボランティアは無償でなく、お金を生まないといけないようですね。
無賃労働者を使って、誰かが儲ける社会システムができているようです。

堤未果さんの「(株)貧困大国アメリカ」を今読んでいますが、日本の政府や行政が向かおうとしている姿のように思います。TPPにより、日本の産業は衰え、格差社会になり、低賃金労働が増え、日本の国民の資産や国土が、一部の金持ちのために奪われてしまう。そうなると弱い国民は貧困が増え、益々子供達が正しい方向には進めなくなりそうです。

ここの記事とは違いますが、ちょっとした記事を
http://www.men-joy.jp/archives/25601
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/224842/

投稿: やんじ | 2014年1月23日 (木) 19時44分

> 女は心身ともに一生の跡がつく、でも男もその当事者であることには思いも及ばないものなんですね。

この言葉,ずっとずっと私の心の中でじくじくとただれたような痛みを放ちながら転がり続けている想いそのものです。
どういう想いでいるのか,もう一方の当事者である男性の言葉を聞きたい。
許すことをあきらめてしまったので,
のりこえようとがんばっていますが,
心が弱っているときに,
待っていましたとばかりにこの想いが勢いを吹き返して,
前向きであろうとする私の足を引っ張るのです。

もう一つ・・。
跡がつくのは女性だけでなく,
生まれてきた子どももそうなのかもしれないですね。


すみません。
今日は弱ってるので匿名にさせてください。

投稿: | 2014年1月23日 (木) 19時59分

のりさんは河野先生のところで治療されていたのですね、河野先生のところで治療していない私がノコノコ投稿してすみません、特別養子縁組みを考えていてえらいとおもい関心しますが、わたしは系譜上の曾祖父と実の祖父の関係をみていると戦争の時代、赤線のあった時代の悲劇的な側面がありどうしても足が進まないのです、祖父は熊谷の置き屋をしている家に生まれ父親もわかりませんし、祖父の兄の息子も客の子としてうまれ、父親がわからずあげくのはてにやくざになり、肝炎になり一昨年しにました。祖父の戦争体験は従軍していたときに少しでる給金を曾祖父は自分のすきな博打にあて、祖父が抑留してかえってきても優しい声をかけてもらえず、曾祖母にかくれて愛人をつくりました。祖父は抑留児にシベリア鉄道の保線をしていた関係で戦後夜学の工学院大かよいながら国鉄に就職したのですが、そのお給料のお金が曾祖父がしぬまで曾祖父の愛人をあてがったました。曾祖母はしぬまで苦労していたからこそ養子はあまりに酷だとおもって希望してません、置き屋のことややくざの親戚がいたことは成人後しりましたが絶句しました。本当に子どもがほしいと願うところにはこうのとりがこないとおもい、私もいらいらしてますが、いつも実は今でさえも私の実家は曾祖父のしたことの後始末に終われ苦労しました。曾祖父はしぬまで祖父をいじめ愛人の世話を祖父にさせてました。だからこそやっぱり実子がほしいとおもってます。本当に曾祖父の好き勝手は永山則夫さんのおうちとかわりないとおもってます。本当に祖父や私の父親を含めあの曾祖父の憎しみがわき出てきます。だからこそ戦争や赤線はいらないとかんじます。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月23日 (木) 22時27分

先生のブログを拝見する度に自分は弱いなぁ、信念を貫き通せないなぁと反省します。影ながら先生を応援しています。私は教育職です。毎日、何のために誰の教育をしているのかわからなくなってくたくたになることもありますが、子どもの未来のために微力ながらがんばります。

投稿: らら | 2014年1月23日 (木) 23時11分

河野先生、

河野先生の立場からのこのドラマと報道についての印象を聞きたいです。

私は少年期が辛くて、子供を持っていません。ですが、家族とこのドラマを楽しんで見ています。昔のタイガーマスクのような、アニーのような、現在ではあり得ない設定のコメディタッチのドラマで、子供が大人のようなセリフを喋り、大人が子供じみた行動をします。

それは、現実ではない。と言われるのは当然で、やり過ぎだと思われる方もいるでしょうが、
子供が精神的に大人にならざるを得ない世界を作ったのは
大人になりきれない大人だ。というメッセージが伝わってくるので、

大人が大騒ぎしないで最後まで見せて欲しい。
おとなげない。と思っています。

そんなに今の子供はテレビドラマを鵜呑みにするのでしょうか?

投稿: 一般男性(42) | 2014年1月23日 (木) 23時32分

このドラマ、断片的に見ました。
確かに「現実にはありえない」「こんなことがあるとしたらとんでもない」感じでした。
でも、家庭環境のことで何か特に辛い思いをしたことがない私でも、何だかしんどい気持ちになる場面がたくさんありました。
いじめや暴力のシーンがあったからかもしれません。いじめや暴力では、思い出して辛くなることはいっぱいあるので。
ですから、やっぱり、今、辛い体験をしている子どもたちや過去に辛い体験をしてきた大人にとっては、フラッシュバックなどしんどい思いをする危険があると感じました。
当事者の思いというのは、当事者でなくてはわからない部分があると思います。

社会に問題提起するという趣旨だとしたら、それは理解できる部分もあります。
映画だったらよかったのかなあと思ってみたりもします。映画なら、わざわざ足を運んだ人しか見ませんから。

投稿: 迷い人@広島っ子 | 2014年1月24日 (金) 08時40分

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