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性教育バッシング⑩出会い系・終わりにあたって

 以前はいう必要もなかったことなのですが、今は中学生にどうしても言ってておかなければならないのが、この出会い系の話です。もう、無視できないほど、この被害に遭う少女たちが多くなました。

『会う目的は?これはセックスです。もう、はっきり言いますね。セックスが目的で会おうとなります。若者の中には

「会ってもいいじゃん。会ってみて、感じよかったら、ごはんくらいおごってもらってもいいかね?カラオケくらい行ってもいいか(カラオケも密室です。カラオケでレイプされた人を私は複数診ています)、まあ、一回くらいホテルにいってもいいかね?感じ悪かったら、黙って帰ったらいいんよね」

 なんて言う人がいます。感じよかったら、悪かったらなんて、会っただけで人を判断できるほど、君たちはまだ成熟していません。私くらいになってやっと患者さんを、ああ、この人はいろいろな社会を背負ってきているなあというのが分かるくらいで、でも、まだ時々騙されることもあったりするのだけれど。君たちはまだ未熟なのですよ。

 出会い系で一番多いのは、やはり妊娠です。妊娠が分かって相手に告げた途端、携帯のアドレスを変えられて、連絡もつかなくなって。中絶しようにも、相手の同意書を書いてもらうこともできなくって途方に暮れるという、これは今やどこの産婦人科でもみられることなのですね。

 今、出会い系を舞台にしての殺人事件なんてずいぶん起こっていることだし、いまや男性だって女性に殺される、そんな時代なのだから。

 少なくとも、相手に警戒心を持ちながらのセックスなんて、まったくいいものにはならないということなのですね。すべての警戒心も取り払って、裸の心と心で向き合える性でこそと思います。』

 そんな話をもう少し具体例をあげながら話します。

 広島で起こった少女の殺人、灰が峰の山の中に死体を捨てたあの事件、多くの少女たちが逮捕されました。その事件で注目されたのが、「LINE」でした。私も使っている、これほど便利なものはない、そのLINEがまるで悪者にされて、ちょっと違うんじゃないの?と思ったのですが。やっぱり使い方でしょう。それについては、また、機会を改めてお話ししたいと思います。

 こんなことをなんにも知らないで、社会に放り出されて、そしてアッという間に落とし穴に落ちてしまった少女たちを診ています。

 時々講演に行った時に、言われることがあります。ここは田舎で、とてものんびりしているところですから。子どもたちも純真で、のんびり落ち着いていて、深刻なことはなんにもありませんので、と。

 私は、それだからこそ、危ないと思うのです。なんにも免疫がなく、何にも知らないで過ごして都会に出てからが。故郷の住所が書いてある父親の扶養家族の保険証を持って来る少女。ああ、故郷で親は子どもが何ごともなく勉強していると思っているだろうけれど。実は、彼女はこんなに傷ついているのですよ、と言いたくなります。もちろん、言いませんけれど。

 こんな社会だからこそ、伝えたいと思います。

 先日も、ブログに書きましたが、名古屋のテレビ局のルポで、記者が山谷えり子氏にインタビューしていました。「いつ、避妊の教育をしたらいいのでしょうか?」と。そしてら、彼女は「結婚してからですね」と答えました。「結婚してから」。では、だれに教えてもらうのでしょうか。

 こんな人の力で、広くバッシングが起こり、文科省が動き、政治が動いて来たのです。そして、そのバッシングの影響は今も続いているのです。私なんて、もっとも過激な性教育を行う者と思われているのでしょうが。でも、こんなことこそ、きちんと知って大人になってほしいという私の思いは全くぶれません。

 くどくどと書いて来た性教育バッシング、これで終わります。読んで戴いて、そして数々のコメント、ありがとうございました。これから少しずつお返事も書きますね。

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コメント

田舎だから大丈夫って思っているのは、自分たちの地域を過信しすぎていますね。
田舎から週末だけ都会に出てデリヘルしている女性は少なくないようです。
友達の彼氏の友達だから、安心ってのも、被害のもとでしょうね。

投稿: やんじ | 2014年1月13日 (月) 10時59分

私の友人の女の子は、
アメリカにいったのはいいのですが、妊娠して帰ってきました。
セックスするのが当たり前のアメリカでは、
日本人の女の子はあまりに純真無垢、無防備です。
海外旅行をする女の子に対しての警告も是非してください。

投稿: 元安川 | 2014年1月13日 (月) 11時05分

産婦人科かかってるすべての女性や産婦人科のお医者様への見方の民度があまりにもひくすぎるし、山谷えり子さんの視点では、避妊は結婚してからというこたえは、もう40年前くらいに崩壊してます。あるいは五十年弱前かもしれない。ただ結婚してから避妊というのはよほど賢い旦那を探すことになりかねないから様々な時間的制限を考えると難しい、よほど旦那を教育しなきゃいけないきつさがあるとおもいます。山谷さんはよほど賢い旦那をおもちなようですが世間は違うといってやりたいです。男子の教育がなされてないから民度が低い。またそれ以上に女性は自分はなにをしたいか、いつ結婚して、いつ出産したいか、また妊娠や出産に協力的な企業をさがさないと大変にきつい。またそれにはきちんとした避妊ときちんとした産婦人科受診計画。不景気の中女性は生む性であるからこそ問答無用な男社会と闘わないといけない、本当に自分が今妊活をして産婦人科にたいしての日本の民度の低さに非常にがっかりしてますが、自分なりに男社会とたたかってます。河野先生にはいつも頭がさがるおもいです、頑張ってほしい。日本はどうかしてます。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月13日 (月) 11時08分

出会い系サイトやオンラインゲーム、LINE等で知り合いが作りやすくなって、行動半径も広がります。先生が10代の頃は親から行ってはいけないと言われる場所はどこだったでしょうか?
私の頃はゲームセンター、ディスコでした。その前は喫茶店、映画館かと思います。どれもが今では、中高年の社交場にもなっています。きっと、法の手が届かない所は危険と背中合わせだと、いくら警告しても聞かないでしょう。大人の推奨する事を子供が面白いとは思わないでしょう。伝え方は刺激的でも喧嘩腰でもいいと思います。

必要な情報が隠されず自由に与えられて、自分で選択出来るようになるのには時間が必要だと思います。単語を使えないよう圧力をかけるという事柄が生きているうちは、違う単語に置き換えればいい。

本当に使う言葉がわからないので、公募してもいいか、聞いてみてはどうでしょうか。僕も聞くべき人に聞いてみます。

いきなり性欲を公に肯定的に扱うのって、おかしいし、恥ずかしい。

切り口は沢山あっていいと思う。あえて喧嘩腰でもいいと思う。

投稿: 一般男性(42) | 2014年1月13日 (月) 14時24分

ありがとうございます。

このシリーズの記事を印刷して
息子に送りたいと思います。

投稿: nancy | 2014年1月13日 (月) 19時18分

いつも、関わる子ども達がお世話になっています。
また、灰ヶ峰山事件にも触れて頂きありがとうございました。
灰ヶ峰山事件では直接引き金となった原因がラインでのトラブルであっただけで、確かに使い方の問題と言うより、単文にて言葉を伝えなければならない為、説明不足に依る感情のもつれが原因でした。
それまでに、被害者少女と加害者(主犯各)少女との間に問題があり、再三トラブルを起こしていた末の結果です。
と言うより、この二人に限らず事件に関わった少年少女には、そもそも大きな問題があり、それが障害となり、思うがままの行動をとったと言うのが原因で、いつでも、どこでも、誰にでも起こりうる事件でした。
現在、こうしたラインでのトラブルの多くは、短文による説明不足(言葉足らず)に依るものが多く、教育委員会は各学校にライン使用時のガイドラインを、この冬休みから啓発し始めました。
これは広島市教育委員会生徒指導課、スクールソーシャルワーカーさん方々の相談を受けて『各学校でラインによる児童間のトラブルについてどうしたらいいか』に、灰ヶ峰山事件に関わらず、使い方について‥言葉の使い方について事例を元にお答えさせて頂きました。
また先生の勉強に呼んで下さい。宜しくお願い致します。

投稿: シイバ | 2014年1月16日 (木) 11時53分

世の中には物事を良くわかっておられない方が多数おられるんですね(><)
悲しいことですね。
山谷えり子氏のお話は笑ってしまいました。
何時代の話かと・・・

きちんとした性教育は大変だとは思いますが、大切なことだとわかっている人もいます。
無理なさらず頑張ってください

投稿: 橋本クリニック | 2014年1月17日 (金) 18時26分

やんじさま
ええ、これだけの情報社会ですから、田舎、都会関係なく、すべての若者に伝えたいですね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2014年1月19日 (日) 12時53分

小さい子供を持つ母親です。
私自身の時とは違うこの時代で、息子に、娘に、どうやって性教育をすればいいのか。
とても勉強になりました。
学校には任せられない。厳しい現実も初めて知りました。
小さな子供を持つ母親として、応援しています。

投稿: 30代ママ | 2014年9月30日 (火) 11時55分

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