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性教育バッシング⑥陰茎・膣

 七生養護学校の「ここから裁判」の勝利報告会が以下の如く案内されています。

 この案内にも出ていますように、七生養護学校へのひどい介入は、「見せしめ」とされ、そこから全国に波及していきました。

七生養護学校「ここから裁判」裁判 勝利判決が確定!  
  =七生養護学校「こころとからだの学習」裁判=
 ☆ 2・1勝利確定報告集会 ☆

   2014年2月1日(土)18:15~(18:00開場)
   全国教育文化会館・エデュカス東京7階ホール
     (四谷駅7分、市ヶ谷駅7分、麹町駅2分)


 長きにわたって皆様からご支援をいただいた、七生養護学校「こころとからだの学習」裁判の、高裁での勝利判決が確定いたしました(2013/11/28)。
 10年半にも及ぷ闘いでした。七生養護学校の教育への不当な介入は見せしめとされ、その後の教育現場、教育内容への管理強制強化につながっていきました。
 七生養護事件の真実、この間の経過、判決で勝ち取れたこと、これからの課題などを報告し、考え合い、壊されてきた東京の教育を取り戻すための、新たな第一歩となる集会にできればと願っています。
 お忙しい時期ではありますが、ぜひご参加ください。
「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会

 広島の地でも、保護者とともに作った授業をした学校に、統一協会系のPTA協議会の役員と市会議員が乗り込んで、資料を出せと迫ったこともありました。

 ある中学校に、やはりPTA協議会の役員の女性が乗り込んで、「ここはジェンダーフリー教育をしているから、トイレが男女一緒でしょう。トイレを見せて下さい」と言ったと。「いいえ、そんなことはありませんよ。トイレは男女別々です。見て下さい」と見せると、「アラ、ホント」と帰って行ったと。

 こんなばかばかしいでも深刻なことが、本当にあったのです。でも、何より深刻な介入は、「みんなかがやけ」という、男女共同参画に基づいた副教材を作る委員会に、やはりPTA協議会の役員の人たちが毎回乗り込んで、ひどい妨害をしたことでした。その委員であった大学の先生への数々の嫌がらせ、それは大変気の毒なことで、その先生は、とうとう広島から出て行かれたと。後で聞いて、何の支援もしなかったことが、本当に申し訳ないことだったと胸が痛みました。

生徒たち、子どもたちに「からだ」を教えることは、いやらしいことではありません。体は、生きる基本です。体に命が宿るのです。体を知らないと、防衛もできません。だからこそ、七生の先生たちにとってもどうやって「からだの繋がり」を教えるかが、課題でもありました。その工夫の中で生まれたのが、「からだうた」でもありました。

 わいせつとされたのは、「ペニス、ワギナ」というような性器の名称だったようです。で、文科省の教科書から消えて、変わりに「陰茎・いんけい」と「膣・ちつ」が登場しました。陰茎と膣だったら、わいせつではないというのが、またおかしなことで。

 文科省と交渉した人から聞きました。「医学用語」をつかえと言われたと。いえ、ペニスは医学用語です、というと、「英語を使う必要はない!」と。今の時代、英語を使うな、とはびっくりです。もっとおかしなこともあります。小学校低学年は「幼児語」を使えばいいと。「幼児語ってなんなのですか、おちんちんですか」と言うと、「そうだ」と。では、女のこは何と言えばいいのですかと聞くと、「いちいち私に答えさせるな!」と怒鳴られて、終わりだったと。

 本当にこのようなことがあったのですね。このような意識と知識で、国の教育の基本が作られて行ったのが現実なのです。

 

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コメント

PTAまで統一教会に汚染されてるとはしりませんでした。PTAも宗教の布教の場所とはPTAはPTA活動が すごくすきな方の独占欲だから入りたくないと感じていた私の親はPTA総会委任状のみを小中高ずっと出し続けた結果なんでしょうか?PTAににらまれると生徒に指導ができないと都内のミッションスクール男子校の非常勤講師をしてる私の主人はもうしていました。それくらいPTAは教師や性教育を学校で行う産婦人科医にとっては恐怖をあたえるものだとはしりませんでした。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月 8日 (水) 10時40分

本当に先生は日夜、色々な問題に直面し、誠実に向き合ってらっしゃる。

価値観の多様化を恐る人の気持ちもわかりますが、自分の価値観以外は認めない。という人や団体は怖いです。

革命運動や侵略などの戦争に負けるな。という人達には、

避妊を教える事や、障碍者の教育などという現実は存在を認められない。暴力で解決しよう。という事になるでしょうか。
(ならば墓穴を掘らせてあげましょう)

何らかの単一の価値観だけを持つ人が
多様な価値観を持つ人を危険だ。怖い。と思うのでしょうか。
そういう人には生きにくい世の中ですね。危険がいっぱいだ。


知らない事、初めて聞く事に対しての違和感を解消したり自分の知識の乏しさを補ったり自分が間違う可能性や間違えていた場合の是正を行う場合、
多様な考え方を持たない価値観では破綻してしまいそうです。

私は人を傷付けたくない。
その為には違う考え方や表現を受け入れるじぶんの心を育てたい。

人の意見を聞かない人、力でねじ曲げようとする人、怒鳴り、喚き、話し合いも出来ない野蛮な相手に対しては、
怒りではなく、可哀想だから何とかしてあげよう。
という同情で厳しく接したい。
何度でも何度でも、可笑しいよ。笑われるよ。みっともないよ。と教えてあげよう。

投稿: 一般男性(42) | 2014年1月 8日 (水) 12時45分

英語を使うな,日本語ならよいというのはまったくとんちんかんな話ですね。
ところで,話題がそれて恐縮ですが,広島では女の子もあそこのことを「おちんちん」と呼ぶことがあるのですね。
これは私が今まで勤務したよその土地ではないことでした。
こうした表現にも地方色があるというのは不思議ですね。

投稿: もみじ日記 | 2014年1月 8日 (水) 22時12分

先生の本を読み進めて行くと、自分も含めてジェンダーに関する認識が必ずしも他人と一致していない事に気が付きます。

ジェンダーフリーと聞いて、自由にセックスをする事だ。と間違えて怒る人がいるなんて想像も出来ない事だし、見聞きした事を確認や検証をしないで話す。とか文章にするなんて、そんな恥ずかしい事、現代では出来ないです。30年くらい前の一方的な情報しか得られない時なら騙される人も多かったのでしょう。


きっと先生が話すジェンダーの意味と、批判をする人のジェンダーは、違うジェンダーの話をしているんですよね。迷惑ですよね。


教育による幻想や思い込みで物事を判断したり、批判したりする人は、自分が信じて疑わなかった事を覆されるのが許せないんでしょうか。知らなかった。という事が恥ずかしいのでしょうか。

それとも、自分に都合のいい教育や政治をしているんだから邪魔するな。

という事なのでしょうか。

投稿: 一般男性(42) | 2014年1月 8日 (水) 23時55分

愛ちゃんさま
合同結婚式で結婚した統一協会のカップルには沢山の子どもたちが生まれています。その子たちが行く学校に、PTAの役員として入り込むのは、たやすいことです。全国の学校で、そうして入り込んだ統一協会の保護者からのバッシングは行われています。私の友人たちにも。PTAだけでなく、あらゆる場に入っているのは、これまでもいろいろと警告して来たのですが。今全国の大学の「学生新聞」。あたかも、そこの学生が作っているかのように装って、卒業生たちから年一万円の会費を寄付させる、そうして大金を集めています。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2014年1月 9日 (木) 11時15分

一般男性様
いつも丁寧に読んで下さって、そして感想をお寄せ下さってありがとうございます。私の、若い人の風俗の記事以来なのですね。いろいろありましだか、今、あれを書いてよかったと思っています。ありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2014年1月 9日 (木) 11時20分

もみじ日記さま
そうなのですね。全国では、広島のようなことはないと知ったのが、まず私にとっては驚きだったのです。九州、東北、いろいろと呼び方がちがいますが、でも、それらには、とても淫靡な雰囲気が漂います。おそらく、そのようなものとして女性の性器は見られて来たと言うことなのだと思います。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2014年1月 9日 (木) 11時22分

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