« 「貧困・家族」について⑤一人で産み育てること | トップページ | 「貧困・家族」について⑦誰か向き合ってくれる人。 »

「貧困・家族」について⑥入学金が払えない。

 このブログを読んで下さっている方にはお分かりかもしれませんが。ある少女がいます。彼女は、事件の被害者です。そして、その被害の事情聴取の時、検事からひどいことを言われました。そして、その加害者は不起訴となりました。

 あまりの理不尽に彼女は「検事になってやる」と決意しました。彼女は高校三年生。でも、家は母子家庭で貧しくて、彼女もアルバイトをしながら通学しました。成績は優秀です。ずっと一番だったのに、医者の息子に負けて二番になったと、悔しくて必死で勉強したそうです。

 そして、彼女はある大学の法学部の試験に受かりました。とても偏差値の高い、何人も弁護士が出ている大学です。

 ところが、彼女は入学できませんでした。入学金が払えなかったからです。

 彼女の父親、母親と離婚した相手ですが、彼女が大学に入る時には入学金を払ってやるという約束だったと。それなのに、いざ彼女が入学試験に受かると、払わないと。車を買うことにしたから、お金はないと拒否されたのだそうです。

 なんと、「車を買うから」ですよ。車はしばらく我慢をしてでも娘の入学を喜んで支えようという気にならなかったということでしょう。結局、父親は彼女を愛していないのでしょう。

 母親は、借り入れの手続きをしようとしました。が、入学金の支払いのための期限に間に合わないと。大学に何とか待って戴きたいと申し出たのだけれど、それはできないと断られました。

 結局、せっかく受かった大学に入学できませんでした。「この時ばかりは親をうらみましたよ」と彼女は言いました。

 で、どうするの?と尋ねると、どこか、就職を探します、と言いました。淡々と語る彼女のそばで、母親は涙しました。ああ、それを知っていたら、一時お金を立て替えることくらいはしましたのに。でも、私が知ったのは、後のことでした。

 その彼女の主治医と話しました。彼女は強い子だから。きっとまた這い上がって来る、それだけの力がある子だから、と。

 でも、せっかくの機会を! 働きながら、さらに学力をつけ、かつ入学金をためると言うのは、並大抵ではありません。

 大人の事情で自分の希望する道が閉ざされる、そんな思いをかみしめている青少年がこの日本にもいるということです。 こうして、貧しい人たちは排除されていきます。貧しい人や弱い人たちを置いてきぼりにして、この日本の社会は「繁栄」していきます。

 (なお、これを書くことについては、彼女の了解を得ました。加害者が不起訴になった事件については、弁護士さんが動いて下さっています。)

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。
広島ブログ

|

« 「貧困・家族」について⑤一人で産み育てること | トップページ | 「貧困・家族」について⑦誰か向き合ってくれる人。 »

コメント

父親が自分の娘の大学進学のためのお金が出せない。なんてずるい男です、娘の進学よりも自分の車が大事だからというのは本当に愛情がないなとおもいます。大学に行くいかないで実は女性はその後の一生決まってしまうのに。昔より大学にいく女性はかなりふえましたが、まだまだ女性の大学へ進学を支える体制がないとかんじます。大学にいくことで職業の選択や大学名で就職が決まってしまう世の中だから、悔しかったとおもいます。それにしてもとんでもない養育放棄だと察します。父親がつかう車より日本のためには、娘の大学進学の方が未来投資なのにとおもいます。すごい女性差別的な養育拒否だなぁとおもいます。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月25日 (土) 12時10分

父親の好き勝手で、18で夢を潰されるのは寂しくおもうのと、そんな父親だからお母様が離婚したんだろうなとおもいます。先生のぶろぐをみて友達の実例を踏まえて伝えたいのですが、これはあくまでもキャリアプランの提案があります。法律事務所の事務員をやりながら二部の法学部がある大学をめざし、大学在学中はその事務員をやめずにキャリアのアップにつなげたらいかがですか?介護福祉士をとるまで十年近くかかっていたのですが、ある事業所で国家試験を早くパスする方としては事務方をやりながら勉強をしていたじきもあるので、なるべく検事になりたいのであれば実務や弱者配慮の視点も必要だから法律事務所の事務員のパートをやりながら二部の法学部にかよい国家試験に受かったかた知ってます。とにかくまわりくどい生き方ですが、なるべく夢や希望を忘れないうちに探したほうがよいとおもいます。難しいかもしれませんがどうでしょうか?また最近では短大でも法律系の一般教養があり、国家試験の筆記試験が免除が適用されるのでいかがですか?放送大学も法学はあるとおもいます。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月25日 (土) 23時32分

考えさせられる話ですね。
そういう熱意ある人にぜひ検事になってもらいたいです。
大学に行かなくとも道はあるはず。
頑張ってもらいたいと思います。

投稿: もみじ日記 | 2014年1月26日 (日) 00時55分

奨学金の検討はされなかったということでしょうか?
入学一時金の制度がありはずですし、
母子家庭なら金利など優遇されるでしょうし、
成績優秀ならなおさらです。

投稿: 経験者 | 2014年1月30日 (木) 22時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/205567/59005070

この記事へのトラックバック一覧です: 「貧困・家族」について⑥入学金が払えない。:

« 「貧困・家族」について⑤一人で産み育てること | トップページ | 「貧困・家族」について⑦誰か向き合ってくれる人。 »