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「貧困・家族」について⑤一人で産み育てること

 私のクリニックにかかっていて、一人で子どもを産む人は沢山います。相手の男性が育てることを拒否した場合。または、相手には妊娠や出産を告げていない人もいます。今もいます。

 一人で生んで一人で育てる人は、それなりにノウハウを伝えながら、支援したいと思います。例えば、職場にいつ産むことを伝え、産休の扱いをどうするか(堂々と産休を取っていいのです。遠慮もいらないし、人からいらない詮索をされそうでも、いっさい関わらないこと。知らんぷりをしたらいいのです)、母子医療の申請をすることなどなど沢山伝えることはあります。

 それから、出来れば相手には産むことを伝えた方がいい。それは、認知が必要になるかもしれないし、男性には養育費の支払いが義務となります。それを告げておきたいと思います。ただ、DVが絡んで、危険な場合、これは伝えられません。黙っておくのも、身を守る手段の一つになります。

 でも、一人で産み一人で育てるのは、大変なことです。生活のためには仕事もしなければなりません。保育園に子どもを預け、働くことは、やわな事ではありません。まして、独りだったら。

 私は、自分で子育てをする気がないなら、相手の女性を妊娠させてはいけないと思います。ちゃんと避妊をすべきなのですが。それができないで妊娠させて、そして妊娠したらどうするか本気で考えていなかった、中絶してくれという男性が多すぎる!!のです。男性にそう言われたけれど、一人で産もうかと考えていて・・・。という女性も沢山います。

 それが、若い女性の場合、どうしても、子育てを支えてくれる人がいるかどうかが問われます。家族、親が一緒に子育てをしてくれるならまだ安心なのです。家族にもいえず、一人で産もうとすると、本当にこれは大変なことなのです。

 都知事候補の一人を「精力絶倫」と書いてあるメディアがあります。この人は、結婚している人との間に二人の子がいて、別に愛人たちに三人の子、計五人の子がいます。それぞれ、時が経って認知をしています。さらに、内一人が障がい者なのですが、その子の養育費を減額するように、裁判所に調停の申し立てをしました。自分は、大変な財産もちなのに。

 私は、なにが精力絶倫なのかと思います。ただ、避妊を怠っていただけではないかと。妊娠させるだけなら、中学生でもできます。その人と共に子育てをする気がないなら、せめて避妊すべきではないかと思います。

 私は、一人で障がい児の子育てをしなければならなかった女性を、さぞ大変だったことと思います。

 こんな男が都知事候補、それも応援演説する人が言っていました。「福祉のスペシャリスト」と。しかも、その方が妊娠中は、ほかの人と結婚していました。その後離婚したのですが、その離婚した相手にその候補を応援するように安倍首相が言ったと。そして、彼女はきっぱり断ったと、それをメディアに明らかにしたものだから、大手の新聞にまでそのことが出ることになってしまいました。これには吹き出しました。

『 自民党の片山さつき環境部会長は19日、東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)に立候補を表明した舛添要一元厚生労働相に対する支援を安倍晋三首相から求められ、難色を示したことを明らかにした。党大会が開かれた都内ホテルで記者団に語った。

 同党都連に所属する片山氏は過去に舛添氏と婚姻関係にあったこともあり、首相が党大会の会場で「誰よりも片山さんに(舛添氏の)応援に立ってほしい」と要請。これに対し、片山氏は「舛添氏は障害を持つ婚外子に対する慰謝料や扶養が不十分だ。解決されていない」と述べ、現状では難しいとの認識を示した。』      

 この候補の姉が生活保護を受けていて、北九州の担当の人が彼に少しでも生活の援助ができないかと頼みに行っても、まったく聞いてもらえなかったと、これはもう5年以上前にメディアで読んだのですが。

 彼の離婚した相手の女性は、芸能人の母が生活保護を受けていると国会で明らかにし、その芸能人叩きがありました。なぜ彼女は、いま都知事候補になっている元夫を「姉に生活保護を受けさせている」と一緒に追及しないのかと思いました。

 「愛人がいて、愛人に子どもを産ませて、その女性にも子どもにも責任を持っている」という政治家はこれまでにも沢山いるよ、と言われそうです。責任を持つというのは、ただお金を出すということではないと私は思います。一緒に子育てができるのかどうかだと思うのです。そう、女性と子どもと一緒に生きるのかどうかということですね。それができない人は、女性を妊娠させてはいけない、こんなの当たり前。「性教育の基本」なのです。

 立場を変えて、「相手の男性が一緒に子育てをできないのだったら、女性は産んではいけない」ということでは決してないということも念をおしておきますね。

 

 

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コメント

河野先生のところは、一人で産む場合の様々な支援を色んな形でしていただきある意味幸せだなとおもいます、他の病院だと特に大病院だと一人で産む場合は中絶ありきを言われるからこそ問題だとおもいます、私もそんな感じでした。自分の今の立場からいえば中絶したことは納得をしてますが、当時は生みたいといっていたことをおもいだされます、しぶしぶその時は先生や親に説得されて中絶しました。他の病院だと一人で産む場合の支援はしないかわりに中絶をすすめ、後は避妊指導だけだとおもい、冷たいとかんじます。先生は患者さんに暖かい支援しているのだとおもいます。本当に片山さつきさんの芸能人の家族の生活保護追及は矛盾し、生活保護への誤解をうんでるとおもいながらも、片山さつきさんの境遇はかわいそうなんですが、やっぱり国会内で元夫の姉の生活保護追及はなんでしないのかとおもいます。片山さつきさんの元夫の行状はひどいし、なんであんなやつが都知事候補なのかとおもいます。私は都民なので女性に優しくない候補はいれません、宇都宮さんにいれようかとおもいます。ましてやM候補は、愛人との子どもがたくさんいてその中の子どもの一人が障害児ときいたら涙がでてきます。本当に片山さつきさんは別れて正解だと思う。

投稿: 愛ちゃん | 2014年1月24日 (金) 09時37分

共に子育てをする意思なきものに女性を妊娠させる資格なし。
おっしゃるとおりだと思います。
お金で済む問題ではありません。

投稿: もみじ日記 | 2014年1月24日 (金) 16時02分

M候補は片山さつきさんと結婚するよりも、妊娠させて、生ませた女性と本来は結婚すべきでしょうとかんじます。また片山 さつきさんがM候補の姉の生活保護をきちんと追及できないのはかなりの事実であるDV疑惑の報道もあり、最近は離婚したあともDVその他嫌がらせがある事例や事件もあるのでしかたないのかもしれないが、本当にM候補は女性をなんだと思ってるのかを問い詰めたいです。安倍総理も、そんなに女性に冷たい候補を立候補させる必要ないのにと考えてしまいます。安倍さんも仕事だから割りきって支援しろっていう他人行儀はないだろうとおもいます。安倍さんは離婚したことはないから離婚の痛みがわからない人かも知れない。とにかくM候補よりも知事になれるくらい優秀なかたいるはず。実際に自分が投票する方よりもワイドショーうけしてしまい、どうしてもM候補を追ってしまい、一番の被害者は、子ども三人を育ててる方だと思う。本当に人間として失格。

投稿: | 2014年1月24日 (金) 19時35分

ず~っと読ませていただいてます。

考えることが多くてなかなかまとめることができなくてコメントもできていないのですが、日本の歴史を見るとやはり男尊女卑というのが現代もその影を引きずっているのでしょうね。

TVで「大奥」の再放送を見ましたが、どれだけ女は男の奴隷として扱われていたか。まさに道具でしかなかったのだと思いました。

最近になってよく歴史映画を観ますが、日本の女は上級か下級の違いはあっても、男にとっては人間性を認められない不幸な時代が続いていたのだと思います。

女の位置が同じ並びの人間になったとたんに、強いはずの男が家族を守ることを忘れてしまった。。悲しいことに自分の子供も守れない男が増えたことは、この国の将来も憂いうる事態ですね。

どうにか強い男と強い女の力で、この世を存続させていただきたいものです。

投稿: ふぁん | 2014年1月24日 (金) 19時40分

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