セックスワーカーをどう考えるか。
セックスワーカーをどう考えるのか、これはもう20年前、私たちが広島エイズダイアルを作った頃、社会全体がHIVの感染をどうするのか、喧々諤々していた頃から、私の中では続いている課題です。
当時、HIVの感染はセックスワーカーを媒介とするのではないかという偏見があり、また、セックスワーカー自身を感染から守るためにもどうすればいいのかずいぶん論議されていました。彼女たち自身が発言をし、セーファーセックスを仲間に呼びかける、そんな方たちも出てきました。それはそれは、自分の仕事にしっかりほこりを持っている人たちでした。それは感動的でもありました。
私は、今、自分自身をしっかり持って、自分の防衛もちゃんと心がけるということ、風俗で働いている若い女性たちにはそれができていなくて危なっかしいと、そんなことを言っているつもりです。彼女たちを責める気は毛頭ありません。診察室では、自身を防衛しようよ、と言い続けています。だから、私にあれこれ言われても、次々と継続してやって来るのだと思います。
少なくとも、妊娠や性感染症の予防や、命を守ることをしっかり心がけること。それは、風俗に従事している人たちだけに関わることではないのです。どんな人でも、性にはそのようなリスクが伴うということ、そんな基本を教えない今の教育にいらだちを覚えています。
だって、今のカリキュラムで、中学では「性感染症とその予防」を高校で「避妊」を教えるとなっています。でも、「セックス」も「性交」も言葉を使ってはならないという教育現場でどうやって教えよというでしょう。それに、性感染症の予防と言っても、コンドームを具体的に教えてはいけないと。
それはすべて、「かれらの興味をあおることになるから」と言う一点で禁じられています。それで、何が教えられるというのでしょう。
その結果が、今のように無防備に風俗にまで一気に行ってしまうような若い人たちを作り出していると、そう思っています。
子どもたちを巡る「貧困」の問題も。「お金」の貧困と「人間関係」の貧困と。その両方でもあります。今、子どもを巡る状況は深刻であることを大人たちは自覚しなければと思うのです。それは、すべて政治と結びついていると思うのですが・・・。
まだ、性犯罪やDVの被害についても、書きたいと思います。
そんなこととむりやり結びつけるのではありませんが、広島で、久々に大人、保護者、教育関係の方への講演の場を与えられましたので、お知らせしますね。どなたでも参加できますので、どうぞいらっして下さいませ。
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コメント
わたしは昨日の人工中絶後の直の勤務について考えさせられるのは、一般社会に戻っても、子宮内膜症がひどくても生理休暇をとれない、採卵日もしくは、胚移植日の勤務があったりするのですから子宮になにかしらトラブルやがあるからこそ生理休暇の取得義務も事業者側、医療者側にもあるのではと思ってます。風俗業界にいた頃は幸いにも生理休暇があったり、生理日はなるべくサービスをどちらも控えて保証金のみ発生するシステムがあり大変たすかりましたが、やっぱり一般社会でも生理がひどい場合、なにかしら子宮にトラブルをかかえたり、採卵や胚移植日の勤務を控えていこうと女性どうし声かけあってほしいと今は思ってます。生理休暇の意味合いすら教えない、避妊の仕方などいい加減にプリントされた資料や教科書を音読してあとは定期テストの点数かせぎの教育ではやっぱりいけない。中身もかなり制限されてるなか肝心なことは教えてもらってないと感じます、また同時に産婦人科の診察室でいろんなことが問題視されてるのに議論を潰していくのはやっぱり、産婦人科にかなりお世話になってるものとして産婦人科にかかってない女性も知ってほしい、人生の岐路にたち今は見つめなおしてますが、若さは無知だと正直思ってます。もう少し自分を大切にしてればこんな悔しくて苦しいおもいもしなかったと感じます。性教育の中身を全体的にかえることからやっぱり女性の様々な問題が解決されていくのではと思ってます。今最前線の産婦人科医療をうけていて感じるのはやっぱり性教育をきちんとしてほしいこと、あらゆる無関心をなくして女性が自分たち身をまもり成長させ人生を切り開く性教育にしないと産婦人科の先生方がかわいそうてす。
投稿: 愛ちゃん | 2013年12月13日 (金) 16時27分
性犯罪,DV被害の「事件記録」に現れない実態。
ぜひ教えて下さい。
投稿: もみじ日記 | 2013年12月13日 (金) 16時32分