ヘイトスピーチ・京都地裁の判決に思う。
10月7日の京都地裁の、在日コリアンら特定の人種や民族を差別的な言葉でののしるヘイトスピーチの判決には、拍手をしました。ヘイトスピーチは、人種差別撤廃条約が禁止する「人種差別」であるとし、実質的に違法であるとしたものです。
「朝鮮人をぶっ殺せ!!」などと言ってまわるデモ行進を、人種差別であると、当然と言えば、当然なこの判決。
でも、人種差別撤廃条約を日本は批准していますが、それでも、「国にヘイトスピーチの法規制を求める」第4条については表現の自由を優先させていることから、批准を留保しています。条約加入の176カ国のうちで留保しているのは日米など5カ国だけです。
政府は、今年1月に国連に「処罰立法措置を検討しなければならないほどの差別的煽動は現在ない」と回答しました。
でも、今回の判決では、「著しく侮蔑的、差別的な多数の発言を伴う」として条約が禁止する人種差別に当たると認定しました。
特に、今回のヘイトスピーチは、朝鮮学校に通う子どもたちに向けた、心無い悪質なデモ行進です。
すでに私はこのブログでも言いましたが、オリンピックの招致のためのスピーチで日本は「おもてなし」の国だといい、この言葉が大きな反響を呼びました。でも、その一方で、こんなヘイトスピーチを放置している国なのですね。
先日の姜尚中さんの講演の一部を紹介します。私がメモを取ったものなので、間違いがあるかもしれません。もしまちがえていたら、その責任はすべて私にあります。
「今、私たちを取り巻く時代は、非常に光のある部分と闇の部分がかなり色濃く、明確に鮮明に我々の前にあります。
いつの時代も積極的な部分と否定的な部分が常にこもごも入り混じって、両方あるものですが。
今の時代ほど、韓国が植民地支配から解放され、日本の事実上の敗戦を通じて、困難から再生しようとしている時はありません。一人ひとりが地域の中で異質な人々と出会い、異質な人たちと、お互いの顔を見ながら、それぞれが自分の固有名詞をしっかりと自覚しつつ、一人の生活者として、地域社会の中で暮らしていけるという時代が来ました。
一方、心もとない人々のヘイトスピーチを初めとして、さまざまな流言飛語、誹謗中傷がネット社会に溢れています。
「今、私たちを取り巻く時代は、非常に光のある部分と闇の部分がかなり色濃く、明確に鮮明に我々の前にあります。
いつの時代も積極的な部分と否定的な部分が常にこもごも入り混じって、両方あるものですが。
今の時代ほど、韓国が植民地支配から解放され、日本の事実上の敗戦を通じて、困難から再生しようとしている時はありません。一人ひとりが地域の中で異質な人々と出会い、異質な人たちと、お互いの顔を見ながら、それぞれが自分の固有名詞をしっかりと自覚しつつ、一人の生活者として、地域社会の中で暮らしていけるという時代が来ました。
一方、心もとない人々のヘイトスピーチを初めとして、さまざまな流言飛語、誹謗中傷がネット社会に溢れています。
その今の時代ほど、その光の部分と闇の部分がはっきりと浮かんで来る時はありませんでした。
今年は関東大震災から、90周年です。」
明日に続きますね。
先日、松江・出雲に行ったときに見たポスターです。うなりました。こんな漢字、知ってました?
今年は関東大震災から、90周年です。」
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コメント
新幹線内でまで「医療業務」、超人的な日程に驚くばかり。さて、識者によれば、松江でご覧になった「鼕」というのは、大太鼓のことで、原爆資料館に展示されている「大邱の太鼓」に近い大きなものだそうです。
さすが、城下町ですね。
投稿: 無冠の諦王 | 2013年10月 9日 (水) 10時13分
ヘイトスピーチに関しては全く同感です。
何の罪もない人に対する誹謗中傷をなぜ日本政府は積極的に排除しようとしないのか疑問に感じます。
差し止めまで認めたのは画期的な判決ですが,さて,高裁,最高裁と段々権力に近い裁判所になると判断が変わらないか心配です。
投稿: もみじ日記 | 2013年10月 9日 (水) 17時54分
私もヘイトスピーチについては同感
だって 自分がされたら嫌なことするって
悪口言われて うれしい人って いません
ニュースで韓国や中国での 日本へのデモをみて
嫌な気分になります。
されたら嫌なことは 他人にしてはいけません
・・・と 子どもたちに教えるのが大人の姿ですもの
真実って 自分がこの目で見たり 体験したことだと思うのです。それでも間違ったとらえ方をするのだから
意図的に他者を傷つける行為は 自分自身をも傷つけているのではないでしょうか?
投稿: はるめ | 2013年10月 9日 (水) 23時03分
ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク「のりこえねっと」に加入した矢先に、この判決がありました。差別禁止法の立法につながればと思います。
「のりこえねっと」のHP
http://www.norikoenet.org/index.html
投稿: ちえ | 2013年10月10日 (木) 21時48分