尼崎にて。
尼崎に来ています。昨日は午前中の診療を済ませて、こちらに来ました。診療は、四方先生にバトンタッチです。
夕方、尼崎市性教育講演会で講演をしました。一時間の持ち時間でしたので、いつもの話をはしょりながらで、不十分な話だったことと思います。いつもは私は二時間のバージョンで゜組んでいるものですから。でも、限られた時間、精一杯お話ししました。
書籍を送っていたのですが、売る人がいないので、近畿在住の友人に頼みました。二人の男性が駆けつけてくれました。持つべき者は友人です。ありがたいことでした。
ところで、講演が終わって、一人の女医さんが話しに来られました。「これまで、望まない妊娠について、中絶か産むかしか選択肢がないと思って来てたけれど、今日の私の話を聴いて、中絶しないで、産んで養子縁組に」という説得はできないものだろうか」と。
私はただ、中絶が間に合わなくって、産むしかない、でも育てられないという時、やむを得ずのこととして、養子縁組のお世話をしているだけのことです。もし、中絶しないで生んで養子縁組にという説得をするのであれば、それから長い間の妊娠生活、学校やお仕事などいろいろな生活を誰がどうやって支えるのか、出産に伴う様々な経済的なこと、手続きのことなどを誰が担うのか、いろいろな大変なことがあります。そこまで、責任を持って説得するのかどうかということだと思います。
今回のことでも、私は毎日お昼休みには病院や役場の手続きに通っています。これは、単なる私のボランティアです。あくまでもやむを得ずなのです。これだけの労力を誰がするのかということなのですね。ただ、中絶される赤ちゃんが可哀そうというきれいごとだけではないのですね。こんなことを言うと、また非難されるのでしょうが・・・。
全て終ってホテルの窓から外を見ると、雲に見え隠れしながら、まんまるのお月様が。向こうは大阪の夜景です。
静かなホテルで、次の講演と次の次の講演のスライドの準備をしています。
いつもあわただしく行って帰るだけなのですが、今回はこんな時間をもらってなんだか申し訳ないことです。そう思いながら、大切に過ごしました。
結局は、ホテル以外どこにも行かず、誰にも会わず、これから広島に帰ります。
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