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橋下大阪市長への反論③

 今朝のみのもんたの番組に橋下氏が生出演するというので、見ました。彼は、昨日の時点で、メディアの責任を盛んに言っています。言葉の一部を切り取って批判するのでなく、文脈をみるべきだと。

 だから、私は、記者会見の全文を起こしたものを読み、動画も見、ツイッターもすべて読んで、その上で批判をしているのですが、彼は今言っていることと、かつて言っていたことが明らかに異なります。

 今、必死で自らの正当性を訴えています。それも、アメリカ人に対して「風俗」という言葉を使ったのはまずかった。それは売買春と捉えられる、自分の英語力のなさなのだと。そこだけ反省しているようですが。自分が言ったのは、売買春のことではないと。

 今朝の番組でも、「ではどうしろといっているのですか」という吉永みち子さんの問いには、直接答えていません。「バーベキューなど様々な娯楽をしているというけれど、それで兵士のエネルギーが解消されるわけがない」と、そればかりを繰り返して、逃げています。彼は、ツイッター、で風俗を「法律で認められている、売春の一歩手前」と言っているのです。そんなこと、米軍の司令官にそう詳しく説明した所で、おんなじですよ。

 ここが彼の品性や性意識を疑う所なのですが、売春は「膣」を使うもの。その一歩手前とは、「手と口を使って」射精まで至らしめるもの。そんな違いを説明すると、司令官はもっと眼を白黒させて不愉快になるでしょうよ。日本では膣を使うのではないということで、法律をかいくぐっているだけのこと。それも、世界から見ると、売買春の一種ですよ。

 昨日紹介した、林博史先生の論文「アメリカ軍の性対策の歴史」から。

 アメリカ軍にとって、性対策はなにより「性病対策」でした。そのために大変な苦労と試行錯誤をしています。一部、コピーさせていただきます。

米陸軍の将兵の性病罹患率のデータは一八一九年から残っているが、年間千人あたりの罹患率が一九世紀末は七〇台で推移していたのが一八九九年以降二倍に急増した[5]。特に海外駐留部隊の罹患率は二〇〇から四〇〇台ときわめて深刻な状態になった。性病にかかると将兵は治療のため勤務から外される。つまり兵力の損失になるわけで軍にとっては大問題であった。ようやく軍中央でも性病問題の重要性が認識されるようになり、各駐留軍の経験を集約したうえで陸軍省の軍医総監部では一九一〇年末までに結論がまとまった。娼婦をいわゆる赤線地区に隔離し、登録、性病検査、治療させる方式(いわゆる公娼制ないし集娼制)は「将兵の性病管理において効果的ではない」という結論だった[6]。この結果は一二年五月に陸軍省一般命令第一七号として全軍に通達された。そこで示された対策は、第一に買春は不道徳な行為であり、しかもその結果ほぼ確実に性病に感染してしまうこと、性病は恐ろしい病気であることなど、兵士への教育である。第二に性病感染の危険に身をさらした兵士が部隊にもどってきた場合(つまり買春からもどってきた場合)、ただちに消毒予防策をとらせることである。もし兵士がこの消毒予防策をとらずに性病に罹った場合は任務を怠ったという理由で軍法会議にかけることも定めた。第三に抜き打ちで月二回の徹底した身体検査(性病検査を含む)をおこなうことも規定された[7]


 娼婦を隔離登録し性病検査をおこなう赤線地区方式はかえって売春を拡大すること、医学検査をおこなっているから性病にかかっていないという偽りの安心感をあたえて予防策をとらなくなりかえって性病が拡大すること、定期的な性病検査では性病を見つけることは不十分であり、かりにそこでチェックできてもその後すぐに感染すれば次回の検診まで感染させることを阻めないこと、見境のない性交渉を刺激することにより女性への犯罪を増加させること、地域社会のモラルを悪化させ青少年を誘惑すること、警察の収賄を増加させることなど、問題点を列挙している。

 さて四五年四月の売春禁圧の通達の効果はどうだったのかと言えば、性病罹患率から見る限りまったく効果はなかったと言えるだろう。その直接の理由はヨーロッパついでアジアでの戦争の終結であろう。ヨーロッパ方面軍では四二年から四四年まで罹患率が四〇前後で安定していたが五月の戦争終結とともに急上昇し、八月には一五〇を越え、一二月には二二三まで上がった[49]。南西太平洋方面軍(マッカーサー司令官)ではフィリピンに進出した部隊の罹患率が上昇し、特に日本に上陸してからは急上昇する。

 これらは、あくまでも長い論文の一部でしかありません。興味のある方は是非全文を読んで見て下さい。

 橋下氏が言っているように、命をかけて戦っている人に性的欲求を発散させること、その必要性は、全世界の人がそう思っていたようにいっていますが。そうではなく、闘いが終わって、ホッとした時こそ、そのような行動が起こるのだということ。この辺りも認識が異なりますね。

 それから、風俗などで性欲を発散させると、性犯罪が減るというデータは、どこにもありません。むしろ、逆の面もあります。近畿で、幼い少女が性的な暴行を受け、殺された事件では、犯人は、自宅に度々風俗の女性を呼び、性的サービスを受けていました。本番はダメと言われて、あくまでも橋下氏が言っているような売春の一歩手前のサービスですね。

 私は、プロとしてのセックスワーカーというのは認めているのですね。でも、密室で、二人っきりになることの危険性や、本番がないと言われている行為だけど、実はだ度々本番が行われ、しかもコンドームもないままで、極めて病気に対して無防備であること、そのようなことに対しての教育も行われないままに、若い女性たちがその世界に入って行く姿を見ています。次回はそのあたりを述べます。



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