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橋下大阪市長への反論④

 橋下氏のツイッターを読むと、これはもう政治家の様相を呈していません。個人攻撃、それも口汚く、罵詈雑言。自分を攻撃して来るものに対しては、このように、なりふり構わず。同じことの繰り返し。それも彼は、自分が言って来たことの変遷を自覚していないようです。明らかに彼が言ったことは変遷しています。今や、彼の口から「女性の人権を守るために」などと言われると、???となってしまいます。いまだに彼自身は「風俗を使え」といったこと、それを具体的に説明しきっていません。これは本当に言っています。ツイッターでも述べています。売春の一歩手前と。私は、このような発言を読むと、彼自身がまともに性教育を受けていないのだろうなあと思います。性を人間関係としてでなく、性欲のはけ口ととらえる、とても貧しい性意識の持ち主だと。

 さて、昨日の「アメリカ軍の性対策」の続きなのですが、性病対策に苦労していた軍にとって、性病予防のためのコンドームと、治療のための「ペニシリン」は大きな福音でもありました。それでも、これがまたすぐに挫折します。いくらコンドームを用意しても、具体的に「その場」で使わなければ意味がありません。また、ペニシリンが効かない性病も出現します。その最高峰に、いまや「HIV」が現れたわけですが。やはり「教育」なのですね。性感染症とその予防について、しっかり伝えないと。

 私のクリニックでは様々な性風俗で働く女性たちが来ます。今の時代、いくら女性の自由意思だと言っても、その「経営者」が暴力団と無縁であるわけがない、それが現実です。女性を巡っては、何回も怖い思いもしました。丁々発止、それが電話でであればまだいいのですが。現実に姿を現すと・・・。震える思いで警察を呼んだこともあります。

 ソープで働く女性は、まだ「本番」があることが前提ですので、妊娠に対してはピルで、病気はコンドームで防衛することができます。

 もっとも、初めっからそうではなく、HIVが、世界的に、また日本でも問題になりはじめた時には、ソープ業界と行政とが一緒になって、ソープ経営者や働く人に、私が講師になってHIVなどの性感染症と、その予防のためにコンドームを使うことの必要性の講座を持ったことがあります。そして、業界が一斉にせーの!でコンドームを使うようになりました。そしたら、それでソープ嬢から性感染症が消えたと、そういういきさつもあります。

 でも今、風俗の主流となっているヘルスでは、建前が「本番がないこと」になっていますので、堂々とコンドームを使うことができません。そして、実際に本番はあるわけだし、たとえ本番がなくっても、喉に感染を起こしてしまいます。淋病やクラミジアが女性の喉を媒介として、客から客にうつることがあります。

Photo これは、私のクリニックでの一人の患者さんの変遷です。来る度に「コンドームを使うように」とうるさく言う私がいやになったのか、ぱったりと来なくなりました。

 このような感染症にかかる危険があるということを経営者は十分に知っていても、その予防策を取ろうとしません。

 そして、「本番はない」ことで、多くの若い女性たちが参入していることも間違いありません。今や、私のクリニックでは、未成年どころか、15才という少女も。また、アルバイトとしてキャバクラから風俗嬢へと移っていく学生も少なくなく、そのうち授業に出て来なくなって、退学していくことを嘆く大学の先生にもお会いしています。

 今や、素人集団ですね。そして、あたかも自由に出来て、いつでも辞めることができると、初めはそう思わされていても、いざその世界から抜け出そうとすると、大変なのだということも知らされていません。

 それから、多くのヘルスは店舗を持たず、電話で「派遣」されます。これがとても危なくて。密室に二人っきりになるということは、命を危機に晒すということ。全く無防備なのです。

 私は、殺されてしまったデリヘル(デリバリーヘルス)の女性の写真をみて、警察へのアドバイスをしたことがあります。死体はゴキブリに食べられていました。その少女の顔を見て、彼女はこんな危険もあるということを承知の上だったのだろうかと、痛々しく思いました。

 そして、「お金」を媒介とする性は、あたりまえなのですが、たとえその人が好みでなくとも、どんな体型であっても、たとえ体や口が臭くても、心を抑えつけてでも、「お金」だけがつながりでサービスをしなければならない、そんな過酷な「仕事」であるということ。風俗で働くということは、そういうことなのだということを、分かって入って行くのか、それを疑います。

 さまざまな問題を抱える「風俗」なのですが、「それを活用して下さい」とアメリカ軍の司令官に言ったという、橋下氏がさらに「それを批判する人は風俗を知らない人」と言った、その見識を疑うわけです。

 私の患者さんで、経営者から沖縄に派遣されている人がいます。彼女は完璧にプライドをしっかり持ったプロなのですが、それでも経営者の指示で、広島と沖縄を行ったり来たりしています。沖縄では、日本人も米兵もどちらも客で来ると。広島ではソープとヘルスとどちらもこなしますが、沖縄ではソープのみだと。ヘルスは米兵には通用しないと。彼女は厳しい仕事をこなしていますが、子宮はぼろぼろです。常に腹痛を抱えながら、広島に帰ってきた時には、私の所で点滴で抗生剤やビタミンを入れ、内服薬を処方し、その薬を持ってまた沖縄に行きます

 私にできることは、彼女の体が少しでも改善するように。広島にいる時には、しっかり体を休めるように、そのお手伝いをすることだけです。

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