「ヒロシマ」と「フクシマ」その①負けねど飯館!!
3月31日、広島平和記念資料館で「ひろしま・ふくしまを結ぶワンコインシンポ私たちは、今、どこにいる?」が開かれました。
シンポジストの一人、佐藤健太さんが活動している「愛する飯館村を還せプロジェクト 負けねど飯館!!」のHPはここに あります。
その活動の一つ、行政では、18才以下の児童・生徒と妊婦さんを対象に「生活健康手帳」を発行し、配布していましたが、このプロジェクトでは、配布対象にならなかった19才以上の村民すべてに無料発行しています。
その目的として、(1)万一、将来健康被害が生じた場合に備えるために自分たちで生活行動を記録しておくことが大切であること、(2)記入が困難だったり過去のことを思い出せなくて仲間どうしが集まって話し合ったり、お互いにフォローし合う機会を増やすことが避難生活では大切であり、そのためにも健康手帳を役立ててもらうこと」としています。
飯館村については、私もこの日から 何回かにわたって書いております。まだまだ全村避難が続く中で、本当に困難な生活を余儀なくされている人々。
もう、言い切れないくらい沢山の思いがおありのこと思います。
この手帳について。将来に備えて大切な物となるはずです。しかし、広島・長崎の「被爆者健康手帳」のような、健康診断や医療費の補助がセットされている物ではありません。将来、それらがちゃんと保障されるように、それが目指すもの一つともなります。
それについて。特に子どもたちの甲状腺がんなど、心配なことは起こっていますが、それだけてなく、それに留まるものであるのか否か、それは慎重にフォローしていかなければならない物でもあります。
すでに甲状腺がんの手術を受けた子どもたち、その医療費はどうなっているのか、その報道が全くないので、わかりません。誰が負担しているのでしょうか。原発のせいではない可能性が、と言っている彼らです。この後も子どもたちをはじめとして、健康被害が起こったときに、その医療費はどうなるのでしょう。それが心配なことでもあります。
そんなことを考えていた時、一人の広島の被爆者の方からの発言がありました。被爆者手帳を使うのが後ろめたいことがあると。友人の中に、「被爆者はいいよねえ、医療費が無料なのだから」と言う人がいるのだそうです。「今、被爆者でなくとも、年を取ると、人の半分は癌になる時代。それなのに被爆者だけ医療費が無料になるなんて」と。
それに対して、秋葉さんは、そうして国民を分断させるのが彼らの意図の一つと言われました。これまでご苦労されたのだから、堂々とつかっていいのです、と。
私はそれらの発言を聞いていて、涙が出そうでした。先日話しした中川恵一氏もそうなのですが。そんないやしいことを言う人は、今生きている被爆者だけを見て言うのでしょう。これまで、よく知られている白血病で亡くなった佐々木禎子さん初めとして、どれだけの被爆者が若くして悔しい思いで亡くなって来たことか。
それも、被爆者の特徴である重複癌、一人で二つも三つも癌になって。
そして、大切なこと。被爆者手帳、医療費の補助は、国が率先してくれたものではないということです。そこまで来るのに、どれだけの被爆者が、苦労して苦労して命がけ運動をして、やっと手に入れた物だと言うことを知らないのでしょう。
これまでの被爆者の歩み、これをちゃんと見なければと思うのです。そして、そんなことを言われた被爆者は、その先輩たちの闘いの重みを知って、きぜんとして跳ね返さなければと思います。
これらについて、とぎれとぎれになると思いますが、ゆっくりと書いていきたいと思います。
私は今日は診療後東京に行きます。関東地方は、春の嵐が吹き荒れるとしきりに報道されています。さて、無事ホテルにたどり着けるでしょうか。
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