東京大学中川恵一氏講演と動画
一昨日、3月31日のシンポジウムに参加して、いろいろと考えることがありました。それらを少しずつ検証してお話ししたいと思います。
本来なら、話が出た順番にすべきことなのかもしれませんが。私がずっと引きずっている中川恵一氏のことについて、秋葉さんが取り上げて下さいました。一生懸命ブログに書いても、あんまり反響もないし、自己満足に終わっているのかも、何て落ち込みそうだったので、とてもうれしかったのです。その内容については、
ここから二日にわたって 私のブログで述べているところのことです。でも、秋葉さんらしく、キチンと動画を流して、『「ヒロシマ」そして「被爆者」はこんな風に使われています それは科学的事実ですか?本当のことですか?倫理に適っていますか?』という問いかけをされました。
この中川恵一氏は「かってに飯館に来て、いろいろと住民に語ったりするので困っている」と佐藤さんは言われました。が、中川氏は県や村長の委託を受けて飯館に来ているのですね。
私はこの中川氏の広島での講演を聴きました。そして、すべて録音しています。そこでは聴いていて、体が震えるような思いをしました。 その前に、この東京大学の放射線科の准教授がどんな人であるか、例えば、この動画を見て下さい。
この人が、広島で講演をした時に言ったことを述べます。
『飯館村というのは、とっても素晴らしい村で、老人ホームも素敵なのがあって、でも、そこを出て行かなければならなくなって。避難先で住民は、酒は飲む、たばこは吸う、そしてパチンコをする、そうして寿命を縮めるんです。チェルノブイリで避難させられた人たちはみんなストレスで寿命を縮めました。でも、命令に背いて自分が住んでいたところに戻った人たちは、みんなどんどん寿命を伸ばして長生きしているんです。』
そんなデータが本当にあるのか、では飯館の人たちはあの放射能の濃度が高い所へ戻った方が長生きできるというのでしょうか。年寄りはまだいいのです。問題は子どもなのです。年寄りだけ帰ってもらうということもできません。
それから、彼が言ったこと。
『チェルノブイリで害があったのは、子どもの甲状腺がんだけです。でも、甲状腺がんは死なない癌なのですね。チェルノブイリでは6000人のこどもが癌になりましたが(これも間違いです。すでにブログで言いましたが)死んだのは15人だけです。』
私は、チェルノブイリで「赤いネックレス」と言われる首の手術痕を沢山の少年少女たちがつけているのをとっても痛々しいと思ってみましたし、中沢啓治さんが「チェルノブイリに行ったとき、甲状腺がんにかかった少女が医者に後半年しか生きられないと言って泣いてね、可哀そうでねえ」と話されたのを聞きました。「死んだのは15人だけ」と言ってのける中川氏は人間として、医師としても許されない人だと思いました。
『韓国では、若い女性が甲状腺がんになっています。これは、乳がんのがん検診を受ける女性が増えて、マンモグラフィをするついでに首も見ておきましょうと、首の撮影もちょっとする、その被曝のせいで甲状腺がんになる人が増えたのです。』
私は韓国の女性の甲状腺がんが増えているその原因をいろいろと調べましたが、いまだにその原因はわからないというのが、現状です。道路を作る舗装の材料に放射線物質が混ざっているのではないか、とか、ウクライナから小麦粉を買うのが原因ではとかいろいろと言われていますが、マンモグラフィのついでに首もレントゲンで写すなんて、どこにもありませんでした。しかも、首を診る、甲状腺を見るのは、レントゲンではなく、超音波のはずです。この人、ほんとうに医者?と言いたくなりました。
ところが、画像を探していて、こんなのがありました。ここでは、中川氏は超音波で乳房も甲状腺も診る、だから甲状腺がんが沢山見つかると言っています。しかも、見つけて手術をするのが無駄であるかのような言い方です。
もう、この人の言うことは訳が分からない。およそ科学者としては不適格なのでは?韓国でも、乳がん検診はマンモグラフィ(レントゲンによる検査)が主流です。それも、国の方針として、日本と同じ2年に一回。一方ではマンモといい、一方では超音波と言う。そのデータもなにもなしにこんなことを言い続けました。
それから、これもすでに書いたのですが、
『西日本に逃げた人はわざわざ放射能濃度が高い所に逃げているのですね』とウソを言ってのけたこと。
一昨日のシンポジウムで、広島に避難しているお母さんの話を聴いても、その大変さが胸に詰まるのです。そんなことを数々言って騙す、一体何のために?そう疑わざるをえません。
それに、広島の被爆者は長寿だと。これについての反論を今日のブログの最初にリンクしています。
私がなぜこのような一人の医者の言うことにムキになって反論するのか、なのですが。やはり飯館の中学生にあまりにいい加減な講演をした(しかも白衣を着て)その怒りが原点です。
さらにその当の本人が、広島まで来て、このヒロシマ、原爆医療に取り組んでいる医師が沢山いるこの広島で、とんでもない講演をしたこと。さらにいいますが、これは言わないでいた方がいいのかもしれませんが、言います、この人を呼んだのが、◯電病院の医者だということ。これは、あまりにわかりやすい構図なのですね・・・。
シンポジウムについては、まだ続きます。
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コメント
(o゚∀゚)ノ☆゚。+。【祝誕生日】。+。゚☆ヾ(゚∀゚)o
おめでとうございます ヽ(*´∀`)ノ。
投稿: プティコション | 2013年4月 2日 (火) 07時34分
長崎大学の山下俊一教授、高村昇教授と広島大学の神谷研二所長の三人は既に「被曝に関して楽観的な見解を強調し、福島県下に放射能の大量飛散と降下が起きていた最中にも『子どもが外で遊んでも大丈夫』などと説明し、被ばく被害を拡大した」ということで、告訴されていますが、この中川恵一氏もその中に加えて欲しいです。彼らは躊躇なく「人殺し」と呼べる人達です。
投稿: アコ | 2013年4月 2日 (火) 10時24分
お誕生日おめでとうございます♪
投稿: 音♪ | 2013年4月 2日 (火) 10時48分
河野先生の例のブログ記事をわたしが転載したら、その記事にはかなりの反響がありましたよ。今でも人気記事NO1のはずです。
怒りを覚えている人は多いと思います。
しかし、「優秀」な方が間違ったことをすると被害が大きくなる。その典型例が中川先生でしょう。
投稿: さとうしゅういち | 2013年4月 2日 (火) 11時18分
先生、ご無沙汰しています。
お誕生日おめでとうございます。
ますます先生が必要な世の中になっています。
お体には気をつけて、弱い立場の人達のために、頑張ってください。
東大という名を聞けば、立派で優秀で賢く、何でも知っているとい幻想を、未だに描いている人が多いようです。
私も、昔はそう思ってました。
確かに勉強のできる人でなければ行けない大学です。
しかしながら、最近の東大卒とか東大が付いているのは、単なる優勝な電子辞書でしかないように感じます。
拝金主義のための官僚を養成する上級公務員のための予備校のように。
また、それに関連する施設で儲けるための。
お金儲けが優秀な官僚とそれに伴う研究機関。
東大は、優秀な人を集めるために入学を秋にしようとしていますが、東大が世界にとって重要な研究機関である大学なら、入学が何月だろうが優秀な人は集まってきます。
つまり、日本では一番優秀な大学ですが、世界ではたいしたことの無い大学なのでしょう。
日本の官僚になりたいなら、その付属機関で官僚のための研究機関に入りたいのなら東大でしょうが、もっと上を目指し、創造性豊かな研究をするのには、たいしたことの無い大学。大事な研究より金儲けを選ぶなら。
でも、東大卒でも、身近に立派な人がいます、世界では認められ賞賛されますが、拝金主義でないために、日本では認めようとしない人が多いようです。とても残念なことです。
東大とう名がつき、お金を儲ける人が、日本では優秀で賢く立派な人として、世間が祭り上げるようです。
お金のためなら、簡単に誰でも人を殺し、また子供や親を殺す世の中になっていますが、東大の名がつく立派な人が、そのような世の中にしているのかもしれませんね。
投稿: やんじ | 2013年4月 2日 (火) 16時07分
河野先生、今日はありがとうございました。
先生に診察して頂いて、とても嬉しかったのですが…
なんと!!
お誕生日だったんですね。
おめでとうございます。
機械音痴の私なので、ようやく先生のブログにたどり着けました。
2010年11月のブログも読ませて頂きました。
フリーペーパーの私達親子の写真も載せて頂いてたのですね。
感激しました。
これから、ゆっくり先生の書かれている事を読ませて頂きます。
先生の大切な日に出会えた喜びに感謝します。
ありがとうございます。
投稿: せーたん | 2013年4月 2日 (火) 22時15分
プティコションさま
ありがとうございます。そうそう、ナナパパから福島の親子へプティコションさまのお菓子をプレゼントして下さいました。ありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2013年4月 4日 (木) 21時13分
アコさま
その通りですね。刑事告訴、警察や検察がちゃんと取り合ってくれるといいのですが。でも、彼らは全然反省もなく、相変わらずの言動を繰り返しているようですね。コメントありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2013年4月 4日 (木) 21時35分
音♪さま
ありがとうございます。またお会いできますように。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2013年4月 4日 (木) 21時38分
さとうしゅういちさま
そうなのですか。励まされます。ありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2013年4月 4日 (木) 21時40分
やんじさま
ええ、その通りです。彼らは、人一人の死など、どうでもいいことなのだと思います。だって、「チェルノブイリのこどもで死んだのは15人だけです」なんて、シレッとして言うのですもの。そんな感性で診療を行っているとしたら、本当に怖い物があります。そんな彼らが日本では力を持ち、もてはやされるのですよね。コメントありがとうございます。会いたいですよ!こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2013年4月 4日 (木) 21時45分
せーたんさま
こちらこそ、ありがとうございます。あの本を見た時に、どれだけうれしくって、元気づけられたことでしょう。これからもどうぞよろしくお願いします。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2013年4月 4日 (木) 21時46分