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「ヒロシマ」と「フクシマ」その⑩甲状腺癌について山下氏のアメリカでの発表

 今日の午後一時からは、平和の夕べ実行委員会主催の「平和を語る会」が開かれます。連休に入って、沢山の行事が開かれる今日、なかなか参加しにくい状況とは思いますが、多くの方にお話しを聴いて戴きたいと思います。ここに 詳しく述べています。よろしくお願いします。なお、会場は会議室(1)に変更されました。地下に降りてすぐの会場です。

 私は、まだこの「ヒロシマ」と「フクシマ」のシリーズで原爆医療のお話しをしなければなりません。これまで資料の整理に時間がかかってしまいました。

 何しろ、被爆者医療については、長年かかってここまでたどり着き、それでもまだ黒い雨の地域の被曝について、厚労省が認めていないため、被爆者の闘いは続いています。

 先日のあの恥を知れ!!と言いたいNPTでの「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」とする共同声明に賛同しなかった日本。

 その会、核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会に参加し、ジュネーブ大学などでで証言した佐久間邦彦さんは、生後九カ月の時に爆心地から3キロの己斐町の自宅で被曝。母に背負われて逃げる時に黒い雨を浴びました。

 黒い雨の被曝を認めないことは、福島での低線量被曝に対しての日本、厚労省の方針の意図が見えてしまいます。広島では、まだ黒い雨の地域の低線量被曝の健康被害について決着がついていないにも関わらず、「ヒロシマ・ナガサキの例から低線量の被曝の健康被害はない」と言い切る福島の関係者・科学者・医師たち。

 福島での子どもが甲状腺がんですでに3人が手術を受け、あと7人の細胞診が陽性であったと発表されたのが2月です。その後の報告、発表が全くないのは一体どうしてなのでしょう。すでに7人の子どもたちも手術を受け、その病理組織の結果もとっくに出ているはずなのです。マスコミは一体何をしているのでしょう。早く発表せよと迫らないのでしょうか。

 あの山下氏俊一氏、記者会見では、3人の子どもの甲状腺癌と7人の疑いは、原発事故による影響とは思えないと言った、その記者会見の模様はここに アップしています。

 その山下氏が今年の3月11日、ちょうど震災から2年のその日アメリカの米国放射線防護・測定審議会(NCRP)の第49回年次総会で「福島原子力発電事故と包括的健康リスク管理」と題する記念講演を行っています。
 なんと、記者会見と全く異なる、その舌の根も乾かないうちにこんなことを言っているのです。記者さんたちは、こんなバカにされて何ともないのでしょうか。怒らないのでしょうか。それが不思議です。

1 その学会で使われたスライドの一枚です。ネットから戴きました。「76名の吸引細胞診が行われ、そのうちの10例が悪性または悪性の疑いと診断された。10例のうち3例がすでに甲状腺手術が行われ、すでに甲状腺癌と診断されている」と。

 学会でははっきりとこの様に10例と言われています。

更に、驚くのが、こんなスライドが出されていることです。

2日本の国立癌研究センターのデータを使ってのスライドです。日本人の甲状腺癌の10万人当たりの発症率です。ここの15-19才の所を見て下さい。

 すでに現状はこのグラフの如くであると発表されているのですが。私は??なのです。38000人の10人なのだから、点線で書かれているグラフはもっと上に伸びるはず。38000人に10人は、10万人に26.3人となって、うんと上に飛び出すはずなのですが・・・。(しかも、それがscreening effect?さしています。)

いずれにしても、とっても高い発症率です。これまでの日本では、15-19才の甲状腺癌は10万人当たり1人なのですね。 それを山下氏はアメリカで堂々と発表しています。日本の記者会見とは大違い。

 日本で言うことと、アメリカで言うこととの違い、かつて広島のABCCが行っていたのと同じだと思いました。

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