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「体罰」昭和61年の本です。

 いじめ自殺、体罰による自殺、そして女子柔道界の体罰、教育現場やスポーツ界における人権侵害に胸を痛めています。

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Dscn3918_1280x960 この本は昭和61年、1986年に出版されています。当時、NHKのおはようジャーナルで「体罰」のシリーズが放送され、それを当時のディレクター池田恵理子さんが執筆しました。当時、大変な反響があった番組です。

 その前には、「いじめ」のシリーズがあり、その背景に教師による体罰が存在していることが明らかとなり、そこから生まれた「体罰」のシリーズでした。

 目次を見ると、「体罰死事件」や「スポーツ少女の自殺」など、まるで今日のことのような項目が並んでいます。

 あらためて読み直してみました。読み始めるとすぐに涙々です。一体、教育界はこれまで何をしてきたのだろうかと思います。ずっとずっと同じことの繰り返し。その中でどれだけの子どもたちが命を失って来たことでしょうか。

 しかし、これらを読んで今と一番違うのは、生徒たち自身の行動です。

 修学旅行でドライヤーを使っていた(友人が持って来たものなのですが、それを彼は言いません。友人をかばったのですね)ために教師の激しい暴力に会い、死んでしまった生徒。その彼のお葬式の後で、生徒たちが号泣しながら教師たちに迫ります。「○○を返せ―」と。

 今回の大阪の高校でバスケ部のキャプテンが自殺した事件では、市長というトップ主導でその後の取り組みがなされています。生徒たちの会見をしたのを見たのは、自分たちと同じ学校の生徒が亡くなってしまったということへの鎮魂や自分たちの責任、学校への抗議などをすっ飛ばして「入学試験はこれまで通りにしてほしい」「早く部活ができるようにしてほしい」という「橋下市長に対する抗議」でした。彼女たちは亡くなった生徒のことをしゃべったのかもしれません。それをマスコミが意図的にカットしたのかもしれません。それはわからないけれど、結局は生徒たちはこれまでと同じ授業と部活ができるようにしてほしいという希望を持っているという、そんな姿しか伝わりません。生徒の一人ひとりはきっと、胸を痛めていると思うのですが。

 この本の中にあった陸上部の女子生徒。インターハイの県大会で優勝し、全日本ジュニアオリンピックや国体にも出場するなどの県陸上界のホープとされていた少女が、昭和60年3月に首つり自殺をしています。その時には大きく報道されても、すぐに忘れられて、そして今回の事件までも何度も同じようなことがあって、そしてまた今回なのです。その少女の昭和60年の遺書です。

 お父さん お母さん 私は疲れました

 もうこれ以上に逃げ道はありません

 何で他の子には楽しいクラブなのに私はこんなに苦しまなくちゃいけないの・・・・

 たたかれるのも もうイヤ

 泣くのも もうイヤ・・・・私どうしたらいいのかな

 だから もうこの世にいたくないの

   ゴメンネ お父さん お母さん

  私 本トにつかれたの・・・・

    もう・・・・ダメなの

      もう イヤなの

   私・・・そんなに強くないの

            ゴメンネ

 女子柔道の選手たちの行動も、ぎりぎりの所での大変勇気が必要だったことなのでしょう。これから先、言いだしっぺは誰かなどと犯人捜しをするようなことなく、選手たちの尊厳が守られますように。これからも見守りたいと思います。

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コメント

叩いて、なぐって、ぶちのめして、教育や指導ができるのなら、教養や知識や経験は必要ありません、野蛮人がなればいいのです。
このような行為を正当化するということは、幼児や子供の虐待も教育だし、DVも立派な指導になってしまいますね。

投稿: やんじ | 2013年2月 7日 (木) 11時39分

下の者は優秀。
指導者は愚鈍。
国がひっくり返った時にも、責任者はでなかった。
分かっている。分かっている。皆、分かっている。
わかっちゃいるけど、やめられない。
ア、ホレ、スイスイ、、、、、、

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

投稿: noga | 2013年2月 8日 (金) 03時09分

お疲れ様です。
同内容の記事を書かれていた銀蔵さんのブログからワープしてきました。
歴史は繰り返すといいますが,繰り返してはいけないことですよね。
某政治家が「すべての体罰を禁止したら教育にならない」と発言したそうですが,暴力を用いなければ教育できない教師には教師の資格はないと思います。

投稿: もみじ日記 | 2013年2月10日 (日) 01時35分

やんじさま
本当にその通りです。いい加減、日本の社会も成熟しなければ、その成熟を妨げている大きな力は教育界だと思います。しばらく会っていませんね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2013年2月10日 (日) 11時56分

nogaさま
コメントありがとうございます。私のこの記事の内容には、この口調はどうも抵抗があるのですが・・・。亡くなった人たちが偲びなくって。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2013年2月10日 (日) 12時06分

もみじ日記さま
コメントありがとうございます。いつもブログ読ませて戴いています。私は、子どもや国民の人権が尊重される社会にならなければ、と思っています。その意味でまだまだ日本という国は未熟ですね。ますます後戻りしているようで。これからもよろしくお願いします。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2013年2月10日 (日) 12時11分

体罰についてですが、私の駄文なぞよりずっと良いブログ記事がありましたので、転載します。

反社会学講座ブログ パオロ・マッツァリーノ公式ブログ

「体罰を礼賛するものの本性」
http://pmazzarino.blog.fc2.com/blog-entry-55.html

「スポーツ至上主義の弊害」
http://pmazzarino.blog.fc2.com/blog-entry-58.html

あと、話がそれますが、原発関係で
「原発と読売」
http://pmazzarino.blog.fc2.com/blog-entry-56.html

投稿: めかちゅーん | 2013年2月13日 (水) 19時39分

めかちゅーんさま
全て読ませていただきました。当然のこととはいえ、それが出きない。本当にこの国は情けないことと思います。いつもありがとうございます。

投稿: こうのみよこ | 2013年2月17日 (日) 11時25分

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