「モモタロウ・ノーリターン」
昨日の続きです。性教協の中国ブロックセミの午後は、静岡県の高校の校長先生の講演「男だてらに女泣き」でした。私は、とても残念ながら、別の部屋で講演をしたので、その話を聞くことができませんでした。
これは、その校長先生奥山和弘さんの著書「モモタロー・ノーリターン&サルカニ・バイオレンス」(十月社)です。
この本には、桃太郎・一寸法師・浦島太郎・舌切り雀・瘤とりじいさん・さるかに合戦・金太郎などの昔話がパロディーとされて、面白く、男女の差別やDVなどが語られています。
これを読むと、とても自然に、差別のおかしさが分かります。
奥山先生が校長をしている静岡県では、自然に男女混合名簿が使われていると聞き、びっくりです。広島県では、やっと混合名簿が使われ始めた時に、教育委員会からの協力な指導で、別名簿に戻されつつあるからです。
考えてみれば、私は高校までは男女別で、それも必ず男子が先で女子が後の名簿で育ちました。でも大学生になって、男女の差がなく一緒でアイウエオ順でもちっともなんにも困ることはなかったし、ふつうに自然でした。旧姓長谷川である私の前は野口君、後ろは長谷部君でした。
それにしても、この本を読むと、男女を入れ替えるととても単純で、それだけでその差別の可笑しさが分かるのですね。この本の冒頭に、DV加害者プログラム/デートDV防止プログラム・アウェア代表の山口のり子さんの「本書を推薦します」という文章が載っています。
それによると、DV加害者の更生のための教育プログラムでは、はこの本の中の「サルカニ・バイオレンス」と金太郎をモチーフにした「フォーラムin大江山」が使われているのだそうです。
『DV加害者の「俺は正しい」という信念、妻に対し優位に立ち支配しようとする価値観、男としての特権意識など、また被害者が「私のせいだ」「私さえがまんすれば」などと追いつめられていく心理もわかりやすく描かれています。また周りの人々、つまり世間や常識がいかに被害者を傷つけ追いつめ、加害者に加勢してしまうかも鮮やかに描かれています。』
私は、この本は性教育関係者だけでなく、DVの被害者が救済を訴えて行く場である警察官や、家庭裁判所の調停員の方など、幅広く読んで戴きたい本だと思います。
奥山先生の講演はとても好評でした。それを聴けなかった分、この本を一生懸命にでも楽しく読み、そしてみなさんにご紹介したいと思いましたので。
今日は、夜にもう一つ、同じお題でブログを書く「節分」について書きますね。
今日は午後から産婦人科医会の研修会です。これについても、後に絶対に皆様にご報告しますね。多分、怒りに満ち満ちてご報告することになると思います。
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