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ヒロシマ・アキバ塾から 「平和宣言」⑤

 昨日は、四金会、産婦人科の開業医の会の忘年会でした。

Dscn3563_1280x960 今年もこの先生たちがいらっしてくださいました。87才から90才になられる先生たちです。左端の井槌病院の田中敏晴先生は、今もバスの検診車に乗って、県内あちこちがん検診に回っていらっしゃいます。今日は大竹で、明日は大和町なのだそうです。

 右端の滝井先生は、囲碁の名手です。だれもが先生に挑戦するのですが、勝てたことはありません。皆様ぼけることもなく、大変お元気で、健啖家で良く食べよく話して、楽しく過ごしました。

 特に、戦争を潜り抜けた先生たちのお話しは貴重なものがあります。今回も、いろいろとあの時代、学徒動員で働かされたこと、徴兵検査でどんなことがあったか、文系の学生はみなさん徴兵されて送別会をしたこと、先生たちは理系だったので、徴兵を免れたことなど、このまましゃべりっぱなしにするのはもったいないと思いました。

戦後の産婦人科の状況なども記録とどめておきたいことが一杯あります。左から二番目の小林先生は、今も篆刻で数々の賞も取られています。先生の話が特におもしろくって貴重なので、話しをして、それを本にするようにおす勧めしました。みぎから二番目の正岡先生は、病院は二人の息子さんがしっかり後を継がれていて、もう悠々自適でいらっしゃいます。でも、お話しはまた貴重なものがありました。

 今度、この先生方の「アラベイ」のお祝いの会をしようということになりました。アラフォー・アラカン・そしてアラベイ。米寿あたりの先生たちのお祝いです。四金会でもたくさんの先生方が亡くなってしまいました。それでも、この四人の先生方のお元気な姿がうれしいと思います。

今、始まっている選挙。候補者や党首の話を聞いて、つらく思います。今日の「平和宣言」は、1957年、保守の渡部忠雄市長によるものです。浜井さんに代わって市長に選ばれた人ですが、評判悪く、一期で再び浜井さんが返り咲いたという人です。その極保守の人たちに支持された市長であっても、広島市長は、こんなことを宣言しています。放射能の長期にわたる健康への影響と、遺伝の問題に言及しています。

 なお、これについては、ヒロシマ・アキバ塾での秋葉さんの講義にはありませんでした。私がかってに付け加えています。

   

原爆被災12周年をむかえた今日、われわれ広島市民はあの日の惨害の意味を、より冷静に、また、より適確に評価できる立場におかれている。

原子爆弾の高熱と爆風による瞬時の破壊力は、まさに未曾有のものであって、広島市は人々の想像に絶する廃きょの街と化した。その瓦礫の上に市民のたゆまざる努力により新しい広島市は生まれつつある。しかし被爆生存者の体内には、なお目に見えぬ破壊力が働いているという恐るべき事実が明らかとなった。今日われわれは放射能がひとたび人間の体内に入れば、徐々に身体をむしばむだけでなく、その害悪は遺伝により子々孫々に伝えられることを知っている。本市被爆生存者が年々後遺症のために病死してゆく事実は、遠い将来につづく悲しむべき兆候であると憂えるものである。

しかも世界は既に多かれ少なかれ、この放射能の渦の中に置かれている。現在行われつつある原水爆の実験は、おびただしい放射能を大気中に放出することにより、徐々にではあるが刻々に人類生存の基盤をおびやかしている。

われわれは本日、原爆死没者の払った尊いぎせいを象徴するこの慰霊碑の前に立って、諸霊を弔うにあたり、原水爆の保有と実験を理由づける力による平和が愚かなまぼろしにすぎないことを指摘し、世界の人々がすみやかに真実の平和の道を選んで人類をその最大の危機から救うべきことを訴えると共に、自らもこのために微力を尽くすことをここにおごそかに誓うものである。

1957年(昭和32年)8月6日

広島市長  渡   

次から、いよいよ秋葉さんの平和宣言に入ります。私は今日はとても厳しいスケジュールです。

 


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コメント

渡辺さんという市長さんがいらっしゃったことを初めて知りました。生粋の広島人として『不覚』と思いましたが、一期だけの方だったのですね。
いつもお忙しい先生が「とても厳しいスケジュール」とおっしゃられるとは…一体どんなスケジュールなのか?と興味も湧きますが、どうかご無理をなさらないようにしてください。
こんな言葉を書くと叱られるかもしれませんが、「ほどほど」に働かれた方がよいのではと心配になります。過密スケジュールをこなしていた勘三郎さんの死去にショックを受けている私です。先生も四金会のアラベイの先生方のようにいつまでもお元気でいらして欲しいと思います。世の人のためにも。

投稿: 想 | 2012年12月 5日 (水) 15時54分

選挙をきっかけに、 子供たちが大人になった時、戦争にいかなければならないなんてことにならないように今、何ができるのか考えるようになりました。これだ!という答えは見つからないのですがやれることを積極的にしていこうと思います。
話は変わりますが、私は産まれる時、正岡先生にお世話になりました。母は、私がお腹にいる時、分娩時、出産後、出血や体調に何度もトラブルがあり、正岡先生に親子共々命を救われたといつも言っていました。お写真を拝見してあ〜私は正岡先生のお陰で生きているんだとしみじみ思いました。
いろいろな方のおかげでや繋がりで生きていることを子どもたちにわかってもらえたら戦争はなくなるかもしれないってすこし思いました。

投稿: らら | 2012年12月 6日 (木) 11時15分

想さま
いつもありがとうございます。はい、忙しくとも、寝ることと食べることはちゃんとしなければ、と気を付けております。お気遣いありがとうございます。そうですね、もう少し長生きできるように・・。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年12月 7日 (金) 08時13分

ららさま
そうなのですね。正岡先生に!!
助けて戴いた大切な命ですね。この命をさらに繋いで行くために。今、私たちがすべきことをしましょうね。コメントありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年12月 7日 (金) 08時16分

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