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月にウサギがいるわけ。中洌正堯先生のお話し。

Dscn2730_1280x960 昨日の夜は、観音高校の同期会。というよりも、同じ学年のJ組のクラス会でした。私はH組だったのだけれど、来るようにと誘ってくれる人がいて、初めてお邪魔しました。このJ組はほぼ毎年のようにこんな親睦会を開いているとのこと。クラスは違っていても、顔くらいは知っているはずなのだけれど、どなたなのか、よく分からなーい!来てよかったのかしら、と思いながら加えて戴きました。

 J組の担任の先生は、中洌正堯先生。私たちが高校生の頃は、まだ若くて青年教師そのものでした。私は担任でもなく、教科の国語を習ったこともありませんでしたが、部活の演劇部の顧問でした。

 時がたって、こうして集まってみると、もう、だれが恩師なのか、教え子なのか、分からないくらい。時の流というのは、本当にあっという間で。

 中洌先生は詩人でもあり、国語教育のスペシャリスト。兵庫教育大学の学長も務められました。退職なさって同大学の名誉教授を務めていらっしゃいます。今も、現場の教師たちとさまざまな研究や実践をなさっているとのこと。

Dscn2732_1280x960 とても面白いお話しを伺いました。少しだけご紹介しますね。

 今、子どもたちの国語力をいかに高めるか、その実践の試みで、「月」を取り上げたと。月をしみじみと眺め、思いをはせるということが、今の子ともたちにはあまりないのではないかと。で、月をテーマでの授業です。(私が聞いたことと、先生がお話しなさったことの少しずれがあるかもしれません。)

 一方で、月はなぜ満ち欠けするか、その科学的な見え方を学びます。科学ですね。

 その一方で、仏教文学の「月になぜウサギがいるか」というお話しをします。以下は、先生のお話しとちょうど同じようなお話しが「ウィキペデイア うさぎ」にありましたので、一部コピーさせて戴きます。

『日本には古来より、ウサギが月に棲むという説話が仏教道教説話あるいは民間説話として伝わっている。
たとえば仏教的説話を多く題材にとる『今昔物語集』第五巻第十三話「三の獣、菩薩の道を行じ、兎身を焼く語」には、次のような捨身慈悲、滅私献身の象徴としてウサギが描かれる。


 昔むかし、天竺(現在のインドとみなされる)にウサギ・キツネ・サルの三匹の獣があり、ともに熱心に仏教の修行に励んでいた。そこに、今にも倒れそうな見るからにみすぼらしい老人が現れ、養ってくれる家族もなく貧しく食べるものもないと三匹に訴えた。

 そこで、サルは木に登って木の実をとってきたり、里に出て里人の果物や野菜をかすめてきて老人に与え、キツネは川原へ行って魚をとってきたり、墓に供えてあった餅や飯をかすめてきて老人に与えた。サルは枯れ枝を拾い集め、キツネがそれに火をつけて、食事の支度を始める。

 その一方で、ウサギは野を駆けずりまわり東西南北あちこちを探し求めたが、老人に与えるものは見つけられず、手ぶらで帰ってくるしかなかった。そんなウサギを見て、サルやキツネそして老人までもが、ウサギを嘲笑し、罵った。しかしウサギは言う。「確かに己には食べ物を奪って持ってくる力はなかった。ですから、この身を焼いてお食べください」と。そう言うがはやいか、ウサギは火の中にとびこんだ。

 この様子を見ていた老人は、たちまちにして本来の帝釈天の姿に戻り、すべての生き物たちにこのウサギの善行の姿を見せるために、月の中にウサギを移した。今でも月には煙のような雲影とウサギの姿があるのはそのためである。すべての人が、月を見るたびにこのウサギの行動を思い起こすように。

 以上が、「今は昔、天竺に兎・狐・猿、三(みつ)の獣ありて、共に誠の心を発(おこ)して菩薩の道(どう)を行ひけり」に始まり、「万(よろづ)の人、月を見むごとに此の兎の事思ひいづべし」で終わる説話のあらすじである。』

 この話は、様々な地方で民話としても伝わり、少しずつ姿を変えて、たとえば出て来る動物が違ったりしていますが、本筋は変わりません。

 中洌先生は、この話しをすると、生徒たちは食いつくように話を聞いたと、現場の教師たちの報告があったと。今、その授業のまとめをしている段階だと言われました。

 久々に楽しい授業を聞かせて戴きました。以前、性教育の仲間の国語が専門の小学校の先生に、宮沢賢治の授業をするのは、これは仏教哲学よ、そこから読み解いて行くと、賢治がわかって来る。それを授業でやってると言われて、感激したことがあります。それを思い出しました。

 今日はお月見。台風なので月は見えないかもしれませんが。明日にでも、月を眺めてみようと思います。

Rscn2737_1280x960 みんなで記念写真。クラスも違うのなに、来させていただいてよかった!!です。J組の皆様、おじゃまむしなのに、暖かくしていただいてありがとうございました。またお会いできれば、うれしいです。


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コメント

ウサギが我が身を投じる話、手塚治虫さんのブッダの中に有名なシーンがありますね。月に住まわせるシーンは定かでないですが、感動的なエピソードとして忘れられません。月を見上げて、もう一度ブッダもよみかえしてみたくなりました。手塚治虫さん、いまでも大好きです。生きておられたら、この危ない時代をどう表されたのでしょう。。話がそれてすみません。(>_<)

投稿: スヌーピー | 2012年9月30日 (日) 11時32分

スヌーピーさま
そうなのですか。手塚治虫さん、私も探して読んでみたくなりました。ありがとうございます。またいろいろと教えて下さいね。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年10月 1日 (月) 08時44分

はい、「ブッダ」第1巻の冒頭のエピソードでしたよ。(^v^)

投稿: スヌーピー | 2012年10月 1日 (月) 17時42分

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