「性教育バッシング」
思春期学会の抄録集から。ワークショップ「学校性教育を応援しよう」から。千葉県助産師会 川口助産所 川口眞理子院長「性教育実践の中で感じる壁~学習指導要領のハードルは本当に高いのか~」。
助産師に外部講師として性教育の依頼がなされることが多くなっています。その抄録の一部を再掲させていただきます。
学校からのNGは「学習指導要領」のせいなのか
「過激な性教育」「行き過ぎた性教育」と性教育バッシングが起こり始めると「出産は感動的に話していいが性交について話すことはダメ」「コンドームという言葉は使わないで」「人工妊娠中絶は命を奪う行為として話して」「緊急避妊は安易に性交してしまう可能性があるから話さないで」など内容の修正が図られたこともたびたびだった。「学習指導要領」は一つの壁を作っていたことは事実であるが、10代の性行動に関する無理解もあったように思う。
若年者の健康被害が懸念され、養護教諭からは、「性行動開始に伴うリスクやその回避について、知識を与えたい」「せっかく専門家の外部講師が来るのだからこの際学習指導要領という壁を乗り越えた性教育を子どもたちに聞かせたい」という思いが膨らんでいくのは当然と言える。助産師の中にも「学校の望むままに、このような麗しい話でいいのだろうか?たった50分の授業でいのちが大切だけでは、中絶を減らすことも性感染症の予防にもつなげない」という医療の専門職としてのジレンマも感じていた。学校側との打ち合わせで、こちらの思いを理解していただける時もあれば、結局講師の変更や講演中止という残念な結果に終わった時もあった。
以上引用終わります。私は、これまでも必至で性教育バッシングについて訴えてきましたが、これは全国的なものであることがわかって戴けるかと思います。
「コンドームは教えない」「命の誕生はこんなに感動的」「中絶は殺人」と教えれば、避妊もなく行動し、妊娠し、「赤ちゃんを殺すのはいや」と中絶できない子が増えるばかりです。
この度も、ほかの県のドクターから「内容についてのキビしい注文が入った」との悩みを打ち明けられました。
社会では、子どもたちに対しての性情報が反乱しています。それらの情報には、避妊だの、妊娠だの、性感染症だのというものは皆無と言っていいでしょう。それらの情報にどっぷりつかっている若者たちに、真正面から伝えるべきだと、声を上げ続けているのですが・・・。
これまでも出していますが、もう一度。14才以下の中絶も、出産も増えているデータを示しますね。14才以下です!!
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コメント
バッシングする人って、「純潔教育」こそが目指すべきところと思っているのではないでしょうか?
そんなもの、社会の変化、時代の趨勢によっていくらでも変わるのに、教育の認識が旧態依然としているところに寒心を覚えます。
投稿: めかちゅーん | 2012年9月 9日 (日) 11時22分
ついこの間も、エールエールで17歳の少女が赤ちゃんを産み落としていたというのがありましたよね。
現在、第2子を妊娠中で、切迫早産、前置胎盤、羊水過少さらには胎盤早期剥離の既往があるため管理で入院中の病室でニュースをみて、胸が痛みました。少女も早産だったようで、体調不良を訴え搬送されたみたいです。
私自身は、中学で母からさらば悲しみの性を渡され、ほどなくして、先生の講演もお聞きすることができ、大変感謝しています。
性教育、かならず必要だと思います
投稿: モロちゃん | 2012年9月10日 (月) 14時30分
めかちゅーんさま
お久しぶりぶりです。読んで頂いてありがとうございます。純潔教育って言葉はまだ生きていますか?まるでセックスしないことが清いことで、セックスはきたない、汚れたもののようですね。結婚すると、それが急に汚くなくなる?それも変。結婚している人同士の性的トラブルなんて、一杯ありますのに。結局性というのは、人間関係そのものなのだと、そこの教育が必要だと思います。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年9月13日 (木) 17時08分
モロちゃんさま
入院していらっしゃるのですか。大変ですね。今回の少女のような事件や出来事を、沢山見て来ました。きっとSOSを求める人もなく、一人抱え込んでいたのでしょう。胸が痛みますね。その妊娠の相手は、いったいどうしているのでしょう。
どうぞ、お大事に。大変でしょうけど、どうぞ、元気な赤ちゃんを生まれますように。コメント、ありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年9月13日 (木) 17時16分