広瀬隆さんの講演続きです。
伊方原発沖合約6キロメートルには、中央構造線活断層帯があります。内海の津波襲来はもっとも恐ろしい結果を招きます。中央構造線が動けば、瀬戸内海に巨大津波が発生することは間違いありません。
1596年9月4日、大分県別府湾でM7級の改定地震が発生し、津波が押し寄せ、瓜生島が一夜で水没し、700人が死亡しました。同日、伊予地震のために今の松山市保免の薬師寺の本堂や仁王門が崩壊しています。9月5には伏見でM8近い大地震が起こり、豊臣秀吉の伏見城天守閣が崩落し、城内で数百人が死亡。これらの事実を突き合わせると、慶長別府湾地震で動いた別府湾と、慶長伊予地震で動いた四国の中央構造線と、慶長伏見地震で有馬高槻構造線が動いた伏見の断層が、400キロメートルにわたってほぼ同時に動いた可能性が高いと言われます。
江戸時代1707年宝永南海地震では、大阪湾、瀬戸内海沿岸、大分県佐伯市に大津波の記録があります。瀬戸内海を襲った大津波は、九州~四国沿岸~大阪湾まで達し、東日本大震災と同規模の死者2万人を超えていたことが明らかになりました。現在の人口は、当時の5倍です。
東海、東南海、南海の3連動の巨大地震がいつ起こるかわかりません。2011年12月25日にNHKEテレで高知大学の岡村教授が行った重大な調査結果でそう発表されました。岡村教授が入っている「南海トラフトの巨大地震モデル検討会」の中間とりまとめ報告(2011年12月27日)で示された想定震源域には伊方原発もすっぽりと含まれています。
以上、不十分ではありますが、広瀬隆さんの講演を伊方原発のことを中心にまとめました。今回の福島の原発事故は、千年に一回の想定を超えた地震と津波のせいであるという言い訳は、全く通じないことであるというのがよく分かりました。伊方原発、そして上関、瀬戸内海に原発を作ることの怖さも。この講演を聞いて、あらためて認識しました。
帰りの松山観光港から見た瀬戸内海です。もしも伊方原発で事故がおこれば、出口のないこの瀬戸内海が死の海と化してしまいます。
ところで、この港で高速艇を待っていると、テレビでNHKのニュースをやっていました。四国ローカルです。真っ先にやったのが、「大地震に備えて大規模な訓練が行われた」というニュースでした。高知で自衛隊総動員です。陸から空から、海から。その緊迫したニュースを見て、プレートのひずみはもう限界まで来ているということをまた痛感しました。(余談ですが、そのニュースでは、伊方原発を止めるための集会のことは全く報道されませんでしたよ。)
昨夜ははだしのゲンの英語の講座はお休みして、廿日市に往診に行きました。在宅の療養のことについては、また機会を見て私の思いをお話ししますね。今日は診療後熊本に行きます。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
| 固定リンク
コメント
貴重なご報告ありがとうございます。
津波に関しては、瀬戸内海は大丈夫。
そんな間違った考えで、おりました。
脱原発に向かって、少しでも自分にできることをしていきたい。
その思いをあらためて、かみしめました。
投稿: 空 | 2012年6月18日 (月) 22時13分
空さま
ありがとうございます。そう言って戴くだけでブログを書いたかいがあります。これからもちゃんと声を上げようと思います。これからもよろしくお願いします。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年6月19日 (火) 10時34分
「地震の年表 (日本) Wikipedia」をざっと観てみるだけで、日本列島では巨大地震と巨大津波が「年中行事」である、とすぐにわかります。
地震と津波の記録だけでこんな年表ができてしまうくらいですから、日本の歴史とはまさに「地震と津波の歴史」と言ってもいいくらいです。
地震の年表 (日本)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AE%E5%B9%B4%E8%A1%A8_%28%E6%97%A5%E6%9C%AC%29
こんな地震と津波の塊のような列島に、原子炉を五十数基も置いて原発をやっているなど、正気の沙汰ではありません。
多くの日本人は、自分たちの住んでいる所がどんな所なのか、まるでわかっていないんですね。
こういう感覚だから、広島・長崎の原爆の悲惨もさっさと忘れてしまって、「放射能は安全」とか言っている連中のインチキ宣伝に騙されるんでしょう。
これを書いている今も、台風が日本列島を縦断している真っ最中ですが、日頃、盛んに「安全保障だの、国防だの」と言っている連中が、巨大地震・巨大津波という「最大規模の攻撃」には全く全く無神経なんですから、呆れてしまいますね。
投稿: 松本英志 | 2012年6月19日 (火) 23時24分
松本英志さま
貴重な情報ありがとうございます。ぞっとする年表です。ここでみんなが本気で取り組まなければならないことなのですが。こんな政治を選んで来た国民の責任でもありますね。また、いろいろと教えて下さいませ。感謝です。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年6月27日 (水) 08時43分