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保険を削られます。

 今は、とんでもない時間です。一時に寝て、二時半に目が覚めてしまいました。いろいろと心配なこと、情けないこと、腹の立つことが、どっと押し寄せていて、それらを考えていると、寝てても脳が緊張しているのでしょう。一旦目が覚めると、もう一度寝ることはできないたちです。

 思い切って、起き出してパソコンを開きました。

 昨夜は光からの帰り、医師会館での研修会に行きました。昭和医大の産婦人科の教授岡井崇先生の超音波の講義でした。

 岡井先生には、とてもお世話になったことがあります。今回、先生のお話しなら絶対に聞きたいと思って。光から車を飛ばして帰った、と言いたいところですが、途中二号線で人身事故があったとのことで、大渋滞。すっかり遅れてしまいました。それでもお話しはとても面白くて、勉強になりました。
 
 そして、あらためて思うのです。若い人たちの先頭に立ち、いつも研究に前向きで、積極的に新しいことに取り組んでいる人はやっぱり素敵だと。

 今回のお話しは、超音波で胎盤や血管や臍帯や血管を見ることのその技術と知識について。そして、もう一つは母親の胎内で病気や異常のある胎児に対しての超音波を使った治療についてのお話しでした。針も刺さず、母体や子宮を傷つけることなく、胎児の治療する、そのための超音波の機械の開発までやってしまう、本当に感動を持ってお話しを聞きました。

 同じ医師でも、私とはえらい開きがあります。私にできることは、そのような知識を入れて、患者さんに還元すること。あてはまる人がいれば、そのような治療ができるドクターにつなぐこと、なのですね。

 何年も前、どうしても岡井先生にお会いしたいことがありました。仲立ちする先生がいらっして、やっとのことでアポイントを取りました。お会いするために東京に行くのに、午後から代診のドクターを頼んだのですが、その日に限って台風だったのです。絶対にアポイントメントは外せません。祈るような思いで空港に行き、そして予定していた飛行機が飛ぶことが分かったときには、本当にほっとしました。その次の飛行機から欠航でした。

 ところが、その飛行機がすさまじく揺れて・・・。ジェットコースターのように機体がドスンと落ちます。いつも揺れる飛行機に乗ったときには、「乗るんじゃなかった」と後悔するのですが。とてつもなく恐怖を感じていたとき、その揺れに、後ろのほうに乗っていた子どもが「キャハハハハ」と笑ったのです。きっと遊園地の乗り物のように楽しかったのでしょう。その笑い声を聞いて、急に私の胸も落ち着きました。

 その後何回か先生の研究室に通い、助けてもらいました。

 大変お世話になったその時のことや、飛行機でこどもが笑ったことなどを思い出しながらお話しを聞きました。やっぱり先生のお話しは素晴らしいです。

 腹の立つことを少しだけ。私たちは、日頃保険診療をしています。その診療の内容をチェックされて、査定されることがあります。査定とは、早く言えば削られることです。

 私は、医療は必要最低限であるべきという信念があります。だから、絶対に必要でない検査や処方もしません。それでも削られます。私は、院外処方で薬局からお薬を出してもらっています。薬を削られると、その薬局に薬代を補てんしなければなりません。

 かつて妊娠中毒症で胎盤早期剥離で赤ちゃんを死産、重い腎臓の障害と高血圧の後遺症が残った方があります。何とか子どもを一人でも授かりたいとの強い希望で、当方に来られました。治療で無事妊娠。妊娠経過と出産は、それまで腎臓や血圧を診てもらっていた総合病院で慎重に対応して下さり、そして待望の赤ちゃんを得ることができました。でも、高血圧は続いています。

 その方は仕事をしています。腎臓や血圧については、その病院で定期的に見てもらいながら、土曜日に来ることができる当方で、お薬を出していました。その内科と私は密に連携を取っています。

 その血圧の薬をすべて削られてしまいました。病名もちゃんとつけているし。なぜだか問い合わせたら、「まあ、そこまでしなくとも、という意味です。」と言われました。もう、びっくりです。薬が切れると血圧が200にもなる人です。なんと。そこまでしなくてとも、なんて、事情も知らないでよく言うわ。と腹が立った次第です。

 もう一人。子宮筋腫で一度核出術をしたけれど、再発した方。過多月経で貧血がありました。ヘモグロビンが6しかありません。貧血の治療で鉄剤の注射をしました。その注射をすべて削られてしまいました。重症の貧血で鉄剤の治療をどうしてしたらいけないのか分かりません。また腹が立った次第です。

 長く仕事をしていると、いろいろなことがあります。理不尽だと怒ることも、年と共に丸くなったのか、減ってきました。怒るよりもしょうがないなあとあきらめるようになりました。

 でも、どうしても合点がいかないと、カッカして眠れなくなるということです。やれやれ・・。すっかり夜が開けて明るくなってきました。

Dscn1560_1280x960 先日、長崎の中華街のお店で「うずらの卵のピータン」を買って帰りました。小さなピータンを半分に切って白ネギとキューりといっしょにポン酢で戴きました。ピータン、すっごくおいしかったです。もっと買って帰ればよかったと後悔しています。



「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

医療費削減をしているという、見せかけの仕事なんでしょうね。
こんなことを書くと、多くの人に批判されそうですが、
外科病院がやっているリハビリは、老人のサロンになっているように思います。年をとれば、どこかが痛くなるのはしかたないことでしょに。
怪我や病気からのリハビリ以外の人が多いように感じます。
儲かっているといわれるリハビリ。大量の湿布薬を貰って、家族や友人に配っている人。本当に必要な医療費なのか、疑問に思います。
軽度な人は、公民館などで痛みを緩和するような体操をした方がいいのではないかと思います。
自分の健康を気にかけている人は、病院以外でなにかしらされているように思います。
患者として、処方された薬以外にも症状によっては自分自身で望む薬も、削除の対象になるのなら、我慢しなければいかないのでしょうね。

投稿: やんじ | 2012年6月22日 (金) 15時20分

保険削除の本当の事情は、当事者にしか分かりませんが…

>重症の貧血で鉄剤の治療をどうしてしたらいけないのか

逆に、保険の通る貧血の治療法・薬剤は何?って気になりますよ。

どこの世界でもいえると思いますが、トップ(幹部)の人は、机の上で事務処理ばかりしないで、現場を見て体験して、その大変さを理解してほしいものです。


投稿: r s | 2012年6月23日 (土) 07時05分

やんじさま
はい、私のような小規模のクリニックでは、少し削られただけでも、経営には響きます。なんかちゃんと経営できるように儲かる方法を考えるべきなのでしょうが。それができなくて・・・。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年6月27日 (水) 07時47分

rsさま
先日は来て下さってありがとうございました。お会いできなくて残念でした。はい、鉄剤をけずられると、途方にくれます。全く、もう。筋腫の過多月経の貧血には鉄の投与が当然なのですが・・・。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年6月27日 (水) 07時49分

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