小学5年生の理科の授業「人の誕生」続き
昨日の続きです。城さんの小学5年生理科の「人の誕生」から。
④胎児の成長
城さんは、では、生まれたときにできているもの、どんなものがある?たとえば鼻とか目とか手、指とか。それらがどんな順番でてきているのだろうか、と問います。赤ちゃんが生まれてくるときの大きさの人形、またいろいろな大きさのキューピーを用意しました。
点で突いたような大きさの受精卵から、ここまでだんだんと大きくなる様子をその人形たちと、それからフランス製のDVDの動画で見ます。その動画も素晴らしくきれい。赤ちゃんがだんだん作られていく様子、初めは受精卵から、しっぽがある時、そしてだんだんと体が作られていき、たとえば手の指はどうできるか、ということなどがよく分かります。また、出来立ての胎児から、心臓が動き始めるところの映像も。それらは、私が見ても感動的な映像でした。
城さんのすごいところは、こうしてさまざまな映像などの資料をふんだんに使って、一時も飽きさせないことです。こんな資料集めも一筋縄ではできないだろうと思います。
さらに、妊婦さんにわたす本にあるような人の誕生カレンダーも配ります。そこにはちゃんと受精から○週目とにんしん○週とにんしん○か月というのが分けて書かれています。心臓が動き始める、手や足の指がわかれる、目耳ができる、髪の毛が生えはじめるなどが書き込まれています。時々の身長や体重も。
さらに、資料が配られます。母親の子宮の中で胎児(お腹の中の赤ちゃん)がしていることはどれでしょう。
○動く ○食べる ○飲む ○息をする ○尿を出す ○便を出す ○目を開ける ○聞く ○話す ○見る ○見る ○たいばんをつくる ○へそのおをつくる ○羊水をつくる ○生まれる合図を出す
みなさんはわかりますか? これらの中で、特に生徒たちがびっくりするのは、尿をだし、それをまた胎児が飲み、自分の腎臓できれいにしてまた尿を出すという、そんなことを胎児がしているということですね。
⑤出生
これも動画で、赤ちゃんが生まれる映像を使います。赤ちゃんが生まれてすぐに泣くのはなぜだろう、肺がいっぱいに膨らんで自分で呼吸し始めるその姿はまた感動です。
五時間の授業のまとめで、子どもたちのの感想は、赤ちゃんはお腹の中でいろんなことをしている、すごいな、生まれてきてよかったな、と見事に書かれていました。ちなみに、性交について書いていたのは、一人だけ。これまで汚いイメージだったけど、大事なことなんだとわかったと。
性教育というと、いまだにセックスをする方法を教える、とんでもないととらえている人がいます。そんな人が政治を動かしてきました。そうではなく、性交なんて、ほんの一部のこと。こんな実践を見ると、やはり性教育は命の教育なのだということがよく分かりました。そして、こんな授業を受けることができた子はしわせだと。でも、こんな授業を受けることができるのは、ほんの一部に過ぎないのですね。
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コメント
ウチの小5さやか姫と一緒にぜひ授業を受けたい!って心から思いました。
この授業をうけた子供たち、ほんと幸せですね。
命の大切さ、すごさってもの、どんな勉強より大切なものかもしれません。
素敵で大切な授業ですね。
投稿: コガッチ | 2012年5月16日 (水) 18時08分
コガッチさま
ごめんなさい、お返事が遅くなりました。そう、とっても素敵な授業でした。すべての子どもたちがこんな授業を受けられればと思います。今は逆に逆に行っているようで・・・。19日、お会いできますね。楽しみにしています。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年5月19日 (土) 08時12分
河野さん、ごちゃごちゃの実践報告をこんなにも詳しくまとめていただき、感激です!Facebookにシェアさせていただきました。
コガッチさんのコメントにも感激しています。
5年理科でのこの授業は、今回が最後かもしれないという思いで取り組んだもので、自分にとって忘れられないものになりそうです。
ありがとうございました。
コガッチさんにお会いになるのでしたら、よろしくお伝えください。
投稿: 城 | 2012年5月19日 (土) 11時50分
城さま
コメントありがとうございました。びっくりしました。これまで絶えることなく続けてきた城さんの実践が凝縮された、素晴らしい授業でした。私も多いに勉強させて戴きました。こんな授業が少しでも広がるといいのですが・・・。コガッチさんには一昨日会ったのに伝言し忘れました。年です。すみません。今から彼女のコメントの返事を書きますので、そのことも伝えておきます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年5月21日 (月) 10時45分
すごいわかりやすいですわ
投稿: 大府中央図書館 | 2015年1月10日 (土) 15時13分