「8.6ヒロシマ-平和の夕べ-」のご案内⑤
今年の「8.6ヒロシマ平和の夕べ」のトークは広島の被爆者近藤紘子さんにお願いしました。
近藤紘子さんは、広島市の流川教会の谷本清牧師の長女です。彼女は生後8か月の時、爆心地から1.1キロの教会で被爆。建物の下敷きになりながら、お母さんの必死の行動でかろうじて焼死を逃れます。しかし、その後下痢と高熱でこん睡状態となりながらも、懸命の家族の看護で奇蹟的に命を取り留めます。教会があった幟町の町内で生きることができた赤ちゃんは、紘子さんたった一人でした。
谷本清牧師は、戦後広島・ピースセンターの設立、被爆女性のケロイドの治療、原爆孤児の養子縁組、精神養子縁組などに奔走します。その活動は、広島の地において時には売名行為などと中傷されることもありました。谷本牧師亡き後今は被爆者のさまざまな貢献をした人・団体に毎年贈られる「谷本清賞」にその名をとどめています。
近藤紘子さんも戦後、さまざまな波乱に満ちた人生を歩みます。その半生は、この「ヒロシマ、60年の記憶」に詳細に述べられています。
中でも、ABCCでの屈辱に満ちた体験は、彼女を広島から逃れたいという思いにさせます。その思いは、高校は東京に、そして大学はアメリカへと旅立たせます。そのアメリカでのさまざまな体験、とくにパール・バックさんとの交流は、彼女のその後の人生に大きな影響を与えます。
私は、先日来、少しだけですが、養子縁組の話をこのブログてしています。今、私のところで育てられない出産をする女性たちと生まれてくる赤ちゃんのために、やむを得ずではありますが、養子縁組のお世話をしています。その子たちの養子縁組先の半分は国内で、そして半分は海外の主に日系の方たちです。その国際間養子縁組の手続きは近藤紘子さんにして戴いています。
私たちは、NPOでもありませんし、養子縁組をする組織として機能しているわけではありません。ひっそりと、まったく個人的にお世話をしているだけです。しかし、彼女の広い人脈で、彼女を頼って養子を迎えたいという方たちはあとを絶ちません。
私は、高校時代、近藤紘子さんの弟、谷本清牧師の長男と同じクラスでした。そして、彼に誘われて、養護施設に行き、子どもたちと遊んだり、お手伝いをしたりしていました。そのつながりで、紘子さんともそしてお母様ともご縁ができました。国内での養子縁組の場合は、生まれるとすぐに養親になる方に引き取って戴いていますが、海外への養子縁組をするときには、手続きにとても時間がかかります。その間、赤ちゃんを谷本のお母様と紘子さんの妹さん一家や長男の一家にあずかって育てていただいたりしています。
紘子さんは今、兵庫県の教会の牧師さんの妻として忙しくしていますが、みずからも二人の養子を育てていらっしゃいます。原爆孤児の養子縁組に奔走したお父様や、たくさんのベトナム戦争の孤児を引き取って育てていたパールバックさんの教えが彼女の中にしっかりと生き続けています。
以前から親しくしている紘子さんですが、この本を読んで改めて彼女の人生のスケールの大きさに感銘を受けています。驚くこともたくさんありました。パール・バックさんのことは聞いていましたが、あのドイツの緑の党を作り、暗殺されたぺトラ・ケリーと同じ大学の仲良しとして、卒業後も暗殺されるまで、ずっと交流していたことには、本当にびっくりしました。
今、彼女は世界の子どもたちと共に平和を訴える「チルドレン・アズ・ザ・ピースメーカーズ」の国際関係相談役として活躍しています。毎年8.6前後には多くの若者たちがヒロシマ・ナガサキを訪れます、その案内役で大忙しです。その合間を縫ってお話しいただきます。
これまでの被爆者の証言とはまた違った視点でのお話しが伺えることと思います。ご期待下さいね。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
おはようございます。今年の平和の夕べも素晴らしいゲストが満載の魅力的な内容ですね。
ぜひ参加したい! ところですが、残念ながら、平日のしかも月曜日で仕事があるため参加できません。
ああ、本当に残念です・・・・・
この内容を私のfacebookでご紹介させていただいてもいいでしょうか。
そういえば先生もfacebook登録されたのですよね。
先生のような方は友達申請が多すぎて大変なことになったそうですが、私から友達申請してもよろしいでしょうか。
投稿: のぞみ | 2012年5月28日 (月) 08時01分
のぞみさま
コメントありがとうございます。はい、今年も充実した内容をお送りすることができそうです。昨年は参加していただいてうれしかったですが。今年はお仕事、仕方ありませんね。またこの会のご報告をしますので・・・。face book、ぜひご案内してあげて下さいませ。多くの方にこんなこともしているということを知っていただくことはとってもうれしいです。私はface bookに参加しても、まだ何をどうしたらいいのかさっぱりわからないままで機能していません。そのうちに。もちろん、お友達になるのはうれしいです。ありがとうございます。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年5月29日 (火) 07時40分