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中学生の妊娠②

 私のクリニックでのデータで中学生の妊娠の相手は、中学生か社会人。高校生の妊娠の相手は、高校生か社会人となっています。

Photo これは、私のクリニックでの10代の受診者のデータからです。性交のある人の中に妊娠した人がいます。性交の相手の男性の中に妊娠させた人がいます。女性は、中学生、高校生、大学生、社会人ほとんど妊娠率に差はありません。あえて言えば、大学生・専門学校生の妊娠率は少し少なくなっています。でも、男性は、中学生・高校生・大学・専門学校生と段々妊娠させた率が小さくなります。男性がが中学生である場合、その57%が女性を妊娠させていました。ちなみに、男性が社会人の場合、中学生と高校生の間になるのですね。

 言い換えると、中学生の妊娠の半分は、男性も中学生であるということなのですね。まるで子ども同士。子ども同士でも、性交をすると妊娠するということです。そして、多くの親は、自分の子はまだ子どもだから、そんなことはしないと思っているのですね。

 先日の中2の男の子にも言いました。

「彼女は、こうして生みたい言うて泣いてるでしょう。 妊娠したことがうれしくて、喜んで生めるような状況にないときに、妊娠した女性はね、しんどいんよ。あなたは、その彼女になんにも出来んでしょ? なんにも出来んときに妊娠させたらいけんのんよ。それがわかってるか?」

「あなたは、彼女に中絶してほしいといってるけど、そのお金はどうするの? 自分でお金を出すことも出来ん。そんな力もないということだよね。」

 そう話しながらも、私は「ああ、申し訳ない」と思ってしまうのです。彼らは、何も学んでいないのです。女性も、そして相手の男性も、中学生であろうと、社会人であろうと。

「性交は、妊娠する行為である」「性交しても妊娠しないようにする、避妊というのは、大変なことなのだ」と。

 みんな妊娠なんてする訳ないと思っているのですから。妊娠して初めてびっくりするのですから。私が、中学生にも避妊を教えよというのは、このようなデータに基づいてもいます。

 でも、今のカリキュラムでは、中学生には、「性交」は教えてはいけないことになっています。まして、避妊なんてとんでもないことです。「性交」という言葉を使ってはいけないと。使うと、中学生をそそのかすことになるからと。

 彼らは、十分そそのかされています。社会にどれだけ彼らをそそのかす情報が飛び交っていることでしょう。その情報にしっかりそそのかされているからこそ、真正面から情報を与えて、「甘いものではないよ」と伝えたいと思うのです。


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コメント

お久しぶりです。

何故、私たち日本人が忘れてはいけない、東日本大震災、原発事故のあった年にこんなことが次々起きるのか?

絆とは性交のことなのか?
違うだろう?

残念でなりません。

いい加減わかって下さい。

投稿: リラックマ | 2012年1月10日 (火) 19時03分

リラックマさま
お久しぶりです。コメントありがとうございます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2012年1月11日 (水) 07時19分

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