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中学生の妊娠⑳ 手紙(6)

 はじめに彼女からもらった手紙に、私が返事を出し、その後に再び彼女から頂いた手紙です。でも、この中には、あまりにプライベートなことが書かれており、かなりの部分を割愛しなければなりません。本当は、この部分が最も胸を打ち、皆様に読んでいただきたいことなのですが、どうしても本人が特定される恐れがありますので、残念ながら。

『河野美代子先生

 先日は、講師を務めていただきありがとうございました。たくさんの方に聞いていただけたので本当によかったです。次回はもっと参加できる範囲を広げて・・・色々作戦を練ってみます。

 お土産をありがとうございました。さっそく使っています。それと、手紙 ! 本当にありがとうございます。返事がもらえるとは思わず、しかもブログのコメントでも気づかれていたとは。

( ここからがお身内やご自分のことが沢山書かれています。書かれている内容からは、あまりに彼女を巡る状況が厳しく、でもそれに負けないで、強く明るく生き抜いている姿がよく分かりますが、省きます )

 そんな頃に、ふっと河野先生のブログのあのページにたまたま行き着きました。そして、ハワイに養子に行った子どもが自分が養子であると理解している、という内容。

 母が最近になってなにげなく言った「あの時、養子に出さず、わしが育てとったらどうなっとったかの~」って言う言葉を思い出して、もうなんか心の中がパンクしそうなほどいろんな想いがあふれてしまい、泣けて泣けて、コメントせずにいられなくなり、言葉も選ばずに河野先生に思いの丈をぶっつけてしまった次第です。

 先生からの手紙にもあった、子どもが成長して産みの親に会いたいと思っているということ。

 それは、母も私もずっと思ってきたことです。でも、うちらの立場からは会いたいって言ったらいけんよねと何度も話してきました。

 今回手紙をもらって、家族にも相談してみました。みんな口を揃えて、「会いたいって言ってもらえるなら会ってみるといいよ ! 」と。

 ただ、問題はやはり、会いに行く、会いに来てもらう経済力が私にはないことです。問題があるとしたら、ただそれだけです。あと英語ができない。そこが一番大きな問題なのですが・・・。

 この先、もしもそんな機会があったらそのチャンスは逃せないので私の連絡先を書いておきます。

 これから寒い季節です。くれぐれもご自愛ください。
 また、会える日を楽しみにしています。

               ○○○○    

追伸 前回の手紙の中に入れていたMDですが、けっして怪しいものではなく、勝手ながら私の好きな曲をランダムに入れております。これは、( 省きます ) で使用したものでもあります。ドライブ中にでも聴いていただけたらなと思い同封しました。ぜひ聴いてみてください。』

 以上でこの手紙シリーズも終えます。同時に中学生の妊娠シリーズも終えます。ここに書いただけでなく、本当は、まだ沢山のメッセージを中学生には発信しております。話す機会を与えられる限り、話し続けたいと思っています。

 決して面白いことでもなく、重い内容を読んでいただいてありがとうございました。

 まだ現場では、ますます中学生の妊娠と、性感染症が続いています。ある少女は中絶をしました。ある少女は生むことを選択しています。どんな選択をしても、私がかかわることができる範囲で、支え続けたいと思っています。


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中学生の妊娠⑲ 手紙(5)

 昨日のブログへのコメントの続きです。


『お腹は大きくなり、ポコポコ動き始め、心配してくれた養護教員のおかげで先生と出会いました。その頃の私は妊娠してるだろうけど違うかもしれない。でも妊娠していてもその相手も高校生…死ぬしかない。嫌われたくない。でも妊娠しているなら親にも捨てられる、死ぬしかない。そんなことしか毎日考えられませんでした。

 先生と出会い、親も同意して特別養子縁組をすることを前提に子どもを産むことに。

 あの頃はその別れの辛ささえきっとわかってなかったと思います。

 でもあの頃はあの頃の精一杯で、検査で妊娠していることを自覚しました。とにかく無事に出産すること、母子手帳をとりにいったらやたらと根ほり葉ほり聞いてきた窓口の人に河野先生がキレたこと、同じように腹をくくった母が世間から私をかばってくれたこと、栄養のある妊婦食を作ってくれたこと、紹介された病院に入院しても、なにも知らない私の姉妹がいる母に来てもらえず、独りで2日に渡る陣痛に耐え看護師さんに腹を押さえられながら出産したこと、裂けた皮を縫うこと、事情を知る看護師さんに、子どもに情が移るからと赤ちゃんに会わせてもらえなかったこと、同じ理由で同じ病棟のママさんにも会わせてもらえなかったこと(これはすべて私のために皆さんが配慮してくれたこと)、お見舞いにきてくれた河野先生が、中学生の出産に、看護師さんが珍しい者をみるような対応をして腹をたて看護師さんにガーッと怒ったこと、夜中にどうしても赤ちゃんを見たくて、新生児室に行き、宿直の看護師さんに事情を話し、看護師さんが泣きながら内緒で赤ちゃんを抱いてきてくれたこと、子どもを一目見て、自分のしたことの重さに押しつぶされ、抱くことさえできない辛さに襲われ、「いいです、もういいです」と泣くことしかできなかったこと

…私は、産むことが正しいとはいえません。養子に出さないまでも祖父母が世間に知られないよう育てる現状もみてきました。

 それだけ子どもを産む、子どもを宿すことにもっともっと重要視してもらいたい。
その選択は親や彼でもなく自分なんだな…。知識を深めちゃんと自分の体を知ってほしい。


 私はこのブログをみて、今の生活を振り返り、申し訳なかったという謝罪とともに、生きていてくれて本当に本当に本当にありがとうと、今になり、子を宿す、産む、育てるという重大さに心から気づきました。。

 私の母も本当は簡単に答えを出したわけではなく、まだ見ぬ子どもよりも私の将来をすごくすごくすごくすごく考えて出したこと。

 母とは私が産んだ子どもが今年は何才だねって毎年2人で話して来ました。

 河野先生こういう活動してくれていて、私が産むことしかできなかった子どもを大切にしてくれて、本当にありがとうございます。 』

2012_01290083 昨日は、午後、尾道・のぞみの会で講演をしました。いつもの慣れた「性教育」の話ではなく、「更年期障害と婦人科のがん」というタイトルでしたが、前半の更年期障害の方に時間をかけ過ぎて、癌についての話が短くなってしまいました。一応、資料としてスライド原稿を配って頂きましたので、少しはお役に立っていただけるかと思います。のぞみの会は、乳がん患者さんの会です。浜中先生をはじめとして、沢山方たちが、とても明るく、前向きに病気と向き合っていらっしゃいます。のぞみの会に参加するたびに、すごいなあ!!と感嘆しています。その後、尾道の和食屋さんで、とってもおいしい食事をご馳走になりました。おしゃべりも楽しかったです。浜中先生、皆様、ありがとうございました。


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中学生の妊娠⑱ 手紙(4)

 ○○○○さんが、私のブログを読んでコメントをくれた、その時のブログの記事の一部と、彼女からのコメントです。私が参加したシンポジウムのことについて書いています。


『虐待などで失われるかも知れない命を救いたいと設置された「こうのとりのゆりかご」でしたが、設置から三年。57組の大人がここを利用しました。中でも、児童相談所の方の発表が胸に響きます。レジュメから。

「社会調査の結果判明した利用者は私たちが当初考えていた人ではなかった。社会的地位もあり子どもを指導する立場の人、福祉の現場で働く人、祖父母、家族や病院が支えていた人、女性に電車の切符を渡しゆりかごに入れるように指示した男性、子どもの障害を受け入れられない人など、様々だった」
「こうのとりのゆりかご」は、親が名乗らずに子を手放すことを可能にする前提で作られたものである。こどもは親が誰なのか、なぜ自分は遺棄されたのか知ることが出来ず、私たちも答えることができない。そんなこどもたちは成長する過程で様々な壁にあたり悩んでいく」

 シンポジウムでは、匿名性に焦点が当てられて論議しました。ただ、私は自身、養子縁組のお世話をして来たその体験をも話しました。

「ハワイに行ったとき、養子縁組でハワイに行った子とその養親たちがパーティーを開いてくれました。その時、14歳の中学生が生んだ女の子が、私はね、広島で生まれたの。でも、お母さんが若くて、私を育てられなかったから、ハワイに来たの。と、みんな自分がなぜハワイに来たかを聞いて育っていました。」

「もちろん、育てられない出産をしなければならなくなった時、その事実は、誰にも知られないように、それは私の大切な仕事です。そのためには、何でもする、戸籍の移動から、住民票の移動、そしてちゃんと母子手帳も取って出生届も出す。戸籍は、養子縁組がすんだ後で、移動することによって出産の事実を消すことも出来ます。」
等と、話をしました。

 でも、なぜそのような育てられない出産をするところに女性が追い込まれていくのか、そこの所の話がなかなか出来ません。やっと、私は、教育の問題をわずかに話しました。でも避妊の話、すべての若者がちゃんと避妊を学ぶことの大切さを具体的に話すことができませんでした。痛恨の極みです。』

『きっと先生のお話にあった14歳だった者です。
今は30代になりました。
私は自分の経験を通して…

 どんな言葉も浮かびませんが、ただ今唯一言えることはハワイでもどこでもあの子が生きているということがわかって私にとってこれ以上に嬉しいことはありません。

 中絶できる時間を過ぎ…いや、むしろ自分が産むという自覚や育てるという覚悟、それすらもわからないまま行為をし、好きな人に嫌われたくない、まさか自分が妊娠するわけない、それ以前に家に居場所がなかった私はその人とつながることが大切で、避妊してって言って断られたら・冷められたら自分の居場所がなくなることの方が重大で避妊は二も三も次でした。』
 
 コメントはまだまだ続きます。少し長くなりますので、明日に続きを載せます。

2012_01290005 今、合宿中です。これからまた会議です。久々に海を見て、ほっとしています。


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中学生の妊娠⑰ 手紙(3)

○○○○さま

 お手紙有難うございました。ありきたりですが、びっくりして、そしてとってもうれしかったです。
 
 まさか、あのときに私に講演を頼みに来たのがあなただったなんて。どうして気づいてあげられなかったのかと悔やみました。私、お名前、聞いたっけ。聞いたら、必ずわかったはずなのだけれど。お手紙の封筒の名前を見て、本当にびっくりして、何がなにやら分からなかったのですよ。どうしてあなたの名前がここにあるのだろう、って。

 一度、私のブログにコメントを入れてくださいましたね。あのときは本当だろうか、まさか、と半信半疑になりながらも、内容から、そうに違いないと確信しました。

 私は、以前ハワイで彼女に会いました。その彼女だけでなく、彼女の両親も、そしておばあちゃんも、みんながとても彼女を愛して、みんなが幸せになっていました。そのとき、私はあなたが彼女を生んでくれたおかげで、どれだけの人を幸せにしたんだろうと思いました。

 あなたは、それこそ表現しきれないほどつらい思いをしたことと思います。でも、決して悪いことをしたわけではない、あなたが苦しんだおかげで、一人の赤ちゃんが死ななくてすんだのだし、そしてそれは何人もの人を幸せにしたのでした。あなたはみんなにすごーく感謝されているのだと、そう伝えたいと思いました。

 今、今回の講演でも最後に話すと思いますが、養子として幸せに育ててもらった、成長した子どもたちが実の親に会いたがるような年齢になってきました。無理をしないで、生んでくれたお母さんが会いたいといえば会ってもらうし、会いたくないということであれば、それはちゃんとお話しして納得してくれます。
でも、みんな自分を生んでくれた母親にとても感謝しています。そして、自分はこんなに幸せに育っている、生んでくれて有難うと言いたいといいます。

 私が今回とてもうれしかったのは、あなたがとてもしっかりと生きているということが分かったからです。そして、なんと私の講演を企画して下さった!!こんなにうれしいことはありません。近藤紘子さんに話して、二人で泣きましたよ。ほんとうに有難うございました。

 また、いつかゆっくりお話ししたいですね。いろんなことを。

 私のブログを読んで下さっていますでしょうか。韓国が好きで、せっせと行っています。韓国で買ってきたものです。
今回のうれしいお手紙を頂いたこ心からのお礼です。ごちゃごちゃといろいろだけれど。子どもだましみたいで申し訳ありません。どうぞ、笑って使って下さい。

 それでは、この度の私の講演、聴いてみて下さいね。あの頃よりも、今の子どもたちが置かれている状況はもっともっとひどくなっていると思います。心痛むことが多い毎日です。

本当に有難うございました。

2011年○月○日

                            河野美代子


Img263 明日の午後の尾道での講演会のご案内もう一度。講演の準備のスライド作りをしました。乳がんの方でなくとも楽しめるように、いろいろと盛りだくさんの用意をしています。どうぞ、いらっして下さいね。

 私は今日の夜は、今年の8.6.の平和集会のための合宿です。明日の昼前には失礼して、尾道に向かいます。


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中学生の妊娠⑯ 手紙(2)

 子どものことは、きれいごとに聞こえるかましれませんが、本当に考えない日はなかったです。

 いろんな意味でその現実はとても私の心の支えになったし、そして私の誰にも知られたくない大きな秘密でもありました。学生の頃は修学旅行などでみんなとお風呂に入るとき、出産を経験した私の胸やお腹は明らかにほかの人とは違っていて、人に体を見られるのが本当にいやでした。否が応でも自分のしたことに向き合わざるを得ない瞬間でもありました。

 子どもたちに関わってその親に意見させてもらったとき「子どもを産んでない人には分からん!」といわれて「産んだことだけはあります」とも言えず、まぁ育てたことはないですし・・・ね。

 結婚するときの戸籍の移動の時の先生からの手紙で、「ハワイで元気にスクスクと育っているよ。何も心配しなくてもいい。今度はあなたが幸せになる番」という言葉をもらい、それまで私自身が「産まれたときから養子というリスクを負わせてしまった。不幸を背負わせてしまった」という申し訳なさだけしかありませんでしたが、養子縁組は決して悲惨なできごとではなく、そうやって望まれて産まれた子どもなんだ、幸せに大切にされて育っているんだ、産んでよかった。本当に無事に産めてよかった。

 今ならばもっとあの子が産まれた瞬間を心の底から喜んであげられるのに。と思えて、だからこそあの時の自分を改めて後悔し猛省しました。やっとそこに向き合えたのが26歳の時です。

 結婚相手には子どものことは話せませんでした。子どもはできませんでした。不妊治療中の夫の浮気、その後離婚。

 現在34歳独身。という今の状況の中で私は生きています。きっとこの先も私は赤ちゃんと縁が繋がらないかもしれません。

 いろんな偶然の組み合わせの中で、「もしもあの時」「河野先生と出会えなかったら」私の人生はとても大きく最悪なほうに変わっていただろう。どう考えても、そのことだけは明らかです。

 私自身が生き直すために与えてもらった選択肢であったこと、だからこそ望まない妊娠を防ぐこと、知ること、伝えることが大切だと切実に思います。

 14歳の私に関わってくださって本当にありがとうございました。近藤紘子さんにもよろしくお伝えください。

                          ○○○○

  明日は私からの返事を掲載します。


 2012_012600032012_01260002  昨日は、今年度最後の宝塚の中学生への講演でした。今年は四校でお話しさせて頂きました。子どもたちとの出会いに感謝です。

 その後、宝塚の中川市長と友人たちとの食事会にずうずうしく私もついていきました。なんと、ふぐ。宝塚の人たちと、とても楽しく食べ、おしゃべりもしました。ここでも出会いに感謝です。帰りは最終の新幹線。それも雪で遅れて、家に帰ったのは、ほぼ一時でした。楽しい一日でした。


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中学生の妊娠⑮ 手紙(1)

河野美代子先生

 この度は、講演でお世話になります。

 早いもので、私が14歳で出産をしてから今年で20年が経ちます。今でも、毎日のようにあの子のことを考えたりしますが、私なりの人生も一生懸命歩んでいます。

 18歳で市の嘱託職員となり通算16年目を迎える古株になりました。(正規の職員ではないので貧乏のままですが。)

 毎年行っているこの「公開講座」の企画を任され、ずっと河野先生を呼びたいと思っていました。でも、何だか、躊躇する自分もいて、なかなか実現させることが出来ませんでした。

 テレビで先生を拝見したり、挨拶程度ですが会う機会もありました。そのたびに、なんともいえない切なさが湧いていました。きっと今回もそうだと思います。

 でも、○月の隣の市の講演をそっと聞きに行き、生む性と生ませる性の責任について、女性がもっともっと自分の体を大切にできて、コミュニケーションの大切さを理解してもらいたい、これは、やはり先生から習うべきだなと思い、その日のうちに講演をお願いしにいった次第です。受けて下さって本当にありがとうございます。

 今回、この様な手紙を添えたのは、私がスタッフとしていることで、話しにくいと感じてもらいたくなかったから(もっとも、そんなことを気にしていたら各地で講演なんてできてないでしょうが)。

 それと、事務連絡とは別に、先生にお世話になった者として、あのとき先生に会って、誰にも話せず思いつめて(軽々しく言葉にしたくはありませんが)自分が死ぬか生んで殺すしか考えられなかった私に、2人共が生きていくという選択肢を与えていただいたおかげで、今私は生きていて、がんばれていますと伝え心からのお礼を言いたかったからです。「もしもあの時」と考えても前に進むしかないのが人生なのだと、様々な思いを経て35歳を目前に先生と対峙?できるのが今は楽しみで仕方ありません。当日は、ゆっくり話す時間もないと思うので、こうして一方的ですが手紙にしてみました。

 子どものことは、きれい事にきこえるかもしれませんが、本当に考えない日はなかったです。

(この手紙はもっともっと長く続きます。私からの返事も含めて、何日か掲載します。本人には、彼女が特定されないように、特定されそうな部分は割愛してブログに載せたい旨、お話ししました。彼女は、きっと先生が日々書いていることが大げさなと捉えている人もいるでしょう。そうではなく、私がまさにその通りだったのだと言いたいのだけれど、なかなか言える立場にないので。どうぞ、これを載せて下さいと、喜んで提供する旨の返事がありました。私があれこれ言うよりも、この手紙の方がはるかに重みがあると思います。しばらくお付き合いください。)

 今日も私は、日帰りで宝塚の中学生に話しに行きます。

2012_01220020 昨日の同じお店の、やはりお野菜がたっぷり、トマトだらけのパスタです。


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娘と江夏。(昔のカープの思い出)

 中学生の妊娠について、実は、もっとも書きたいことがあります。それについてもう少し時間がかかりますので、その内にまた再開します。

 今日は他の話。先日東京に行ったときにカープのカレンダー持っていきました。いろいろと頂いて沢山になったので、子どもたちにひとつずつ渡そうと。そして食事をしながらカープの話しになりました。

  私は、子どもたちが小さいときに、せっせとカープを見に球場に連れて行きました。子どもが小さいうちは、球場というのはとてもいいところです。声を上げようが、走り回ろうが、大泣きしようが、ぜんぜん平気です。はさみを使う練習は、広告のチラシを切ること。沢山の紙ふぶき作って、袋に入れて持って行きました。まだその頃は、紙ふぶきをまいても大丈夫だったのです。その頃にあった「カープ子ども友の会」にも入れました。そうして、立派なカープファンが出来上がりました。

 そんな話しをしていたとき、娘が「私、江夏にね、話しかけられて号泣したけんね。」と言います。うん?そうだっけ?娘が話すに連れて、そう、すっかり忘れていたのを思い出しました。

 娘の話です。まだ保育園に通っていた小さいとき。江夏が広島にいた時を調べてみると、娘が三歳か四歳のときです。()内は私です。

 ライトに座ってた時ね、一人でブラブラ歩いていてね、内野との境に行ったら、江夏がおったんよ。押さえは江夏というとき。練習してたんよね。(フンフン、ブルペンじゃね。そこで投球練習しよったんじゃ。)「わあ、江夏じゃ。」思うて、金網にへばりついて、顔をくっつけて、江夏が投げるのを見とったんよ。そしたら、江夏がこっちに向かって歩いて来たんよ。それでね、

「お嬢ちゃん、かわいいね。年、いくつ?」言うたんよ。もう、恐ろしくてね、だって、あんな大きな男が近づいてきただけでもこわいのに。話しかけたんじゃもん。「わあー」っ言うておお泣きしてね、ママのところに走って行ったんよ。ママがびっくりしてね、どうしたん、言うけん。

「エナツガ、エナツガ」「お嬢ちゃん、かわいいね、言うた!! わあーん」て大泣きしたん。(そうだった。それで私も思い出しました。)そしたらね、ママが笑ってね、手つないで江夏のところに連れて行ってくれたん。

 そう、私はブルペンの江夏に「すみませんでした。娘がびっくりしたようで」と言いました。「怖かったそうで」とはいえません。そしたら、江夏も近づいてきて、「すみませんでした」と言いました。小さな女の子に大泣きされて、それはびっくりされたことでしょう。申し訳なくって。私、あやまりに行ってよかったと思いました。

 それだけの話しです。でも、「あんたね、もう、江夏いうたら、歴史に残るすごい人なんよね。その人にかわいいね、言われたいうことは、これもすごいことよ。」と言いながら、もう、おかしくって。

 私、そのときから、何回も思い出しては笑っています。子育てを終えるというのは、こんなエピソードを思い出しながら幸せな気分を味わうことなんだと思っています。

2012_01220022 2012_01220023 そんな話しをした汐留のカレッタの中のイタリアンレストラン、「ラ・ベファーナ」。壁に野菜畑があるところのパスタとデザートのエクレアです。沢山食べた中の二つだけアップしますね。野菜がすごいたっぷりで、パスタが見えないくらい。デザートにまで野菜が入っていました。おいしかったし楽しかったです。


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中学生の妊娠⑭

 中学生の来院、実は、毎日あります。同時進行で彼女たちのことを話すことはできませんが、やはりあまりに無防備なところにおかれているといわざるを得ません。

 私が中学生に話すとき、なんといっても相手は中学生です。分かりやすく、抽象論ではなく、具体的に。

 「女性の皆さん、将来皆さんに好きな人が出来たとき、そしてその人と一対一のお付き合いが始まったとする。好きな人とお付き合いが出来るというのは、本当に大きな喜びで、世界が輝きますよ。そして、そのお付き合いが続くと、と言っても、今の若い人は、それがとても短くて、まるで付き合うということはセックスもすること、見たいに捉えられていて、疲れてしまうのだけれど。付き合いが進んでいくと、きっといつか彼に求められるときが来ますよ。君を抱きたいって。

 今、大人たちは若くて性行動を取る人は、一部の家庭的に恵まれない寂しい子、または不特定多数と、薬物を伴ったり、援助交際だったりと、まるで一部のツッパリさんがすることと捕らえています。そういう子もいるけれど、それはそれで私から見たら、かさかさの砂漠の中で一滴の水を求めてさまよっている、つかの間のふれあいを求めて、そして、そのためにさらに傷ついていくような痛々しい子なのだけれど、そんな子は全体の一パーセントにもなりません。

 では、どうして若者が行動を取っているかというと、それはやっぱり恋愛なのですね。私から見たら、甘いなあと思うのだけれど、彼ら、彼女たちなりに恋愛関係の中での性だといえるでしょう。その恋愛関係の中での性、いざ、好きな人と一対一で向き合ったときの性は、これだけ女が積極的になった、強くなったといわれても、やはり彼が求め、彼女が応じていくというパターンをとっています。

 もし、君を抱きたいと迫られたら、女性の皆さん、自分で自分に問いなさい、私は今、ここで妊娠してもいいのか、したら産めるのか、育てられるのか、学校に言っていたら、学校はどうなるのかと。本気で考えなさい、行動取る前に。後で考えたのでは遅いのです、その前に。そして、もしダメだと思ったら、それを口に出しなさい。少なくとも、妊娠は困るくらいは言わなければいけない。

 それが言えないのですって、好きな人には。言えなかった、言えなかったといいますよ。言えなかったのではすまないのです。自分のことなんだから。自分の体のことなんだから。言いたいことも言わないで、黙って彼の言いなりになるのがかわいい女、いい女とおもったら大間違い。これからの女性はね、自分の頭で考え、自分の言葉で語る、自分自身をはっきり主張しなさい、好きな人の前でこそ、自己主張しなさい。そうして、初めて彼と話しあいながらのいい関係が出来るでしょう。

 男性の皆さん、いつか好きな人が出来て、彼女とお付き合いが進んでいくと、彼女を抱きたいと思う時がくるかも知れない。そのときには、男性の皆さんは彼女の体を考えなさい。結果が起こるのは、彼女なんだから。彼女は今、妊娠してもいいのか、したら産めるのか、育てられるのか、もし彼女が学校に通っていたら、学校はどうするのか。それに対して自分はどう関わっていけるのか。

 それを本気で考えなさい。行動取る前に。後で考えたのでは遅いのです。もし、ダメだと思ったら、彼女の体に対して責任が取れる行動を取りなさい。

 要するに、身ごもる性を持っている女は自分の体に責任を持て、身ごもらせる性を持っている男は、女の体、彼女の体に責任を持て、それが性の関係を考える原則なのです。それが言いたくて、私は「さらば悲しみの性」も書いたのです。」

 私は、女の味方をしすぎるという批判があります。でも、この性の関係を考える上での大原則、それは「女のみが身ごもる」という、おそらく未来永劫、変わらないであろう科学的事実から来る原則なのですね。

 そろそろこのシリーズも終わります。いろいろなコメントありがとうございます。今、記事書くのに精一杯で、お返事を書いていません。一息ついたら、必ずお返事書きますので、ごめんなさい。

2012_01220025 先日の東京で、会議の後、息子たち夫婦と娘と食事をしました。会議のあった場所のすぐそば、新橋の汐留のレストランには、野菜畑が作ってありました。そこから野菜を収穫してすぐに調理してくれます。ビルの中の、壁に張り付いた畑です。



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中学生の妊娠⑬

 中絶について述べます。これまでも、中絶についてこのブログに書くと、最も批判が大きく寄せられます。でも、どうしてもこれを避けることは出来ません。

 教育現場では、「中絶は殺人だ」というのはけっこういわれてるのです。赤ちゃんの命を奪うことだって。そうして脅すことによって、若者の性行動を抑えてやろうと思っているのですね。まるで若者は「中絶があるから性行動をしている」と思っていらっしゃるのでしょう。でも、これは効果はありません。脅すことによって若者の性行動は抑えられません。

 中絶で脅すことによって起こるのは、堕ろせなくなる子が出てくるだけです。だって、これまで言いましたように、若者の行動っていうのが、妊娠と結びついていないのです。自分が妊娠するとは思っていないのです。結びついていないのに、中絶だけを禁止してもね。

 これだけ簡単に妊娠はするものなんだという自覚がないままに行動し、そして、いざ妊娠してしまったら「赤ちゃんを殺すのは嫌~!」になってしまうのです。もう、若い子は、みんなみんな「産む産む」って言います。中学生の妊娠なんて100%「産む」って言います。

 産んで育てるだけの力があるか?っていうことを、きっちり私は聞いていきますけれども。

 中絶は殺人だと散々脅しておいて、そしていざ妊娠したとなると、今度は「おろせおろせ」になるわけですね。もう、彼女たちはボロボロに傷ついてしまっています。

 私は中絶っていうのは、産んでも育てられない妊娠をしてしまった女性の唯一最大の救済策としてあるんだということをちゃんと提示してあげたいなと思います。
 
 もちろん、あんなものしないにこしたことはありません。辛いから。でも大事なのは、やはりそこから早く立ち直るということ。もう中絶をしたらそれでその子の人生が全てダメになってしまうわけでは決してないのです。早く立ち直って強く生きていくこと。その為には何が必要なんだろうかっていう後のケアです。

 立ち直りのために大切なのは「2度と繰り返さない」ということだと思います。彼とのこれまでの関係の見直し。彼とは、これからも付き合うのか別れるのか、付き合いを続けるのだったら、セックスは?これからもするのかどうか。もし、これからもするのであれば、では、避妊は?これまでの避妊の何がいけなかったのか、これからはどうするのか。それを丁寧に。

 私たちだって、中絶は、好きでも何でもないです。しなければそれに越したことはないのです。でも、私たちが「これで中絶お終いです。もう私たち2度と中絶はしません」って道具を捨てることが出来るときが来たとしたら、そのときは、望まない妊娠をする女がいなくなったとき、望まない妊娠をさせる男がいなくなったとき、そのときこそ私たちは本当に心からの笑顔で、人工中絶終了宣言をすることができるであろう。そう考えています。

 ついでながら。全国の人工妊娠中絶率。人工1000対です。10代7.6。20~24歳16.3。25~29歳13.8。30~34歳11.2。35~39歳9.1。40~44歳4.1。45~49歳0.4(2008年厚生労働省統計)。35歳から39歳までの方が10代の中絶よりも多いのですね。多いのは、大人であるということがお分かりいただけるでしょうか。


2012_01130004先日姉と甥と一緒に行った廿日市の「地御前」。予約なしでいきなり行ったのですが、少し待つだけで入れて頂きました。海を見ながらの食事、とてもおいしくて、お値段もリーズナブルで、素敵でした。海、いいですね。お料理もそのうち、アップします。



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中学生の妊娠⑫

 そもそも、よく知らない人と、密室で二人っきりになるというのは、命を危機にさらすことでもあります。声を上げたって聞こえやしない、逃げようと思ったって逃げられはしません。やさしそうな人だと思ってついていったら、相手がガラリと変わって、いきなり殴られたとか、講演では話せても、ここに公にすることをはばかられるようなひどいことをされてしまったという人もいます。

 そんな相手に「避妊をして」とか、「コンドームをちゃんと使って」なんて言える状況ではないでしょうね。だから、妊娠してしまっても、知らん振りというのは、当然かも知れません。

 妊娠だけでなく、今、私のところで治療をしている15歳の高校生の少女は、サイトで知り合った人とのセックスで、ひどいヘルペスにかかってしまいました。それからしばらくして今度は異なる人からクラミジアをうつされました。その後、今度はトリコモナスです。

 この時点で彼女ははっきり目が覚めたといいます。もうこりごりと。

 あまりに無防備であると言わざるを得ません。こんなことを彼女は誰にも教えられていません。こんなことをする子は特別な子であろうとか、家庭的に問題のある一部のツッパリさんだろうとか言われるかも知れません。そうではなく、誰でもがこんな行動を取る可能性があるということです。彼女だって、両親そろったサラリーマンの家庭の子で、県立の高校にちゃんと通っているのですね。

 きっと親が知ったら、ひっくり返るほどびっくりされるし、嘆かれることでしょう。親子さんに伝えたいと思うこともあります。もし、保護者の方が聞きに来られると、私は正直にお伝えするでしょう。でも、こちらから積極的にそうすることはできません。

 さらに。今、風俗の世界にあっという間に入り込んでしまう子を沢山見て、私は胸がふさがりそうです。それも、ちゃんとお店があるわけでなく、出張ヘルス、デリヘルですね。これは、本当にいろいろな若い人が入っています。大学生、専門学校生、それに上場企業に勤める女性でも。

 それも密室に二人っきりになるというとても危険なところに身を置いているということです。私、ある事件で、警察の方に協力したことがあります。被害にあった女性の写真を沢山見て、アドバイスをしました。そのときの若い女性の無残な姿を見て、彼女はこんなことを少しでも予想しただろうか、と思いました。そんな危険なことをしているのだということを自覚しただろうかと。彼女の姿が哀れで、かわいそうで。

 それに、たとえ危ない目にあわなかったとしても、気がついたら、暴力団の手の中にがんじがらめになってしまったという女性にも出会っています。

 こんな風俗のことも含めて、本当は若い人に話しをしたいのですが。これらは、高校生や大学生には話しています。でも、中学生には無理ですね。

 やはり、相手に対してすべての警戒心も解き放って、こころから望んで、裸の心と心で向き合える性でこそ、と思うのです。

 私は今、東京です。昨夜、ゆれる飛行機で、いやになりながら来ました。夜遅く、娘たちと赤坂のおすし屋さんで食事をしました。素晴らしくおいしいお店でした。これは、またアップしますね。これから会議です。

Img261

性教協広島サークルの冬季セミナーのご案内です。久々に村瀬先生とご一緒できるのがとてもうれしいです。多くの皆様とお会いできるとうれしいです。ブログでは伝えられないことをお話しできると思います。


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中学生の妊娠⑪

 私の尊敬する浜中和子先生も会長をなさっている「のぞみの会」の講演会のご案内です。もたもたしているうちに、明日と来週になってしまいました。遅くなってすみません。どなたでも参加できますのでね。まだ次々と講演のご案内もあるのですが、シリーズを書いていますので、少しずつ、順繰りにご案内しますね。

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 さて、シリーズです。

 私が、性というのは、とても素敵なことだというと、そら、そそのかしているではないか、と思われるかも知れませんが。いろいろと話した後の最後の頃、「素敵な性ってなんでしょうね」と話しかけます。

 少なくとも、「びくびくしながらの性」「何かを恐れながらの性」「後ろめたさのある性」って絶対にいいものにはならないよ。「妊娠したらどうしよう」、「誰かにばれないかしら」、「親に知られたらどうしよう」って。

 それから、「この人はどんな人なんだろう」って、警戒心を持ちながらの性。これは、出会い系サイトの性に見られるものです。これは、どうしても最後に皆さんに話しておかなければなりません。皆さんはまだ中学生だから、携帯は持っていないかも知れません。でも、ほとんどの人が高校生になると、持つでしょうね。携帯を持つと、出会い系サイトの情報がどんどん入ってきますよ。

 このごろは、フィルターがかけられているから、そのフィルターをすり抜けるようにして入ってきますけど、今、それに代わるのもとして「掲示板」がとても危ないの。「ゲームの掲示板」とか、「学校掲示板」とか、「学校の裏掲示板」とか。あのね、自分のアドレスを公にするということは、これは、メールの交換だけでは終わりませんよ。これは、「会おう」ということに繋がります。そして、会う目的は?これはもう、はっきりいいますね。目的は「セックス」です。セックスが目的です。

 私のところでは、出会い系や掲示板での被害にあった人が沢山出ています。一番多いのは、やっぱり「妊娠」ですね。妊娠を相手に告げたとたん、携帯を変えられて連絡も出来なくなって、中絶をしたくとも、お金の相談どころか、相手に同意書を書いてもらえなくって、途方にくれるという、そういう人ですね。

 若い人の中にはね、「会ってもいいじゃん。会ってみて、感じよかったら、まあ、ご飯ぐらいおごってもらってもいいかね。カラオケくらい行ってもいいかね。」言っておくけど、カラオケも密室ですよ。私のところでは、最近、カラオケでレイプされた人が二人続いていますよ。「まあ、ホテルに一回くらい行ってもいいか。感じ悪かったら、黙って帰ったらいいんよね。」

なんていう人がいます。「感じよかったら、悪かったら」って、君たちは、会っただけで人を判断できるほど成熟してはいませんよ。皆さんはまだ未熟です。私くらいの年になってやっと患者さんと話していて、「ああ、この人はいろいな社会を背負っているなあ」と何となく分かってきているのに、それでも時にはだまされることだってあるのに。

 この項、まだ続きます。

 私は、今日は診療後東京です。寒いし、きっと雨だろう、暖かくしてすべらない靴でと、娘が言って来ました。それよりも飛行機が揺れるでしょうね。それがイヤだなあ。


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中学生の妊娠⑩

 私が大学病院から土谷病院に移って、十代の少女、主に高校生の受診が多いことに大変驚きました。その時の来院少女たちとのいろいろを書いたのが、「さらば悲しみの性」です。写真家の「英伸三さんに赤ちゃんが生まれるところを撮影して頂き、その写真を巻頭に入れた本は、大変な評判を呼びました。

 様々なマスコミにも取り上げられ、本も次々と増刷されました。今、その本は絶版とし、代わりにリライトして集英社から文庫として出版されています。その頃には「援助交際」という言葉も、「エイズ」もありませんでした。それもリライトした理由でもあります。

 その時代、土谷病院時代と今、実態は変わらずというよりも、そのまま年齢だけが低いほうにスライドしているといっていいでしょうか。その土谷病院を退職し、私のクリニックを開業して以来10年のデータをまとめ、発表して来ました。このシリーズ「中学生の妊娠」の②に掲載した、10代の少女たちの性と妊娠の相手の統計は、そのデータの一部です。その元になった、データを示します。初診時10代の少女たちのそれまでの職業別性交の有無と、相手の男性の職業別内訳です。

 私は、若者の性というと女の子のことばかりが取り上げられるのが不満です。もっとも、女性が妊娠、出産を引き受けるということがあるからかも知れませんが。「相手の男性をちゃんとみなければ」というのが私の持論なので、相手についてもわかる範囲で調べています。

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 私が開業して以来10年のデータですので、もうこれは今から10年以上前までのデータで、古くなっています。でも、新たなデータを出すことはもう出来ません。大変な作業でした。一人ひとりのカルテを引っ張り出し、データを記載し、それをパソコンに打ち込むという、一年がかりの気の遠くなる作業です。もう少し私が若かったから出来たことです。

 今、新たに開業している方のほぼすべては、「電子カルテ」なので、統計を取るのも、きわめて簡単でしょうね。でも、私はいまさら電子カルテにするのも・・・と、まだ紙のカルテですので・・・。

 これらのデータを見ていただいただけでも、義務教育の段階で、しっかり教えることがどれだけ必要であるか、わかって頂けるかと思います。(これらの詳しいデータは、私の著書の中に記載しています) 社会には、性に関して、面白そうな、それも性感染症や妊娠や避妊などをすっ飛ばした情報が満開になります。それらに触れることで、性意識も掲載されるのですね。

 さて、このシリーズも、まだ中絶や出会い系サイト、風俗など語らなければならないことが残っています。これまでもこれらを書くと、風当たりがとても強いです。でも、私の意見として聞いていただければと思うので、ここでも書いておきたいと思います。もう少しお付き合い下さいね。


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中学生の妊娠⑨

 二日お休みしましたが、中学生の妊娠のシリーズを再開します。

 現場では、妊娠した中学生の状況はそれぞれ進行しています。それぞれの少女と保護者の方たちは、しんどい中で、懸命に方向を見出そうとしています。その姿に接し、いくらかのアドバイスをしながらも、やっぱりこうなる前に伝えておかなければ、と思います。

 社会では、「そんなことをする本人が悪い。そもそも中学生がセックスをすること自体が問題なのだ」と冷たく言ってしまっていますが、それなら、なぜ悪いのか、なぜしないほうがいいのか、それをちゃんと伝えなければ、と思います。それをどう伝えるか、それに悪戦苦闘しているのが、私の姿でもあります。

 でも、今の社会は、本人が悪いといいいながらも、それを伝えることすらしていません。伝えることが悪とされているからです。「伝えるとそそのかす」と。もう、いい加減、大人たちがめを覚ましなさいと思います。民主党になって、文科省が少しは変わるかと思えば、さっぱりです。(と、また、私の愚痴です。まったく、愚痴のひとつも言いたくなります)。

 さて、中学生に話すとき、まず大学病院時代に接したがん患者さんの話、「生きたい、生き続けたい、でも、病のためにその命を奪われていく、その患者さんたちと家族の方たちの話から入ります。性教育とは、命の教育です。命を考えるには、私は「生と死」だと思っています。その「死」から入ります。

 婦人科ですから、患者さんはみんな女性です。そのほとんどの方は家庭の主婦であり、母親です。一家の中で、どなたが病に倒れても、大変だけれど。それでも特に一家のお母さんが病気になって、そして亡くなってしまうかも知れないということになったとき、そのご本人と家族の方たちの話しをします。どれだけご本人が残していく子どもたちのことを考えて、闘ってきたかということを。

 そして、がん患者さんと家族の方たちの姿から多くのことを学んだ後、土谷病院に移ってからは、今度は多くの若者たちに出会いました。その若者たちに接して思うこと。

 私は、はっきりと「君たちは無知だ」と言います。特に三年生にもなると、もうすでにいろいろな情報に接して、沢山のことを知っているように思っているでしょう。何もこの寒いのに(暑いのに)、それに受験前の忙しいときに、こんな所に集められて、二時間も話しを聞かされなくったって、「もう知ってるよ」と思っているだろうと、それは私もわかっています。それでも、私は君たちは無知だと言うね。そして、性というのは、「知識はなくっても、間違った知識を持っていても行動は取れる」やっかいなものでもあります。むしろ、知らないからこそ、行動は取れる、知れば知るほど慎重になるものなのだけれど。どこがどう無知なのかは、後で言いますね。

 では、なぜ無知なのか、それは簡単なことで、私たち大人が真正面から伝えていないから。知らないということは、知らない君たちの責任ではなく、伝えなかった、我々大人の責任ではないかと考えました。それなら、なぜ私たちは、こんな大切なこと、性や体について伝えようとしないのでしょうか。それは、私たち大人が「性」をどうとらえ、どう実行して来たか、まさにそれが問われることなのですね。

 もしかして、私たちは性というものを「いやらしいこと、恥ずかしいこと、隠さなければならないこと」と捉えていたのではないか。もしそうだとすると、これは絶対に子どもたちに伝えることは出来ません。いやらしいことと捉えていたらわが子に向かって「いやらしいことを教えてあげよう」なんて、言えるわけがない。「恥ずかしいこと」と捉えていたら、言葉を口に出すことすら恥ずかしい、だから伝えられない。

 でも私は、今はそう考えていません。私たちにとって、「性」は、決していやらしいこと、恥ずかしいこととは捉えていません。これまで長い間、患者さんから学び、ご家族から学び、そして私自身勉強する中で、今、私は性というのは、「とても大切なこと」だ捉えています。そして、さらにあえていいますね。とても大切で、そして実は「いいものだ」と「素敵なものだ」と思っています。そして、私は君たちに「素敵なものを素敵なものとして実行していける」そんな大人になってほしいと思っているのです。(まだまだ続きます。)

 今日、私は日帰りで、宝塚の中学生に話しに行きます。

 2012_01170008 その後のソニー。もう何枚も写真を撮っていますが、しつこいかなあと思ってカメラの中のみに収めています。でも、あえてこれは一昨日。この車が横断歩道にとめて、横断歩道上で荷物を降ろし、ソニーのビルの中に荷物を運んで行った、そのときにスーツ姿の社員さんが横を通ってビルの中に入っていきました。中の受付からも、ここに車が止まっていることは丸見えに見えます。私は、運送会社の運転手さんの責任にしたくはないのです。それを平然として見過ごしているソニーの問題だと思っています。この横断歩道上にタクシーを止めて、荷物をトランクにいれ、社員さんが乗り込もうとしているときに「ここは横断歩道ではありませんか」と私が言ったとき、あわてたのは、タクシーの運転手さんです。社員の方たちは無言で平然としています。その体質が私はとてもいやなのです。


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昨日食べたもの。サムケタン、朝ズバのバーガー。

2012_01170011 2012_01170012 昨日は、「英語で読むはだしのゲン」の講座から帰るのがとても遅くなってほぼ10時。こんな時のために、年末に頂いていながらこれまで食べないでいたレトルトの「サムケタン」、二個を温めて、それぞれのをちょっとずつ交換しながら食べました。

 おいしい!!鶏のお腹にはなつめ、高麗にんじん、栗、銀杏、そしておかゆなどがいっぱい入っています。少しずつつくりの違う4種類を新大久保のお店から送って頂きました。無添加です。レトルトといっても、本当に馬鹿にならないおいしさです。このごろは、カレーにしても、おいしいレトルトがいろいろ出ているのですね。あまり利用したことがなかったのですが、でもあらためてサムケタン、韓国料理の奥深さ、そしてレトルトのおいしさを痛感しました。まだ二つ残っています。楽しみに取っておきます。

2012_01170009 昨日のお昼に食べたのはこれ。朝ズバとロッテリアのコラボのバーガーを昨日から期間限定で売り出すといっていたので、早速。

 朝ズバのみのもんたは、いつから原発慎重派になったのでしょうね。あれだけ3.11の後、原発の放射能の影響はないないという学者さんを次々と登場させていたのが、今朝なんて、「絶対安全というのでなければ、原発はダメですよ。」と言っていたのを聞いて??でした。

 それはともかく、昨日言っていたバーガーがおいしそうだったので。ヒレカツがサクサク。パンは米粉でもっちり。とてもおいしくてペロリでした。でも、夕方おなかがすいて困りました。これとコーヒーだけだと、やはり昼食としては持たなかったです。

 私、ロッテリアで食べるのは初体験。マックドナルドでは買って帰ったことはあるけれど、食べたことはまだありません。あの紋切り型で応対されるのが、もたもたしたらどうしようと怖くて。でも、昨日のロッテリアでは他にお客さんがいなかったのもあって、気楽に尋ねることが出来たし、親切でした。マックでは、そのうちに。


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I Pad の無料アプリ。「Hey Tell」と「翻訳」。

 まだまだ中学生の妊娠については、続きます。でも、今日は一休み。実は、シリーズを書くのは、とってもエネルギーがいって、ちょっと疲れてしまいました。一休みして、また続けますので、お許しを。実は、もんもんとして眠れません。エイヤッと起き上がってパソコンに向かいました。

 今日は、ちょっと気楽に。私の使っているI Padの無料アプリについて。もうしっかり使っている方には何を今さらと思われるかも知れませんが。

2012_01170003ひとつは、ヘイテル。「Hey Tell」です。韓国語の先生に教えて頂きました。これは無料の留守電話といえばよいでしょうか。勝手に吹き込んでおけば、相手がすぐに聞かなくても、都合のいい時に聞くことができます。すぐに応答すれば、電話と同じになります。しかも無料の。アドレスを登録している人とは、いつでも話しが出来ます。先生は、アイ・フォーンで、私はアイ・パッドで、共通のアプリです。


2012_01170002 こんな画面に向かって話します。たとえば、李先生から「先生、キムチが出来ました。いりますか?」と入っていたので、私は「李先生、ありがとうございます。キムチ、ほしいです。」と答えました。これらは、何回でも聞きなおすこともできます。

 私が、グアム、先生がソウルにいるときに試してみました。「李先生、まだソウルですか?私は今グアムにいます。ちゃんと通じるか、試しています。」そしたら、先生から「先生、きこえますよ。今、ソウルの空港から、広島に帰ろうとしているところです。」さらに、先生から、「もう、日本に帰って来ましたか?また、グアムの話しを聞かせてくださいね。」と入ったので、「ええ、帰ってきて、今、私は別府にいます。」と答えました。何しろ、無料というのがいいです。

 もうひとつのアプリは、「翻訳」です。画面に向かってしゃべると、その翻訳された言葉が、文字と音声の両方で現れます。文章を入れたら、文章で翻訳されて出てきますし、それを音声でも聞くことが出来ます。しゃべったのが即、翻訳されるのがすごいです。まるで、通訳さんみたいです。

2012_01170004_22012_01170006 左のような画面に向かってしゃべると、右のような画面と音声が現れます。なんと便利な!! 私は韓国語で使っていますが、英語ははじめ、沢山の言語が使えます。

 そのほかにも、無料の「指差し会話」の、韓国語と、中国語を入れました。これは、タッチするとその通訳された会話を I Padがしゃべってくれます。単なることばだけでなく、「今晩泊まれますか?」とか、「一泊いくらですか?」とか。

 本当にすごいものです。ぜひ、皆様もお試しを!!


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中学生の妊娠⑧

 もう何度もこのブログで取り上げているので、恥ずかしい気はあるのですが、アダルトビデオ・A.Vについて中学生への話し方です。

 これは、避妊率の話の中で、膣外射精のところで話します。

 もう、A.V.を見たことがある人がいるかもしれないし、これから見る人もいるでしょう。でも、A.V.は「性交の仕方を学ぶもの」ではありませんよ。これは、演技の世界です。それも、大人の娯楽として、多くは男性のマスターベーション用に作られたものなのですね。これが性交の仕方だと思われると、女性に取ってはたまらないこともあるものなのですね。

 ここから先の『』の中は、中学生には話しません。高校生や大学生や大人の方には話します。

 『でも、A.V.のまねをして、怪我をして出血してくる人も毎日一人はいます。A.V.のまねで、男性が膣に指を入れて、引っ掻き回して、爪で傷つけるというものなのですね。やわらかい膣粘膜や子宮の膣部に引っかき傷をいっぱい作って出血していたり、そこに菌が付いて、膿んでしまって、匂いのあるおりものがいっぱい出ていたり。そんな人が後を経たないのです。

 A.V.の男優さんは女優さんを傷つけないように、爪をとても短く切っています。私、カリスマA.V.男優といわれる加藤鷹さんと関西のテレビで競演したことがあります。性の悩みに答えるという番組だったのですが。そのときに鷹さんが両手の爪を見せて下さいました。10本とも、ほとんど爪がないくらいに深く切ってありました。

 でも、A.V.中で、「さあ、皆さん、爪を切りましょう」なんてするわけではないから。長い爪のままでただA.V.のまねをして、膣の中を引っ掻き回して傷つけているのですね。指なんて、入れたらいかんの。ペニスの先はまあるく、やわらかく、女性を傷つけないように出来ているでしょう。膣というのは、そんな硬いもので引っ掻き回したりするようにはできていないのですよ。』

 そのA.V.でされているのが「膣外射精、射精のときだけ外に出す」というものなのですが。これは避妊のためにしているのではなくって、ひとつの物語が完結したということを示すために射精までしてみせるというものなのですね。それも、小麦粉を水で溶いて、注射器で飛ばして、射精しているかのように見せるというものもあって。演技の世界というのは、そんなものなのですよ。

 ここから、「射精のときだけ外に出しても、だめなのですね。」に続きます。

 若い人に講演で伝えたいことはいっぱいです。おそらく、彼ら・彼女たちと私の出会いは、一生のうちにその一回だけだろうと思います。その貴重な時間、目いっぱい話したいと思います。


 2012_010200642012_01020065 グアムでお菓子の家があったハイアットのバイキング。なま牡蠣、かに、ローストビーフ、七面鳥など、超豪華。スイーツも数え切れないほどだし、シャンペンもワインもビールも飲み放題で三千円弱という、大満足なディナーでした。



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中学生の妊娠⑦番外編

 今、滋賀県草津市のホテルです。まだまだ中学生にしている講演が続きます。まだ、経口避妊薬、ピルについて、携帯の出会い系サイト・掲示板について、アダルト・ビデオなどについてのお話が残っています。今日はちょっと番外編で、中学生への講演についてです。

 とても限られた時間で、伝えたいことは沢山あります。目いっぱい、ギューギューに話したいのです。高校生はともかく、中学生に話すとき、学校によっては、「うちの生徒はとても話は聞きません。迷惑をかけるかもしれません」といわれることがあります。

 確かに、今日は手ごわいぞ!!と思うこともあります。それは、生徒が会場に入って、先生が並ぶように指導しているときに分かります。でも、基本的に私が話すことは、生徒たちが聞きたいことなのですね。自分の中学時代を考えて見ます。やはり知りたかったですね。いろいろなことを。そして、正面から、きちんと話してくれる大人だと彼らが分かったときから、だんだんと静かになります。

 それでも、ぺちゃぺちゃと話している生徒がいると、私はその生徒の目をじっと見ながら、その子に話しかけるように話します。彼、彼女がその私の視線に気づいたとき、チラッチラッと私の方を見ます。でも、私がいつまでも彼らから目を離さないでいると、だんだん下を向いて、話しをしなくなります。

 時には、本気で「聞いて!!」というときもあります。「もう、私が必死で話しているということをわかってよ!!」という時もあります。たいてい、これは一回ですみますね。

 そして、必死で話す私の話を必死で聞いてくれる生徒たち。二時間はアッという間です。「うちの生徒が聞いた!!」と泣きそうになる先生もいらっしゃいます。

 もちろん、一回私の話を聞いたら、それですべてが分かったでしょうなんて、思い上がってはいません。でも、これから沢山の情報に接し、沢山の経験をするであろう彼らです。思春期の多感なときに、本気でぶつかるように話してくれるその話しを聞いたという経験が、少しでも頭に残ってくれたら、という、そんな思いで話しています。

 きょうは草津市で話します。性教育に力を発揮して下さっている助産師の方たちと、性教協のサークルの方たちの合同の研修会です。地べたを這うようにして、理解して下さる方たちを増やすこと。それもずっと続けているのですが・・・なかなかです。

2012_01130014 12日木曜日、広島市医師会の新年宴会でした。初めて新年宴会に出席しました。いろいろとご無沙汰している方たち、医師だけでなく、行政の方たちにもお会いしてうれしかったです。そこで、私は市医師会在籍30年の表彰をされました。私が医師になって40年。大学病院から土谷病院に移って30年です。ということは、性教育に取り組み始めて、30年ということでもあります。写真は在籍50年の方たちの表彰の姿です。私が表彰されているところは、自分では写真が撮れないので・・・。私はおそらく在籍50年の表彰ということはないでしょうね。


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中学生の妊娠⑥

 結婚しました。妊娠しました。赤ちゃんを産みます。母子手帳をもらって来ました。性感染症にかかっていました。こんな人がとっても多いのです。

Photo これは、私のクリニックでの一年間の性感染症にかかっていた方の数です。いぢはん多いのは、やはり20代。これから赤ちゃんを産もうとする人たちです。独身時代に瀬巣感染症にかかっていることを知らないまま結婚し、妊娠した。独身時代に性感染症にかかっているのを知らないまま結婚し、妻に移してしまった。こんなことは防ごうと思えば、防ぐことはできるのだから。

 性感染症の予防は?もう習いましたか?性感染症の予防は中学で習うことになっているからね。(それも、決して性交やセックスなどの言葉を使ってはならないことになっていますので、現場の先生方は、本当に難しいといわれます。私は、そんな言葉を使わないで伝えることはできませんので、使います。)予防法は?二つだね。二つ。分かりますか?ひとつは?「性交をしないこと」。完璧な予防だね。もうひとつは?「コンドームを確実に使うこと」。コンドームは、HIV、エイズウィルスなどの性感染症の感染を防いでくれます。

 ということは、君たちは、何がなんでもコンドームのない性交はしない。。コンドームのない性交は、二人で「さあ、これから、妊娠を目指しましょう」というときのために取っておきなさい。

 でも、気づきましたか?コンドームは、性感染症は防いでくれるけれど、妊娠は? 一年で85%でしたね。これは、いかに妊娠しやすいかということを示してもいるのですが。

 だから、君たちは将来、カップルの双方が、どちらか片方では、絶対にダメですよ。双方が性を望む、そしてもう性交をしてもいい状況になったとしたら、とにかく二人で話し合いなさい。自分たちは妊娠してもいいのか否か。もし、まだダメだとなったら、「コンドーム+もうひとつ」ですね。

 WHOなどで、世界的にいわれているのは、避妊は確実なピルで。性感染症の予防はコンドームで。この両建てで行くべきということです。

 コンドーム+もうひとつ。もうひとつはどうするのか、君たちは二人で話しあって、決めなさい。そして、性交の度に「コンドーム+もうひとつ」を確実に実行すること。そうして、はじめて性感染症の予防と、確実な避妊が出来るでしょう。

 そう、甘いものではないのです。大切なのは、そこまで出来るか、そこまで出来る関係であるか、ということでしょうね。もし、二人で話しあって、そこまで確実に出来るとしたら、その二人はかなりコミュニケーションの取れあったいい関係なのだといえるでしょうね。

 でも、若者の性は、「妊娠したらどうする?しないためにはどうしよう」という、話し合いすらしないままに、行動が先行している、とても貧しい性を実行している、そう思います。(この項、まだ続きます)

 昨日の中学生の妊娠は二人。二人とも生みたいと言い、周りは困っています。私は今日は診療後、滋賀県草津に移動です。


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中学生の妊娠⑤

 10代の少女たちと相手の男性との間で行われていた避妊法と妊娠率です。条件については、昨日に書いています。

 一番多かったのが「避妊していなかった」というもの。この妊娠率が38%。

 コンドームを使ってはいるのだけれど、使わないこともあった、使ったり使わなかったりというのの妊娠率が34%。避妊していなかったという人とたった4%しか差がありません。ということは、一回でも手抜きをするとずっと避妊していないのと同じような意味になってしまうということなのですね。ところが、今はこの人たちが一番多いのです。コンドームは使われている様でも、使ったり、使わなかったりと実にいい加減なのです。このあたりにも、HIVなどの性感染症が増えている原因でもあるのでしよう。

 それから、これも増えていて、困ったものなのですが。これは、アダルトビデオの影響があると思うのですが。射精のときだけ外に出す、「膣外射精」ですね。若者たちは「外出し」と言っています。この人たちの妊娠率は29%。やはり30%近くが妊娠しています。アダルトビデオについては、またお話ししますね。射精のときだけ外にだしてもだめなのです。その前に粘液に混ざって精液はいくらか出ています。ちょっとでも精液があれば、その中には莫大なかずの精子がいるのですから。途中からコンドームをつけるのがダメなのと同じことなのですね。

 さすがに、コンドームを一回も欠かさず、毎回ちゃんとつけている、手抜きはしていないという人、この人たちの妊娠率はぐっと低くて、13.5%でした。でも、この人たちは気の毒で。どうして?ちゃんと避妊していたのに、と言います。どうしてといわれても、コンドームの避妊率は、一年間で85%。一年以内に100カップル中15カップルに妊娠が成立するというもの、それと本当に近い数値が私たちのところでも出ました。

 参考までに「安全日」「危険日」。これほどダメなものはないんですね。人間の体は機械ではありません。機械だって時々故障するのに、まして、女性の体、月経だの入らんだの、妊娠だのというのは、とても微妙なホルモン、それも脳から出るホルモンによって左右されています。だから、ちょっと憂鬱なことがあれば、うんとホルモンは抑えられるし。ワアッと興奮すると、ワアッとホルモンが出るし。このようなことは、日常的にしょっ中起こっていることなのですから。だから、もう、生理前だからと思っていると、排卵、なんてことは起こりうることなのですね。「安全日」なんて言葉を作った大人が悪いと思います。「安全日」「危険日」単独の人は少なくて、危ないときだけコンドームというのは、「コンドーム時々」の方にいれましたので、9人しかいませんでした。9人のうち、実に7人が妊娠していました。77.77%。こんなのは避妊とはいえませんね。

 こんなものなのです。避妊。多くのカップルが沢山子どもを生まなくなった今、避妊というのは、とても大切なことなのですが、でも、100%安全で100%確実な避妊法は実はどうなのでしょうか。

 ピル、経口避妊薬は確実に飲んでいれば、ほぼ100%近い避妊を得ることが出来ます。それは、女性にとって大きな福音でもあります。もし、将来、確実な避妊をしたいときが来たなら、低用量ピルの相談に産婦人科に行くのも、選択肢の一つであると言っておきますね。

 ただ、ピルは望まない妊娠は防いでくれますが、HIV、エイズウィルスに代表される性感染症の予防にはなりません。君たちの時代、これからの君たちの時代なのだから、望まない妊娠はしない、させないのと同時に、性感染症の予防ということも本気で考えないといけません。(この項、まだ続きます。ピルについても、まだ続きます)


 2012_01110003 娘が激賞していた「ガスト」の焼きりんご、やっと食べました。確かに。おいしいです。これが300円台だなんて。


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中学生の妊娠④

 中学生に避妊を教えよといっても、具体的にはどういうことなのか、私が日頃中学生に話していることを書きますね。

「この中のほとんど全ての人が、いつかはきっと避妊が切実になる時がくるからね。時期はみんな違うでしょう。子どもを何人か産んだ後かもしれない、前かもしれない、間をあけたい時かもしれません。

 それから、今は未だ分からないけど、この中には一生性交をしない人だっているかもしれません。それはそれでいいのですよ。みんながしなければならないものでは決してないからね。

 それから、これも今はまだ分からないけれど、この中にも、将来子どもができない体の人だっているかもしれません。

 それから、中学生にもなると、自分で気付いているはずだけれども、この中にも、人を好きになるときに、異性ではなく同性を好きになる人だっているかもしれません。それも個人の選択ですよ。人が人を好きになるときに、女は男を、男は女をしか好きになってはならないものでは決してないからね。ただ、同性同士だと妊娠を望む、赤ちゃんをつくるということでは色々ハンディがあることは確かだね。

 そういう人がいるかもしれないけど、それでもこの中のほとんど全ての人が、いつかはきっと避妊が切実になる時がくるから。そのときのために、今避妊の話をしておきますね。

 ただ、今、中学生に避妊は具体的に教えてはいけないことになっています。本当はチャンと知っててほしいのだけれど、でも、それが出来ないから。だからデータを挙げますね。」

 こう話すと、中学生たちは、食い入るように私を見つめます。

 そして、私が診た10代の少女たちの避妊法と、妊娠率を挙げます。

「私が診た十代の少女たちが1000人になった時のデータです。1000人のうち、709人に性交の経験がありました。その709人と相手の男性との間の避妊法、そしてそのうちの何人が妊娠していたかという妊娠率を調べました。

 女性は10歳から19歳まで。10歳、11歳の小学生は、犯罪の被害者です。それもデータの必要上、入れています。それから、職業で言うと、女性は高校生が一番多かったです。十代の少女たちの性の相手の男性は半数を超えて20歳以上の大人です。職業で言うと75%と、圧倒的に社会人でした。

 それから、たとえ生理痛で来ても、過去一度でも性交の経験のある人は全部このデータの中にいれています。みんなが妊娠が心配と言ってくるわけではありませんからね。だから、妊娠率はちょっと低く出ています。絶対数ではなく、比較を聞いてくださいね。」


 基本は、膣外射精は絶対にだめ。コンドームを使ったり使わなかったりではだめ。避妊は毎回欠かさず、それも性感染症の予防のためにも、コンドームプラスもう一つと。避妊を教えることは、避妊の困難さを教えることでもあります。また、確実に避妊するために低用量ピルへの偏見も取り除いておきたいですね。この具体的な数値については、明日話しますね。

 こういうことを伝えようと思えば、性交という言葉が不可欠なのです。性交も、ましてやセックスも、エッチもそんな言葉は一切使ってはならないと規制されれば、私の講演の意味がなくなってしまいます。昨日の手紙をまた読み返してみて、まるで、私に保健の授業をせよということ自体、失礼なことだと思いました。それなら、教師が授業をすればいいだけのことなのです。

2012_01110001 私の男性の患者様で、折り紙をされる方がいます。毎年、創作のえとを届けて下さいます。今年のえとを持ってきて下さいました。一枚の紙からこんなのが出来るなんて、素晴らしい!! 老人介護施設のケアマネをされているのですが、こんな趣味をもたれると、職場でも皆さんに愛されますね。クリニックに飾っています。来られた方は、ぜひ見てくださいね。



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中学生の妊娠③

河野産婦人科クリニック
院長 河野美代子様

 落ち葉散りしき肌寒い日が続いておりますが、河野美代子先生には益々ご清祥のことと拝察しお喜び申し上げます。

 この度は、ご多用にもかかわらず講演を快くお引き受けくださり、ありがとうございました。また、先日はレジメに載せるプロフィールをお願いしましたところ、早速FAXしていただき、誠にありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。

 さて先日、電話でもお話しましたが、講演場所を寒い時期でもあり、○○中学校体育館から暖房設備のある「○○センター○○ホール」に変更いたしました。地図を同封しておりますので、ご参照ください。

 依頼事項

 講演内容についてご配慮いただきたいことがございます。授業の一環として1~3年生の中学校生徒対象にご講演いただく関係で、中学校学習指導要領「保健体育」の内容に準じたお話にしていただきたいと思います。

 資料として同封しておりますが、妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精・妊娠までを取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする。また、身体の機能の成熟と共に、性衝動が生じたり、異性への関心が高まったりすることなどから、異性の尊重、情報への適切な対処や行動の選択が必要になることについて取り扱うものとする。となっています。

 中学生が保健の授業で学習する性にかかわる内容については次の通りです。
  ○1年生・・・大人へと変化するからだ・受精のしくみと生命の誕生
          ・性を受け止め、大切にする・HIVの感染症について
  ○3年生・・・性感染症の予防

 詳細は、教科書のコピーを同封しておりますが、性感染症の学習でも「性交」という表現はなく、「性的接触」という表現になっています。

 これまで学校等でのご講演も数多くご承知のこととは存知ますが、言葉・表現ひとつにしてもいろいろと制約があり、お話しにくい点も多々あるかとは思いますが、講演内容・ビデオ視聴におきましても十分にご配慮いただきますよう、よろしくお願いいたします。多用なスケジュールをぬって講演いただくにもかかわらず、様々なお願いをして大変申し訳なく存じますが、諸事情をご理解いただきご配慮くださいますよう、お願い申し上げます。

    ○○市立○○中学校 PTA研修担当(○○教諭)○○○○

 今の教育会の現状はこうなのだから。中学生に避妊を教えよというのが、いかに無謀なことであるかということがお分かりいただけるでしょう。それでも、私は与えられた時間は目いっぱい生徒たちにお話したいし、伝えるべきことを伝えようと思います。でも、その時間の中にまで言葉や内容の制限をつけられると、もうこれではお手上げです。

2012_01020063グアムで一日だけハイアットホテルのバイキングに行きました。それは素晴らしい内容でした。また機会を改めてそのお料理も出したいと思います。これは、そのホテルロビーに作られていた大きなお菓子のお家です。甘い匂いがあたりいっぱいでした。


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中学生の妊娠②

 私のクリニックでのデータで中学生の妊娠の相手は、中学生か社会人。高校生の妊娠の相手は、高校生か社会人となっています。

Photo これは、私のクリニックでの10代の受診者のデータからです。性交のある人の中に妊娠した人がいます。性交の相手の男性の中に妊娠させた人がいます。女性は、中学生、高校生、大学生、社会人ほとんど妊娠率に差はありません。あえて言えば、大学生・専門学校生の妊娠率は少し少なくなっています。でも、男性は、中学生・高校生・大学・専門学校生と段々妊娠させた率が小さくなります。男性がが中学生である場合、その57%が女性を妊娠させていました。ちなみに、男性が社会人の場合、中学生と高校生の間になるのですね。

 言い換えると、中学生の妊娠の半分は、男性も中学生であるということなのですね。まるで子ども同士。子ども同士でも、性交をすると妊娠するということです。そして、多くの親は、自分の子はまだ子どもだから、そんなことはしないと思っているのですね。

 先日の中2の男の子にも言いました。

「彼女は、こうして生みたい言うて泣いてるでしょう。 妊娠したことがうれしくて、喜んで生めるような状況にないときに、妊娠した女性はね、しんどいんよ。あなたは、その彼女になんにも出来んでしょ? なんにも出来んときに妊娠させたらいけんのんよ。それがわかってるか?」

「あなたは、彼女に中絶してほしいといってるけど、そのお金はどうするの? 自分でお金を出すことも出来ん。そんな力もないということだよね。」

 そう話しながらも、私は「ああ、申し訳ない」と思ってしまうのです。彼らは、何も学んでいないのです。女性も、そして相手の男性も、中学生であろうと、社会人であろうと。

「性交は、妊娠する行為である」「性交しても妊娠しないようにする、避妊というのは、大変なことなのだ」と。

 みんな妊娠なんてする訳ないと思っているのですから。妊娠して初めてびっくりするのですから。私が、中学生にも避妊を教えよというのは、このようなデータに基づいてもいます。

 でも、今のカリキュラムでは、中学生には、「性交」は教えてはいけないことになっています。まして、避妊なんてとんでもないことです。「性交」という言葉を使ってはいけないと。使うと、中学生をそそのかすことになるからと。

 彼らは、十分そそのかされています。社会にどれだけ彼らをそそのかす情報が飛び交っていることでしょう。その情報にしっかりそそのかされているからこそ、真正面から情報を与えて、「甘いものではないよ」と伝えたいと思うのです。


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中学生の妊娠①

 年末年始、中学生の妊娠が相次いでいます。それも、みんなみんな生む、生みたいといいます。

 「そだよね、妊娠が分かったたら、生みたいよねえ」と私は言います。「誰でも、生みたい。おろしたいという人はいないんよ。」

「だけどね、生むということは、育てるということ。誰がどうやって育てるの?」と続きます。

「頑張るといっても。どこに住んで、家賃はいくら?電気、ガス、水道、食費がいくらかかるかなんて知ってる?誰がどこで働いていくらお金がもらえるんだろうか?」

「それに、自分の生活はちゃんとしてる?ちゃんと朝起きて、ご飯を食べて、学校に行って、帰ったら洗濯や掃除も自分でしてって、ちゃんと生活しているかな? 赤ちゃんを育てようと思ったら、自立したちゃんとした生活があって、その上に赤ちゃんの世話があるんだよ。ご飯も作って食べさせないといけんのよ。自分のしたいこともできない生活がずっと続くよ。それがわかっているかね?」

「彼は、おろしてくれって言ってるじゃない。自分には出来んと言ってて、じゃ、あなた一人で育てんといけん。一人で育てるだけの力があなたにはあるかね?」

 泣いている若い女性に、私がこんなことを言うのは、意地悪でではありません。若い人、生活の実感がないものほど、妊娠が分かったときには生むというのです。「赤ちゃんを殺すのはイヤッ」と。でも、生んだ後の生活を考えると、「それはいいこと。頑張って生みなさい」なんてとてもいえないのです。

 喜んで中絶を受ける女性はまずいません。でも、妊娠がわかって、彼女がおろしてくれたら喜ぶ男は山ほどいます。

 私は、これまで散々言って来ました。中学生に避妊を教えよ、と。私は、すべての若者に避妊をちゃんと学んで大人になってほしいのです。すべての若者というからには、「義務教育の段階で」ということです。高校でだと、高校に行かない子、中退する人は、きっちり学ばないままに社会に出、性を実行するようになるのです。

「避妊を教えよ」というと、「避妊を教えると、セックスをするようになるではないか」という人がいます。とんでもない、避妊を教えるということは、「避妊の厳しさを教えるということ」なのですね。知れば知るほど行動は慎重になるはずなのです。今、若者たちは、知らないからこそ、気軽に行動してしまっています。

 年頭に当たって、中学生の妊娠についてのシリーズを何回かにわたって書きます。 妊娠の相手の男性についても、書きますね。先日書いた「男の子の性教育」の続きと思ってもらっていいでしょう。男の子に対して、あまりに野放しになっていると思いますので。


2012_010200092012_01020078 年末年始、グアムに行ったときの行き帰りの機内食です。帰りは朝ごはんなので、オートミールを選びました。娘は、オムレツとマッシュポテトでした。


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岡山にいます。

 いま、岡山のホテルにいます。昨夜、診療終了後すぐに新幹線に走って乗って来ました。走ったおかげで、早めに着くことが出来て、会合も早く始めることが出来ました。子宮頸がんについての会です。癌のスペシャリストの方たちの話を聞くことが出来ました。私は、若者に対しての性教育の必要性を話す役割で来ました。

 会の中でも、それからその後ホテルのバーでも、さらに話しを聞くことが出来ました。四国がんセンターの日浦先生と、広島の藤井先生のお二人は、日本でも著名な癌専門のドクターです。日浦先生は大学の同級生、藤井先生は、高校の後輩でもあり,大学と医局の後輩でもあります。

 昔話も含めて、今の癌の最新情報を聞くことが出来て、とってもよかったです。子宮頸がんは、今やその原因がHPV・人パピローマウィルスであるということがはっきりして、ワクチンも出来ました。そのワクチンの公費助成もされ、多くの若い女性たちが接種し始めています。

 その中で、がん検診にも、ウィルスの検査を取り込む動きが出ています。私も、クリニックでウイルスの検査が出来るようにしましたが、その私たちの動きよりも、もっと早く、どんどんとこの分野は進んでいることを痛感しました。流れに追いつくようにしなければ、と思います。漫然と診療していてはいけません。そう、肝に銘じました。

 今朝、この静かなホテルの部屋で、チェックアウトまでいろいろと仕事をしようと思います。そう思って仕事を持って来ました。

 今日と明日の二日間、休みです。この後は、また当分休みはありません。この二日間、たまった仕事をすべて片付けるつもりです。

2012_01040016 別府の港よりも東より、国道と海との間に面して、「晴海」という和食の割烹を備えたホテルがあります。ホテルは、すべて海に面した露天プロつきの部屋です。私たちは、そこに泊まる必要はありませんが、食事をしたくて何回か行ったことがあります。でも、いつも予約なしでは入れませんでした。

 ところが、今回、行ってみたら、即入れたのです。もうお正月も四日なので、観光客も減ったところだったのでしょう。予想外に、とてもおしゃれな料理でした。新鮮なお刺身などは、もう言わずもがなですが。変わった料理を二つだけアップしますね。


2012_010400112012_01040013 ヨコワマグロパイ包み焼き。ヨコワマグロのみそ漬けをパイで包んで焼いて、その上にキャビアが載っていました。ハーモニーが抜群でした。なまこの白雪和え。これがなまこ?というほどおしゃれなお味になっています。下に敷いてあるのは、カボスです。ほんのりカボスの味が移っていて、こんな使い方もあるんだ、と思いました。デザートの手作りの牛皮は、中身がチョコレートでした。

 そして、とてもおしゃれなのに、お値段は安くって、勧められたのは、2900円のコースです。まず高いところから勧めるのでなく、安いのを勧めるというお店の姿勢もいいですねえ。ここで食事をした人は、皆さん海に面した露天プロに入ることが出来ます。わたしたちは家のすぐ近くなので、お風呂には入りませんでしたが、観光客の方にはいいところだと思います。私も、また来たいと思わせられるお店でしたよ。


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「松井市長の挨拶について」のコメントありがとうございました。

 昨年12月30日のブログで、広島市の松井市長の挨拶について書きました。それに対して、沢山のコメントを頂きました。皆様ありがとうございます。その前日の29日の「松井市長の市政について」とあわせるともっと沢山のコメントを頂いています。中には、広島市の職員だと思われる方からのコメントもありました。

 同じような思いをしている方は多かったということが改めて分かりました。

 中には、お一人、「挨拶はひどいかもしれないけれど、不特定多数の人が読むブログに書くべきでないのでは」という意見がありました。

 私は、一民間人が言ったことを、名指しで書いたわけではありません。政治家という、人から常に監視の目にさらされている人だからこそ。今、野田総理や沢山の大臣の言葉にマスコミが注目しています。何か一言あるたびに、彼がこう言ったと報道されます。そして、そのもつ意味は?と分析されます。

 松井市長は、政治家です。一言一言に責任が伴い、人々から注目されています。しかし、今の広島市政の監視役であるマスコミが、その責を果たしているとは、とても思えません。市の発表をそのまま流しているとしか思えないような報道にうんざりしています。

 たとえば、「松井市長の市政について」に書いた、「アキハバラ塾の廃止」について、その財政、赤字なのか黒字なのか、それをちょっと検証すれば、「厳しい市の財政状況を受けて、ゼロベースからの事務・事業の見直しを進めており、今回の事業の廃止もこうした見直しの一環とみられる」というような報道にはならないと思うのです。

 私の尊敬する宝塚の中川市長は、「政治は言葉なのよ。言葉は大事よ。挨拶も言葉なのよ。挨拶で首が飛んだ人がいるでしょう?」と言いました。

 そう、仲間内の会だからという気の緩みがあったからなのかも知れませんが、法務大臣の仕事について冗談とも付かないことを言った柳田氏が罷免されてしまったことも、もう私たちは忘れそうになっています。

 昨年の1月21日のブログで、中川市長の挨拶について書きました。ここにそのブログがあります。このことだけでなく、これからある会合で挨拶をするという中川市長に同行したことがあります。車の中で、職員の方が作ってくれた資料をみながら、ぶつぶつとつぶやきながら暗記をしています。そして挨拶は、データをちゃんと取り込みながら、自分の言葉に変換した、見事なものでした。

 政治家には失言も許されません。でも、この広島市の市長の被爆者への「くれくれくれ」発言、「くれくれというだけでなく、感謝の心を持てと」老いた被爆者に言ってのけた、この軽薄さ、というか、それか本性なのかも知れませんが。その発言があってすぐに市長が出席する被爆者の会合で、にこやかに市長にビールをついでいる被爆者団体の幹部たち、その姿をテレビ画面で見たときには、また愕然としました。

 私は、このブログは本名で書いています。匿名であったなら、もっといろいろと書けるのになあと思うこともあります。でも、名前をさらしているからこそ、その書くことには責任を持っています。うそは書けません。これからもまだまだ言うべきことは言いたいと思っています。その分、風当たりは強いでしょう。でも、それをしなければ、私のブログの意味がありません。私的タベログになってしまいます。

 沢山のコメントを下さった方々ありがとうございました。これからも宜しくお願いします。

2012_010200482012_01020047 グアムでの大晦日、レストランの予約がなかなか取れなくて、直接訪ねていきました。そしたら、コースは無理だけど、単品ならということで、気持ちよく入れてくれました。そのステーキのどでかいこと。四人みんなでたべても食べ切れません。安くて、でっかくて、大きくて。とにかく規模が違います。こんな食事をしていた人たちと戦争しても勝てないよね、ということになりました。

2012_010200572012_01020056 中は広くてゆったり、きれいで従業員もてきぱき。飛び込みの私たちにもとても親切で、気持ちのよいレストランは、なんとナナパパさんが喜びそうな名前でした。


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国民宿舎「ひびき」の「うに丼定食」。

 昨日、福岡経由で無事広島に帰りました。福岡では、陶芸をやっている兄に会いました。その兄に連れて行ってもらったのが、宗像の国民宿舎「ひびき」。以前姉と一緒に連れて来てもらって、大変安くておいしかった記憶があって、そこをリクエストしました。夫も一度行って見たいといっていましたので。

 ここのそばには、「宗像」という巨大な道の駅があって、そばの漁港に入港した船から直接、どさっとお魚が運ばれてきます。そこもぜひ行きたいと、一旦行ったのですが、5日まで休みでした。残念。

2012_01050006 「ひびき」は玄界灘に面していて、海を見ながらの食事です。瀬戸内海と違って波が荒く、それが素敵な景色となっています。


2012_010500012012_01050004


 


私も娘も兄もうに丼定食を頼みました。出てきたのを見て、びっくり。うにが一枚、丸ごとです。のりを載せ、その上にうにを載せると、ご飯の表面いっぱいです。甘くて、とてもおいしい新鮮なうにでした。茶碗蒸しには銀杏も海老も二つずつ入っていると娘が感激しています。これで1575円とは、びっくりでした。

 向こう側に写っているのは、単品で頼んだ大海老のてんぷらです。とでかい海老にまたびっくり。とにかく安くておいしくて、大満足の「ひびき」でした。

 そこから海沿いを行き、門司まで首都高で、後は中国道、山陽道で渋滞も雪もなく、快適に帰りました。

 きょうから診療。娘も今日東京に帰ります。荷造りに大わらわ。計四つの荷物を、夜中にコンビにから送りました。

 明日また、松井市長の挨拶についてのその後を書きます。


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今日広島に帰ります。

2012_01040005 昨日は、降りしきる雪の中、宇佐神宮におまいりしました。もう四日なので、道も込まないでスイスイと行けたし、駐車もスムーズに出来ました。広い境内。高い階段も義母は頑張って歩き通しました。立派なものです。

 今日、福岡経由で広島に帰ります。

 私は、どっさり持ってきたレセプト、年賀状の束、いくつかの原稿書き、それに加えて我が家と実家の往復の車の運転など、フル回転でした。今朝も朝早く起きて、お風呂の掃除、そしてレセプトと残っている仕事の片付けに追われました。まだすべて出来たわけではありません。

 でも、今日は家に帰るのが遅くなりそうだし。明日の朝から診療だし・・・。

 どうしようと思いながら、そろそろそ出発です。今日は昨日とうって変わって、とてもいいお天気です。気持ちよいドライブになりそうです。眠くならなければいいけど・・・。


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義母と一緒です。

2012_01030001

 昨日は、一日中義母と過ごしました。本家にご挨拶に行った後、山道を通ってお墓参りに行きました。夫と歩く母の背は、すっかり丸くなっています。八十八歳になりましたが、耳は遠いものの、頭はシャンとしているし、とても元気です。


2012_01030002 その後義姉の家に行き、そしてまた実家へ。母と一緒にご飯を食べ、テレビQさまを見てと、何気ない一日を過ごしました。久しぶりにおばあちゃんに会う娘は、おばあちゃんのご飯がおいしいと、よく食べます。

 こういうことが、母にとっても日ごろから必要なのだと思うのですが・・・。

 そうそう、昨年夏に設置した我が家の太陽光発電。大分銀行の通帳を記帳して見ました。どれだけ振込まれているかな?と楽しみだったのです。広島には大分銀行がないので、日ごろ通帳の記入が出来ません。私の通帳から、温泉使用量、電気、ガス、水道など、ほとんどが基本料金ですが、それらが引かれています。それをほぼ補うだけの料金が振り込まれていました。

 日ごろ、ほとんど空き家状態ですので、発電されたもの、ほぼすべてが売電です。でも、やっぱり言われた通り、冬になると、発電量は少なく、だから、売電の振込みも少なくなっています。日照時間が短いということは、発電する時間も少ないという、当然のことでもあります。もうすこし、一年を通してみてくみないと、収支の詳細は分からないのですが。

 今日は娘と義母と姉一家、みんな一緒に宇佐神宮に行きます。夫はその間、庭のさくらんぼなどの枝落としをするといっています。庭には少しのみかん・スイーティーと沢山のレモンが実っています。これらを収穫して帰るのも楽しみなのです。


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新年早々、大失敗。

新年早々、大失敗。
夢の世界から岡山へ。広島経由で今別府にいます。
岡山空港に着いて、さあ、荷物を積もうとしたら、何とバッテリーが上がっていました。エンジンから別ルートでつけていたナビを、切り忘れていたのです。四日間そのままで、エンジンがかからなくなってしまっていました。
情けないことで。JAFに来て戴いて、やれやれでした。

その待ち時間や、家に帰っての荷物のかたずけなどで時間がかかって、出発が遅くなって。それに私も前夜買い物や荷作りなどで、ほとんど寝てなくって疲れたのもあって、休み休みの運転だったので、別府についたのも遅くなって。
義母に悪いことをしてしまいました。
やっぱり、お正月は早く帰って、母と一緒に年越しをしなければ。
遊んだ後ですが、反省しています。
本当に現実に戻って、その落差に落ち込んでいます。

この写真は、オプションで行った海でのランチです。ビーフかチキンかのチョイスで、どちらかが挟まって出てきます。後はバイキングで。海から帰る前には、おやつにバナナの春巻きが配られました。

帰ってみたら、グアムでは全く使わなかったパソコンの調子が悪くて、またI Padからの送信です。調子良くなったら、グアムで食べたものなどアップしますね。

それから、皆様から頂いたコメントのお返事も遅くなってごめんなさい。

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さらば、グアム。

さらば、グアム。
夜が明けそうな、薄暗いホテルの庭と海です。
暗くても、新しい(安い)カメラでチャンと映りました。
これから出発です。
夢の世界から現実に帰ります。

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年甲斐も無く。

年甲斐も無く。
年甲斐も無く、水着で遊びほうけています。
シュノーケルでたくさんのお魚たちと一緒に泳ぎました。カラフルな魚たちが、手からエサを取って行くのですよ。
カヤック、ウインド・ボートにも乗りました。
極めつけは、80メートルのウオータースライダー。何回もすべりました。
すさまじく速くて、なにがなんだか分からない内に、ドボーンです。何回すべっても、鼻に水が入って、涙が出ます。もう、面白くって。
ネットは、このホテルのこの棟では、パソコンが使えない様です。
仕方なく、全部、I Pad で送っています。
でも、I Pad では、私は一度に一枚しか写真がおくれないのです。もう少し勉強しなければ。
明日、岡山経由で広島に帰ります。寒いでしょうか。
帰ったら即大分に帰る予定です。

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明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
南の島からおめでとうございます。
私は、海でお魚と遊んでいます。

今年がみなさまに取っていいお年になりますように。
私にも、すっごく嬉しい年になるかもしれません。
そうなるといいなあ。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

2012年元旦

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