中学生の妊娠⑯ 手紙(2)
子どものことは、きれいごとに聞こえるかましれませんが、本当に考えない日はなかったです。
いろんな意味でその現実はとても私の心の支えになったし、そして私の誰にも知られたくない大きな秘密でもありました。学生の頃は修学旅行などでみんなとお風呂に入るとき、出産を経験した私の胸やお腹は明らかにほかの人とは違っていて、人に体を見られるのが本当にいやでした。否が応でも自分のしたことに向き合わざるを得ない瞬間でもありました。
子どもたちに関わってその親に意見させてもらったとき「子どもを産んでない人には分からん!」といわれて「産んだことだけはあります」とも言えず、まぁ育てたことはないですし・・・ね。
結婚するときの戸籍の移動の時の先生からの手紙で、「ハワイで元気にスクスクと育っているよ。何も心配しなくてもいい。今度はあなたが幸せになる番」という言葉をもらい、それまで私自身が「産まれたときから養子というリスクを負わせてしまった。不幸を背負わせてしまった」という申し訳なさだけしかありませんでしたが、養子縁組は決して悲惨なできごとではなく、そうやって望まれて産まれた子どもなんだ、幸せに大切にされて育っているんだ、産んでよかった。本当に無事に産めてよかった。
今ならばもっとあの子が産まれた瞬間を心の底から喜んであげられるのに。と思えて、だからこそあの時の自分を改めて後悔し猛省しました。やっとそこに向き合えたのが26歳の時です。
結婚相手には子どものことは話せませんでした。子どもはできませんでした。不妊治療中の夫の浮気、その後離婚。
現在34歳独身。という今の状況の中で私は生きています。きっとこの先も私は赤ちゃんと縁が繋がらないかもしれません。
いろんな偶然の組み合わせの中で、「もしもあの時」「河野先生と出会えなかったら」私の人生はとても大きく最悪なほうに変わっていただろう。どう考えても、そのことだけは明らかです。
私自身が生き直すために与えてもらった選択肢であったこと、だからこそ望まない妊娠を防ぐこと、知ること、伝えることが大切だと切実に思います。
14歳の私に関わってくださって本当にありがとうございました。近藤紘子さんにもよろしくお伝えください。
○○○○
明日は私からの返事を掲載します。
昨日は、今年度最後の宝塚の中学生への講演でした。今年は四校でお話しさせて頂きました。子どもたちとの出会いに感謝です。
その後、宝塚の中川市長と友人たちとの食事会にずうずうしく私もついていきました。なんと、ふぐ。宝塚の人たちと、とても楽しく食べ、おしゃべりもしました。ここでも出会いに感謝です。帰りは最終の新幹線。それも雪で遅れて、家に帰ったのは、ほぼ一時でした。楽しい一日でした。
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ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
昨日は突然お誘いしてしまって、申し訳ありませんでした。
雪で大変だったのですね!
お忙しい日々ですが、どうかお身体に気をつけてお過ごしください。また、宝塚の子どもたちをお願いします。
投稿: 大島淡紅子 | 2012年1月27日 (金) 19時45分
お手紙の連載、どんなものなのか…と思っていましたが、心を打たれました。
子供を身ごもることの幸せ、成長する子供と暮らす幸せを改めて感じたと同時に、このお手紙の方のやりきれない思いが辛く言葉も出ません。
こんなに辛い思いを胸に秘めてこらえながら頑張られている。これからまだまだ前向きに生きられてたくさんの幸せと遭遇されるのを応援します
河野先生の中絶できなければ先をどうするのか…という活動にも脱帽です。
きっと全国の産婦人科をみてもこんなアフターフォローをしているところはないと思います。
先生は多忙を極めますが、そのぶん美味しいものをたくさん食べてスタミナをつけてください!
投稿: けいちゃん | 2012年1月28日 (土) 00時17分
大島淡紅子さま
子地らこそ、お誘いいただきましてありがとうございました。とても楽しく過ごすことが出来ました。いろいろな偶然、面白かったです。これからも、どうぞ宜しくお願いします。皆様に宜しくお伝えくださいませ。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年1月28日 (土) 08時45分
けいちゃんさま
ありがとうございます。皆様のコメント、彼女の何よりの励ましになることと思います。もう少しつづきますので、どうぞ、これからも目を通して下さいませ。感謝です。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年1月28日 (土) 08時46分