中学生の妊娠⑮ 手紙(1)
河野美代子先生
この度は、講演でお世話になります。
早いもので、私が14歳で出産をしてから今年で20年が経ちます。今でも、毎日のようにあの子のことを考えたりしますが、私なりの人生も一生懸命歩んでいます。
18歳で市の嘱託職員となり通算16年目を迎える古株になりました。(正規の職員ではないので貧乏のままですが。)
毎年行っているこの「公開講座」の企画を任され、ずっと河野先生を呼びたいと思っていました。でも、何だか、躊躇する自分もいて、なかなか実現させることが出来ませんでした。
テレビで先生を拝見したり、挨拶程度ですが会う機会もありました。そのたびに、なんともいえない切なさが湧いていました。きっと今回もそうだと思います。
でも、○月の隣の市の講演をそっと聞きに行き、生む性と生ませる性の責任について、女性がもっともっと自分の体を大切にできて、コミュニケーションの大切さを理解してもらいたい、これは、やはり先生から習うべきだなと思い、その日のうちに講演をお願いしにいった次第です。受けて下さって本当にありがとうございます。
今回、この様な手紙を添えたのは、私がスタッフとしていることで、話しにくいと感じてもらいたくなかったから(もっとも、そんなことを気にしていたら各地で講演なんてできてないでしょうが)。
それと、事務連絡とは別に、先生にお世話になった者として、あのとき先生に会って、誰にも話せず思いつめて(軽々しく言葉にしたくはありませんが)自分が死ぬか生んで殺すしか考えられなかった私に、2人共が生きていくという選択肢を与えていただいたおかげで、今私は生きていて、がんばれていますと伝え心からのお礼を言いたかったからです。「もしもあの時」と考えても前に進むしかないのが人生なのだと、様々な思いを経て35歳を目前に先生と対峙?できるのが今は楽しみで仕方ありません。当日は、ゆっくり話す時間もないと思うので、こうして一方的ですが手紙にしてみました。
子どものことは、きれい事にきこえるかもしれませんが、本当に考えない日はなかったです。
(この手紙はもっともっと長く続きます。私からの返事も含めて、何日か掲載します。本人には、彼女が特定されないように、特定されそうな部分は割愛してブログに載せたい旨、お話ししました。彼女は、きっと先生が日々書いていることが大げさなと捉えている人もいるでしょう。そうではなく、私がまさにその通りだったのだと言いたいのだけれど、なかなか言える立場にないので。どうぞ、これを載せて下さいと、喜んで提供する旨の返事がありました。私があれこれ言うよりも、この手紙の方がはるかに重みがあると思います。しばらくお付き合いください。)
今日も私は、日帰りで宝塚の中学生に話しに行きます。
昨日の同じお店の、やはりお野菜がたっぷり、トマトだらけのパスタです。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
手紙を読ませていただいて、年甲斐もなく涙があふれてまいりました。祝福してあげられない出産をしたということの重さがひしひしと伝わってまいりました。
ワタシは子供を亡くしていますが、生きて暮らしているわが子と会えないせつなさもたとえようのない深い悲しみだろうと思います。
投稿: ゆかりん | 2012年1月26日 (木) 11時19分
ゆかりんさま
コメントありがとうございます。私が接する、育てられない妊娠、出産をした女性はみんなこの女性のように頑張って生きています。この様子を皆様に知っていただきたくて。本人も読んでいることと思います。感謝です。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2012年1月28日 (土) 08時48分