がん治療講演会でした。
昨日は、診療後呉の阪急ホテルに行きました。「広島県南部地区産婦人科医会学術講演会研修会第200回記念特別講演会」の講演を聴くためです。演者は、松山の四国がんセンターの手術部長日浦昌道先生です。日浦先生は、大学で私と同級生。一緒に卒業し、一緒に産科婦人科学教室に入局しました。その年、8人が入局し、その中で今も勤務医は日浦先生一人。われらのホープです。同期の者もみんな駆けつけました。
先生は、四国がんセンターに移ってからこれまで27年間がんばっていて、がん治療では世界的にトップといえるほど、素晴らしい成績を上げています。
その昔、広島の学会で、ある大きな病院のドクターが、進行した卵巣がんの症例報告をしました。もう、治療は不可能。QOL( Quality Of Life ) を考えて、家で余生を過ごすようにと、退院してもらったという内容でした。そしたら、彼が手を上げて、「この人は治療できる」といったのです。当時、会場にいた私たち、誰もがびっくりしました。そうか、彼はこういう人の治療に情熱をかけているのか、と感動で鳥肌が立つ思いがしたものです。
今、私は進行した卵巣がんの方には彼のところに行ってもらっています。遠いけれど、がんばって行ってほしい、と。彼のところでは、最高の治療をしてくれますと、お話しします。今、手術前後の抗がん剤の治療は、ほとんど通院か短期の入院でします。広島にいるときの体調管理、白血球が下がりすぎたときの対応などは、私のクリニックでしています。
今回彼は「子宮体がんの治療戦略ー後腹膜リンパ節廓清と術後補助療法」というタイトルでの講演をしました。私たちは、もう一線の治療からは退いています。私たちの仕事は、患者さんの癌を早くに発見すること。そして見つかったときには、信頼できるところに紹介し、治療をゆだねます。
一線の治療の現場では、進行した体がんでも、今はこれだけ治療できるようになったということがよく分かりました。世界中で多くのドクターが頑張っています。患者さんたちも頑張っています。生きるために。
昨日のお昼時間には、親しい方の付き添いで、がん治療の主治医の話を聞きに行きました。抗がん剤の治療は苦しいのです。でも、それを頑張ってほしい。主治医は出来るだけその副作用の軽減に努め、頑張って治療しようと説得すべき、と私は信念を持っています。「抗がん剤はしんどいからやめます」と言わせてはいけないと思っています。もちろん、それを決めるのは本人なのですが、そのための情報提供の仕方、話し方はいろいろだと思うのです。重い思いを抱いてとぼとぼと帰りました。「抗がん剤の治療はしんどいけれど、癌で死ぬのはもっとしんどいよ」と言いたかったのですが、言えませんでした。
昨日は、昼も夜もがん治療について考える一日でした。
木曜日、岩国の講演から帰っての夕飯は、9月に島根のお墓参りの帰りに寄った「いちじく温泉」で買って帰ったレトルトの「いちじくカレー」を食べました。チキンカレーでした。半熟のゆで卵を作ってそれを入れました。いちじくの味がカレーとよくマッチして、とってもおいしかったです。ほかには、かいわれとキューリとトマトのサラダとアボガドとらっきょ。手抜きもいいところですが、その日はその後で栗の渋皮煮をするのに長時間かかったので・・・。でも、レトルトカレーもこのこのごろは馬鹿になりません。
そうそう、渋皮煮はクリニックのスタッフにも好評でしたよ。しこたま食べた後の残りは、一つ一つラップした上で保存パックに入れて冷凍しました。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
その人は治療できる!に感動しました。
投稿: ⑦パパ | 2011年10月 8日 (土) 12時30分
ナナパパさま
ええ、本当にすごい人です。なかなか彼のような人には出会えません。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年10月10日 (月) 11時25分