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倉本聰さんの「獨白」

 韓国語の検定試験が終わって、やっと少しゆとりが出来ました。飛行機や新幹線の移動のときの時間の過ごし方が、楽になりました。ここのところ、ずっと韓国語の勉強ばかりしていました。今、やっと本が読めます。編み物も出来ます。

2011_10030003 この前北海道で泊まったホテルの売店に売っていました。倉本聰さんの『獨白 2011年3月 「北の国から」ノーツ』。『30年前、富良野で誕生したドラマ「北の国から」について、その背景と思いを告白する』と帯がついていました。

 即、読みたい!!と思ったのは、北海道の雄大な自然に触れた後、この富良野について何が書かれているのだろうという思いと、それからもう一つあります。少し前、性教育の仲間が、「北の国から」のドラマを教材に使って授業をしたという、その発表を聞いていたからでもあります。

 このドラマが放映された頃、私は勤務医の厳しい仕事と子育てに追われていて、ほとんど見ていません。ドラマ好きなのに。でも、倉本聰さんが富良野に移住して、そこで自然を相手の生活をしていること、富良野塾を開いていて、そこで脚本を書く人や役者を育てていることも知っています。いいなあ、私も塾生になりたいなあと何度も思ったものです。今でも、何とか隙あらば、なんて思うこともありますよ・・。仕事をやめれば国内留学だって出来るのに、なんて。その富良野塾で、塾生OBに語ったことを本にまとめたものです。話の途中で東日本の震災と原発事故が起こります。そこからは、「北の国から」を書いたときと、今、現在の世の中が交錯しながら考察されます。

 その倉本さんの本、東京行きの飛行機の中で読み終わりました。まあ、その面白かったこと。肩を張らずに、やさしく楽しんで読めました。びっくりしたことがいくつも出て来ました。

 この倉本さんが、一時期、北島三郎の付き人をしたことがあるなんて。付き人をして、北島三郎のすごさに目からうろこだったと。人々をどう楽しませるか、その基本を学んだこと。

 現代の教育についても。それから、文明や便利ということについても。痛い思いでうなづくことが多かったのです。

 「文明っていうのはスピードを物凄く重んじる。早いことが善で遅いことが悪だ。それを解消するた為に、金や労力やエネルギーをかける。」

 「俺も初めてこっちに来た時、この、のろのろにいらついたよ随分。40年間の都会暮らしでスピード感覚が早くなっちゃってるから、どうしてもこの遅いテンポに頭が追いついて行かないンだな。「のんびりやればいいっしょう」って、まわりから何度も笑われたな。なんでそんなに急ぐのさって。でも最初はこれが我慢ならなかった。それがしだいに落ち着いて来たのは、自分でいろいろ体を使って、現実の作業をしてみたからだね。薪を割ること。笹を刈ること。穴を掘ること。家を建てること。」

「そもそも便利ってなんだと思う?  便利ってのはね、人が本来昔から持っている自分の中にあるエネルギーをできるだけ使わないですむようにすることだよ。」

「そうやってみんなが動かないようになるとさ、筋肉がどんどん衰えてくるから、これじゃいけないって金を払って、ジムって所にわざわざ出かけて、何の生産性もない重いものを持ち上げたり下ろしたり。どこにも行かない自転車を必死になってこいでみたり」

 読みながら、笑ってしまいました。

 実は私、北海道に行ったとき、お昼を食べようと。どこで食べるか探していたら、人が行列しているのを見ました。道の駅の近くのラーメン屋さんです。道の駅の中をいろいろと見た後、ふと見ると行列がなくなっています。人がいなくなってる、あそこで食べよう、と入ってみたら、中はすごい人です。席がありません。立って待ってもいいのですが、見ると、座っている人もほとんどの人が食べていないのです。じっとラーメンが来るのを待っています。この人たちがみんな食べ初めて、それから私たちの順番となると、これはかなわん、とあきらめて出ました。ところが、次のお店に入ると、すぐに座れたのですが・・・。ラーメンの出てくるのが遅いこと。でも、じっと皆さん待っています。

 あの店もこの店も。これは、ここの風土がそうなんだ、と姉と話しをしました。私たちの日ごろでは、注文したら、はいっと、シャカシャカ急げ急げで、それこそ数分で出てくるような、それがラーメン屋さんだと思っていたので、びっくりしました。

 だから、この雄大な景色の中でのんびり育つと、大きな人間になるだろうねえ、と話したのです。

 私は昔はすさまじくのんびりやでした。いつもいつも母から早くしなさいっとせっつかれていました。父は、のんびりしているということは、頭の中で何かを考えていることだから、といつもかばってくれていました。時が経って、いつの間にかせかせかした人間になってしまっていました。これを読みながら、痛いと思いました。

 震災についても、原発についても(そういえば、あのドラマの中では風力発電を作るところがあったのですね。)もっともっといろいろとうなづくことの多い、楽しい本でした。今、「北の国から」をDVDでみなければ、と思っています。見たら、倉本さんの深い思いをさらに実感できるでしょう。もう、二軒DVD屋さんに行ってみたのですが、ありませんでした。やっぱりamazonですかねえ。


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ぜひ、覗いてみてください。

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コメント

TSUTAYAの宅配レンタルを利用されたらいいのでは。
ネットで申し込めば、自宅かクリニックに届き、返却はポストへだから、便利ですよ。

投稿: やんじ | 2011年10月 4日 (火) 11時02分

やんじさま
そんなのがあるなんて。私は全然知らなかったのですが、スタッフはみんな知っていました。時間がある時にTSUTAYAを探してみます。こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2011年10月10日 (月) 11時57分

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