Mさんのピアノ。
昨日は、午後から夜まで廿日市で過ごしました。阿品台での午後と夜の講演。その間は、移動して廿日市の駅の近くで別の方たちが集まっていて下さいました。計三回、頑張って話して、家に帰って食事、その後やまとの湯。やまとの湯では、湯船の中でうとうと眠ってしまいました。疲れていても、気分はさわやかでした。
男性も女性も多くの方に来ていただいて、感謝です。中には遠方から来て下さる方もありました。それは、「Mさん」のピアノを聞きたくて、という方たちでした。
Mさんのお父さんは、私の高校の後輩。演劇部の後輩でもあります。RCCのドラマグループで一緒に演劇をしていたこともあります。彼は、劇団四季で舞台を踏んだこともあります。その彼が、やはり素晴らしい演技者であった彼女に恋をし、猛烈に押せ押せで結婚したときには、私たちもやんやの拍手を送ったものです。彼らは、五人の子どもを持ちました。その四番目の子がMさんです。
彼女は、生後10ヶ月のときに激しい痙攣に見舞われました。救急車で運び込まれた病院でも痙攣は止まらず、命が危ない状況でした。お母さんは「どんなことになっても私が頑張って育てますから。なんとか命を助けて下さい」と頼んだそうです。
そして、命を取り留めたMさんは、脳に傷ができ、障害を持ちました。彼女が中学生のとき、お姉ちゃんが受験のためにピアノを習っていたそうです。そんな日、夜中にピアノの音が聞こえてきて、あれえ、誰が弾いているのかと。見たら、Mさんが弾いていたのだそうです。以来、彼女はまったく独学で多くの曲を作り、演奏をしています。
でも、その曲は、彼女の頭の中にのみあります。彼女は音符も読めないし、だから作った曲は楽譜に残すことも出来ないままです。でも、何年も前に作った曲でも、お母さんがあの曲を弾いて、というと、これ?とすぐに正確に弾くことができるのだと。彼女の頭の中は、一体どうなっているのでしょうね、と家族の不思議となっているそうです。
昼の部でも夜の部でも弾いてくださったのは、「お母さんありがとう」。これは、お母さん、生んでくれて有難う、生かせてくれて有難うという曲なのだそうです。昼にはそれと「おうちに帰ろう」の二曲。夜には、「神楽」。どこかの小学校で神楽を見た翌日「曲ができたよ」といきなり弾いたのだと。それは、まさに神楽が目の前に浮かんで来るような、素晴らしい演奏でした。夜は、アンコールに答えてもう一曲、「みんなの願い」も弾いてくれました。
持ってきていただいたCDもあっという間に売り切れ。もっと持ってきてもらったらよかったのに、と思いました。更年期、がん、そしてMさんの演奏と、命を考える一日になったと思います。
Mさん、ご両親、準備して下さった皆様、来て下さった皆様、大変お世話になりました。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
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コメント
こんにちは、
サイドの「からだ相談室」のバナーの縦の長さが短いようですね。元の画像をサイドバーの幅に合わせて自動的に縮小されているようです。
サイドバーに画像を入れるときは、サイドバーのサイズの幅を各ブログのサイドバーの幅に合わせて作るとうまく表示されます。
投稿: ウェブの通り道 | 2011年10月17日 (月) 09時10分
素晴らしい講演とMさんのピアノ演奏!ブログを拝見しているだけでもその場にいるような幸せな気持ちにさせていただきました。
ピアノを弾ける人は山ほどいますがMサンの演奏は魂の演奏です。聴いて見たかったです。
河野さまは人生を人の3倍楽しみながらすごしていらっしゃいますね。近畿に講演にいらっしゃるときは是非お知らせください。
投稿: オンニョ | 2011年10月18日 (火) 07時52分
ウェブの通り道さま
ご指摘有難うございます。つぶれているのは、分かっているのですが。じつは、私の顔があっちにもこっちにもがいやなので。本当は顔をはずしたいのですが。合ったほうがいいという人もいて。もう少しこのままで。次は顔をはずすようにします。有難うございました。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年10月20日 (木) 11時00分
オンニョさま
オンニョ様も、息子様のことで、Mさんのお母さんと同じ思いをされたのでしたね。それに、お子様がもっと苦しいことにおなりで。ずっとさかのぼって読ませて頂いています。Mさんは、会話も十分ではありませんが、音楽で多くのことを私たちに語りかけてくれます。素敵な時間でした。コメント、有難うございました。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年10月20日 (木) 11時03分