子どもの性被害について。
もう少し、先日のスクールセクハラについて、特に広島の事件でなぜ早くに発覚できなかったのかという点について補足しておきたいので。
性犯罪を犯す者は、必ずその被害者に「誰にも言うなよ」「言うと殺すぞ」「言うともう勉強は教えてあげない」などと口止めや脅しをします。
小さいうちから、子育ての中で
「誰にも言っちゃいけない約束は悪い約束です」
「悪い約束は守ってはいけません」
「誰にも言うなと言われたら、それは悪いことなのだから、早く誰かに言いましょう」
と教えておいてあげたいのです。
これまでにこのブログでも何回も取り上げているように、CAPでそのように教えます。初めてCAPの授業を受けたときに、ここに一番感動しました。それと、
「川があります。よくここで子どもがおぼれて死にます。ここに子どもが近づかないように柵をしましょう。それと同時に子どもが川に落ちても、おぼれないように泳ぐことを教えましょう」
と、これがCAPの理念だと。これにも感動しました。
あの広島の教師が逮捕されてからも、次々と教師の性的不祥事が起こっています。一体、広島県の教育委員会は何をしているのか、と思います。ただもう、まともな性教育は出来ないし。それは文科省の方針でもあるのだけれど、「川に近づかないように」としか教えようとしません。
少なくとも、あんな事件が起きたのだから。多くの子どもたちにひどい心の傷をおわせたのだから、教育に取り組まなければ、と思います。すべての小学校でCAPを!!と訴えたいと思います。教育委員会や学校は、独自では何も出来なかったのですから。CAPなどの民間を取り入れたらいいじゃないかと思います。
少なくとも今は学校現場でちゃんと教えてもらうことは出来ないのですから、保護者から積極的にこれをおしえておいてあげて欲しいと思います。
そして、自ら子どもたちの相談相手になりうる親であって欲しいとも思います。
「困ったときにはここに相談相手がいるよ。私はあなたの親なんだから、あなたが困ったときには、一緒にどうしたらいいか考えてあげることができるよ。何があっても助けてあげたいから。ここに相談相手がいるという、これだけは知っていてね。」
と、日ごろから門を開けておくこと。それを子どもたちに伝えておくこと。「何かあったら助けるよ!!」と。
本当は学校の先生方にも「何かあったら助けるよ。何でも言ってきてね」と生徒たちへの姿勢を示して欲しいのです。さらに、言ってきた子どもに二次被害の所で言ったような対応はしないでほしい。真摯に話しを聞いてあげれば、その子が本当のことを言っているのかどうかくらいわかります。
私も実例を何例も知っていますが、何とかはじめの段階で食い止めることが出来たのは、早くに子どもが相談したときなのですね。一人で悩んで悩んで、やっとのことでだれかにSOSをした時には、手遅れだったということが何人もあるのです。
さて、昨日はドックでした。しんどかった!!です。年々これが苦痛になって行きます。どうしてマンモグラフはあんなに痛いのでしょう。おっぱいが壊れるかと思うほどでした。胃カメラは、しっかり麻酔をしてもらいました。その前のあの口に含む麻酔剤の苦いこと、オエッとなってしまいます。麻酔からさめても、ふらふらして、体がひどく疲れてしまって。婦人科までフラリフラリとしながら歩いていきました。婦人科検診も年々痛くなって・・・。
ともあれ、一年に一回の憂鬱は終わりました。私がドックにかかっているところは県民文化センターの食事券をくれます。
一階の"il vent"で、食事券ではこれが出て来ました。400円追加して、デザートとコーヒーを頼みました。お腹周りを測られたのはアウトだったけれど、ドックのあとにドクターにはBMIがまだ高くないから大丈夫ですといわれたので、いい気になりました。
夕方、一応頭もシャンとしてから、これからの講演の準備をしました。またまた沢山の子どもたちのカルテを読みながら、胸が痛い思いをしました。性的虐待に会った子どもたちが沢山います。母親の彼から、実父から、実兄から・・・そんな被害を受けた子たちがどうなっていくか・・・。これらは、等しく大人の問題です。教育委員会の人たちに私のデータを見てもらいたいと、本当にそう思います。
夜中までかかって、二か所にスライドの配布資料をメールで送りました。ほっとしました。韓国語の勉強はさっぱり出来ません。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
| 固定リンク
コメント
ご無さたしてます。性教育の必要性は多くの教育者や子どもに関係する大人が認識しているはずです。
デートDVや若年夫婦(17歳~23歳)でのDVの被害は、末に愛情を受けられない子どもの出生にもつながります。故にそれが、児童虐待に発展していくという統計事実を行政側は100も承知なのです。
思春期(非行対策)→恋愛(デートDV対策)→性行為(避妊・性病・感染症対策)→別れ(DV対策・ストカ―対策)→結婚(DV対策・子育て対策・ストレス対策)など、思春期(中学1年)や高校1年や大学1年時期の節目節目に、総合課程教育として是非性教育を行い、各時期で起こりうる苦難の予備知識を、事前に対策として教えて備えるべきだと思います。
広島市が示した25年度以降の「広島市財政不足額の推定が発表され5年後には250億を超える」とされました。不足の見込み原因には税収の落ち込み、社会保障額の増加が大きな理由で、社会保障の上位は生活保護、若年層の母子家庭の増加、精神障害家庭の増加、要保護児童の増加、非行犯罪による生活保障の増加など、広島市もこう言った原因の前提には、年長児童への性教育を通して、児童が不順に至らない恋愛や性行為、苦痛や犯罪に至らない性に関する教育をと理解されているはずです。私も、各学校で性教育の必要性を実感しています。
今、子ども達の性の先生となるものは、DVDや携帯やネットで流れる「過激な性行為」です。
それが子ども達の性に対する教材となるから、人前であろうが恥じらう感情も無くなり、犯罪紛いのレイプや痴漢行為が遊び感覚で横行したり、王様ゲームと称して「AとDがエッチをする」など、そうした行為が子ども達の中では普通化してしまっているのが現状です。
うちには、先生が冒頭に書かれていた「馬鹿な大人の餌食とされた児童」が生活しています。6年前に呉方面の児童を養護すべく施設で「誰にも言うなよ!」と2年間も恐怖にさらされ怯えて生活してきた児童です。
「不審に思い児童の立場を貫いた職員の広島県に対する通報で広島県が事実の有無を報告しろと施設側に命じただけで、あやふやに処理された事件。(広島県の立ち入り調査は無し)」
可愛い子ですが、心が四方八方に屈折した子どもに成ってしまっています。(現在15歳)
憎まれ口も吐きますし心配ごとも掛けて来ますが、その子の寝顔を見ては全てを忘れるようにしています。
こうした現状も、行政側は知っている訳で、何ら対策を打ち出す気配もなく、財政が厳しいの一言。
今年は、11月の児童虐待防止月間に広島県は何もしないと明言。では、児童虐待シンポジウムをこちらで計画しますから協賛しませんか?と言うと‥
「お金や会場の協力はできませんよ!」と一言。
あきれ返ってしまいました。
現在、県下で多少の認識を頂く事が、皆さんの温かい支援で頂く事ができました。まだまだ微力ではありますが、性教育の必要性を唱える一人間として、河野先生の
支援が出来ますれば、協力させて頂きますので、お知らせ頂ければと思います。
まだまだ、残暑厳しい今日この頃ですが‥
ご自愛下さいますよう願います。
追伸‥
当法人正会員の河合知義さんが、宜しくと申されておられました。
それでは、ブログを毎日楽しみにしつつ
また、連絡させていただきます。
「とまり木」施設長 椎葉聖智
投稿: shiiba | 2011年9月 9日 (金) 16時38分
先生、こんにちは。
広島出身の主婦です。
たまたま広島のブログを見ていて、先生のブログを見つけました。
実はわたし、10数年前に先生にお世話になった事があります。中絶手術をしました。
まだ若かったわたしは、避妊をしていなかったのです。先生にとても怒られたのを覚えています。
たくさん泣きました。
いまでは2児の母になって、かわいい子供たちと楽しく暮らしています。
先生の記事に感動しました。
自分もいつでも子供の相談相手になれる親になりたいと思います。
先生、がんばってください。
ありがとうございました。
投稿: 母 | 2011年9月13日 (火) 05時25分
shiibaさま
ご連絡有難うございます。すっかりご無沙汰してすみません。どうしていらっしゃるのか気になっていました。椎葉様の孤軍奮闘に何かしたいと思っています。ぜひご連絡くださいませ。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年9月14日 (水) 08時04分
母さま
有難うございます。こんなコメントを頂くのが、一番の励ましになります。感謝です。こうのみよこ
投稿: こうのみよこ | 2011年9月14日 (水) 08時06分