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キャンパス・セクシャル・ハラスメント全国ネットワーク全国集会

 昨日は、朝から夕まで一日中「キャンパス・セクシャル・ハラスメント全国ネットワーク全国集会」に参加しました。

 朝10時からは分科会。三つに分かれていました。

○ 「スクール・セクシャル・ハラスメント~二次被害と性教育~」私も発表者の一人でした。他に

○ 「ハラスメントと職場のメンタルヘルス」 オフィス・インテグラルの澤田章子さん

○ 「大学の相談体制について考える」 岡山大学・早稲田大学・島根大学の担当の方たち

 私の参加した会は特定非営利法人「スクール・セクシャル・ハラスメント(SSH)防止全国ネットワーク」の亀井明子さんも発表者の一人でした。この亀井さんのお話がとっても意義深かったので、ご紹介しますね。

スクール・セクシャル・ハラスメントは高校までの教育現場におけるセクシャル・ハラスメントをさします。このNPO法人では1998年から全国六箇所で活動を行っています。相談への対応、支援、研修、講座・学習会、防止プログラムの提供、加害者研修、情報収集・提供、ニュースレター発行、弁護士・カウンセラーや関連機関紹介、教育委員会・学校などの研修講師派遣など。

2006年122件  2007年106件  2008年121件  2009年97件の相談にかかわっていらっしゃいます。

 教育現場ではとても多くのセクシャル・ハラスメントが起こっています。中でも大変大きく報道された広島県での事件。「教え子乱暴 懲役30年」というあの件について。逮捕時43才の小学校の教師が教師になって一年後から19年間にわたって教え子27人を強姦、95件のわいせつ行為をしていたという件について。しかもその犯罪をビデオにとってパソコンに保管していたと。亀井さんは、広島に通い続けて、裁判の傍聴をしたそうです。

 教師になって1年目というと、広島県の小学校で、6年生の教え子への性犯罪の挙句彼女を殺してしまったというあのひどい殺人事件の直後からです。

 亀井さんによると、この長い間に何度も事件が発覚するチャンスがあったのだと。女性教員がその犯人の教師と生徒がトイレから出てきたところを目撃して、校長に伝えたと。校長が問いただすと、「子どもが気分が悪くなったので介抱していた」と答えたと。直に本人に問うと、なんらかごまかすのは当たり前なのです。もっと他のシステムがあったならと亀井さんは言われます。

 スクール・セクハラにちゃんと対応できないその原因には二次被害があります。配布された二次被害の言葉~こんな言葉は被害者の周辺の人を傷つける~(実例です)

《保護者が管理職に相談したとき》

・先生は「やっていない』と言っています(はい、やりましたとは言いません)
・あんなにまじめで熱心な先生がそんなことをしますかねぇ
・あの先生は部活動も熱心だし、保護者の信頼もあついんですよ。
・分かりやすい授業をすることで、生徒からは慕われていますよ
・教頭試験を受けていて来年には管理職になる先生です。そんな先生が・・・するはずないでしょう
・子どもさんが夢でも見たのではないですか
・そんな些細なことに時間を割いている暇はない
・あいつは学年主任(様々な立場で言われる)で学校にはなくてはならない存在です
・あの先生には奥さんもこどもさんもいるんですよ。そんなことをするはずないじゃないですか

《保護者が先生に相談した時》

・冗談ですよ、やつはそんなことを生徒によく言ったり、したりするんですよ
・笑わせようと思ってやっているのです、単なる受け狙いですよ。気にするほどのことではないよ
・なかなか、熱心な先生で
・結婚もしているし、欲求不満でもないと思います

本当に言いそうなことです。これは、親から虐待を受けた子どもにたいしても、そのまま当てはまります。まだまだありますので、明日も続きます。教育現場は一面、こういうところでもあるということを知っておくべきと思いますので。


2011_09040002写真は午後からのシンポジウムです。全国からの沢山の人でした。シンポジウムや全体会のこともまたお知らせしますね。


「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。

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コメント

今日は娘の通う学校に行って校長先生と教頭先生に会ってお話しする機会がありました。
その学校は共学で男女仲が良く、お互いが分からない所を教えあって勉強したり、カップルも多いので以前から気になっていたのでその辺をお伺いしました。

男女交際は大切な事で、お互いを高め合う存在なら良い…と校長先生が言われたので、その校風の大らかさにも好感が持て感動しました。

それで『私の尊敬している病院の先生が男の子は付きあっている彼女の体を大切に思い、女の子は自分の体を大切に守りなさい』と言われて学校やいろいろな施設で講演されていて、子どもたちにもそういう話を聞かせたいと言うことも話しました。

学校では性教育を毎年していると言う回答でしたが(私は知りませんでしたが…)先生のお名前を聞かれて河野先生のお名前を出すと『ああ良く知っていますよ!』とにこやかに言われました。

どうなるか分かりませんが我が子が通っている間に学校で河野先生にお話をしてもらえたらなぁ…と痛切に思いました。

投稿: 親子でファンの親 | 2011年9月 6日 (火) 01時45分

親子でファンの親さま
有難う。でも、きっとその学校では私は話は出来ないと思います。私もめげないでがんばります!!
こうのみよこ

投稿: こうのみよこ | 2011年9月 9日 (金) 08時20分

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