人工中絶と男性の同意。
とっくにご存知だとは思いますが。日本では人工妊娠中絶をするときには妊娠の相手の男性の同意が必要です。同意書に本人と相手の二人の署名が必要です。
最近、同意書が取れなくて途方にくれる人が多くなりました。
一つには、相手がどうしても同意しない場合。ストーカーの場合などはこれになります。二人の仲はとっくに破綻していても、誰がどれだけ説得しても、がんとして中絶はさせないとなると、これは中絶できません。産むしかなくなります。まるで嫌がらせとしか思えないこともあります。
一つには、相手が妊娠を否定するとき。自分の子ではないと主張するときには、同意書にサインをしてくれません。しかし、相手との性交があり、それもいい加減な避妊で、妊娠しても当たり前という時に、そんなことを言われても、となります。この場合は、他の人との性交は絶対にない、その人との妊娠に間違いないとなったら、方法はあります。「同意書にサインをしたくれないのなら、中絶は出来ません。産むしかなくなります。産んだ時点で親子鑑定をします。それで親子と認定されれば、認知と養育費の請求をします。」と言えば、たいていの場合は同意書にサインはします。もちろん、他の人との性交があればこんなことは出来ません。
一つ、これがもっとも困難なのですが。相手と連絡が取れない場合。これも二通りあります。とても多いのが、出会い系サイトで知り合って妊娠した場合。妊娠したと連絡したトタン、携帯を変えられて、連絡が取れなくなってしまったと。相手に関しての情報もあやふやで、まずこの場合は同意書のサインは無理になります。現場の私たちもどうしていいか分かりません。とにかく捜せ、となるのですが。それしかなくなるのですが。
それに、出会い系サイトは今、携帯のフィルターなどでブロックできるようになって、大人は安心しているかもしれませんが。今は出会い系よりも「掲示板」が危ないのです。ゲームの掲示板、学校掲示板もあります。学校の掲示板なんて、自分のアドレスだけでなく、写真まで公開している子もいます。そこに卒業生です、と、本当かどうかも確かめるすべもなくメールしてきたとしたら。とっても危ないのに。
連絡が取れないケースで、そうではなく、何年も付き合っていても、実はその人のことが全くわかっていなかったという場合もあります。男性の住みかに出入りしていても、転居されればそれまで。職場も具体的な会社名を聞いていない、家族のこともいろいろ話は聞いていても、住所を聞いていない、友人の話を聞いたり友人に一緒に会っていても、その友人の具体的な住みかや勤務場所ももちろん知らない。携帯に連絡しても留守電で何も言ってこない、メールしても返信はない。どうしようもなくなってしまいます。
妊娠が分かったトタン、そうなってしまうというのが、本当にあるのです。こちらとしては、その妊娠が強姦であったのでなければ、どうしようもなくなってしまうのです。
逃げる男も男。そんな男であることを見抜けないで、妊娠してしまった女も女。そうではあるのですが。
「男は逃げることができる。」妊娠に関しては、それは事実なのです。女の負担はそれはそれは、大変なのです。
そんな現場から、私は教育の大切さを訴えているのですが。現場は昔からちっとも変わりません。
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