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緊急避妊薬、日本とイギリス。

 イギリスにおいて、十代の予期せぬ妊娠を減らすためのプロジェクトとして、まず徹底した性教育に取り組んでいます。体を教えること、もちろん性感染症や避妊についても。

 その上で、教育とセットで様々なクリニック、保健センター、若者向けの相談センターなどで、経口避妊薬は無料で提供されます。

 もう一つ、もしも妊娠して出産を望む若者を受け入れる高校も各地にあります。きちんと教育を受けることが、これからの生活の建て直しと子どもをしっかり育てることに繋がるという考えからです。

 そして、緊急避妊薬ですが。これも無料で提供されます。しかし、上記のような施設が休みの時などには、自分で買うことが出来ます。スーパーマーケットに併設されている薬局や、街中の化粧品と一緒に薬を売っているような小さな薬局でも買えます。本人でも家族でも買うことが出来ます。

 施設に行けば無料ですが、薬局では有料となります。それも、値段は「高く」設定してあると。それは、施設で無料で薬を提供するときはあくまでも教育とセットなのだけれど、スーパーなどで買うときには、その教育がないままに服用することになるということ。それから、それが日常的な避妊の方法として使われることがないようにという配慮からなのです。あくまでもクリニックなどで提供することが基本で、自分で買うのは、緊急の緊急のような時のみとするためです。

 それでも、自分で買う、その有料の金額は「22ポンド」。日本円にして約3000円くらい。有料で高く設定してあると言ってもその金額なのです。

 日本では、あくまでもクリニックや病院でしか提供されません。それでも、クリニックが問屋さんから購入するその価格が一万円なのです。本人に渡るときはそれ以上の金額となります。

 この違いは一体何なのか、と思います。

 日本では今、文科省のカリキュラムでは中学では「避妊」は教えないことになっています。中学では「性感染症」を教えること。それも、何度もこのブログでも言っていますが「性交」という言葉を使わないで教えないといけません。避妊は「家族計画」という名の元に高校で教えることになっています。

 私は、義務教育のうちに「避妊」を教えるべきだと思っています。すべての若者が避妊をちゃんと学んで大人になることが私の悲願なのです。高校でだと、高校に行かない人や中退した人は全くちゃんと避妊を学ばないままなのです。

 避妊を教えると、若者が興味を持って性を実行するようになってしまうと、性教育反対派の人は言います。そうではなく、彼らは「知らない、知らないからこそ」カジュアルに行動を取ってしまうのだと、これまで私は繰り返し言って来ました。だって、性の情報は社会に蔓延しています。それらに十分彼らはそそのかされているのだと。それもとても怪しい情報にどっぷり浸かっているのですよ。「外に出せば大丈夫」などと、本気で思っているのですから。

 避妊の教育はしない、緊急の事態が起こっても、病院に行って緊急の避妊薬をもらおうにも、とても高くてお金がない、そんな若者をどう救えばいいのでしょう。

 イギリスでは、基本は「教育」。それを補完するものとして、ピルの提供や緊急避妊の薬も手に入りやすくする。日本は全く逆なのです。教育はしてはいけない、緊急の事態が起こっても、手に入りにくくする。

 それが日本の女性に対する政策なのだと。経口避妊薬の認可も、子宮頸がんの予防ワクチンも、そしてこの緊急避妊薬の認可も、世界の国々の中で、ほぼどん尻であるし、やっとやっと認可されても、とんでもなく高額に設定されてしまったし。と、これがこれまでずっと続いてきた政治なのだと、皆様に知ってほしいと思います。


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ぜひ、覗いてみてください。

広島ブログ

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コメント

イギリスの薬局で買う3000円は安いのか高いのか…これがイギリスと日本の感覚の違いなのかな。。。。

でも日本のクリニックで1万を超える値段は高すぎます。性犯罪の場合、怖い目にあったうえに高額。時間もせっていれば泣く泣く払わざるをえない…というやっぱり女が泣きを見る法則なのですね。むかつきます!
せめてあとひとつ付随で受け皿を作れないものなのか。。。

性教育の大切さ。それは自分が親になって常々考えます。自分が子供に話すのを頭でシュミレーションしましたがなんとむずかしいこと。まだまだ勉強が必要と。
学校などで先生の講演を保護者も一緒に聞くことで家で話しやすくなるのでは…など、きっかけ作りを考えたいなぁと思いました。10年後の為に…

あと海田町の講演の時、生理痛の話の時、子供のトイレで席を外してしまったので教えてください。
私は生理痛が年に2度くらいは布団から起き上がれないほどになります。学生のころにはこんなんじゃなかったのに。体力がなくなっているのでしょうか。
席を離れる前に「我慢するとひどくなる」…みたいなかんじのことをいわれていたような。。。。
今まで生理痛を我慢しないと陣痛の痛みに耐えられなくなる…と教えられて、仕事でやむを得ない時以外は薬を飲まずにきたのですが…。(陣痛は生理痛とは比べられないくらいの激痛でしたが…)
生理痛は我慢するとだんだんひどくなるのですか??
お薬を生理の時に飲み続けることは問題ないことでしょうか?

ブログのこととは違う質問をお許しください。

投稿: けいちゃん | 2011年5月29日 (日) 08時33分

第一子の妊娠時にお世話になった者です。
学生時代に御子息と同じクラスだった時があり、その時分、河野先生の講演を学校で聴講したことがあります。学校では言葉の表現が曖昧すぎて、性教育の趣旨や内容がよく分からなかったのですが、先生の講演を拝聴した時、とても驚き、同時に初めて身が引き締まる思いがしました。
河野先生がブログをされていると、知人から教えてもらい、先週からアクセスして、改めて勉強させていただいております。
避妊教育について、日本は遅れていると再々ニュースなどでも聞いておりましたが、そのような事情があったんですね。
今や息子が1人・娘が2人の3人の子持ちになり、来年長子が中学校に上がります。思春期に入ろうとしている子供に対し、親として性教育に踏み込むのは、少々躊躇もありますが、先生の御著書やブログを教科書にさせてもらって、自分達と大切な相手の体を守る、という大切さを少しずつでも教えてみようと思います。

投稿: T | 2011年5月29日 (日) 10時33分

河野先生はじめまして。ゆこと申します。毎日ブログ拝見しています。
私も24才で今の彼とお付き合いをはじめて自分で性について勉強し直しました。知識を得れば得るほど軽い行動なんてできません。私も10代の時にもっと正しい知識がほしかったです。今の中学生にも将来の自分と大事なパートナーのために恥ずかしがらず学んでほしいです

投稿: ゆこ | 2011年5月29日 (日) 13時26分

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