インサドンにて。
広島へ帰っています。本当にあっという間の三日間でした。と言っても、昨日の帰る日は午後三時インチョン発の飛行機なのに、ガイドさんがホテル発を11時といわれて、それは早すぎる、もう少し後にして、と頼みました。結局11時半。それまでにチェックアウトを済ませてということですので、朝、ちょっとミョンドンを歩いただけでした。だから、実質二日ですか。もう過ごし長くいたい、いつも帰る前にはそう思います。
さて、二日めにはインサドンに行きました。元々古いもの、骨董、焼き物などのお店が並んでいるところなのですが、今は韓国調おみやげ物のお店や、布や布で作ったもののお店が多くなっています。
こんな素敵な薄い絹のタペストリー、韓国の伝統調、キルト調、手縫いのお店では、ため息が出るほどの美しいものが沢山ありました。でも、小さいものでも高くて買えません。お店のガラス越しなので他のものが写ってしまっていますが・・。雰囲気だけでも。
それから、古いものを売っているお店で、あっと足が止まりました。美しい刺繍の下に房が下がっているものは大好きで、私の家の電気のスイッチの紐にはすべて韓国のそれらがぶら下がっています。
でも、刺繍したのが連なってさがっている、これは、と尋ねると、お店のおじさんが「女の子が生まれたときにこれを下げてお祝いをする」ものだといわれました。ええーっ、じゃあ、これはあの「さげもん」だわと思いました。九州の柳川に行ったときに丁度「さげもん祭り」をしていて、そのきれいさ、豪華さに目を奪われました。お土産用のを少しだけ購入してクリニックの受付に下げています。
その後、吉田のカフェでそこのオーナーのママが東京の雅叙園で買って来たというさげもんをお店に飾っておられて、ええっ、東京でもあるんだと思ったそれです。そこでも一つ購入して一緒にクリニックに飾っています。
それと同じもの、こちらは一つ一つに鶴が二羽刺繍がしてある豪華なものです。昔の宮廷での伝統だといわれました。そうなんだ、これもやはり朝鮮半島から日本に入ってきたものなのだと知りました。これも一緒にクリニックに飾ろうと思います。
インサドンが面白くて次々とお店を覗いていると、そのうち、にぎやかな音楽が聞こえて来ました。急ぎ行ってみると、おじさんの歌声、にぎやかな太鼓、それにかかしを持った人、みんなの踊りがにぎやかです。コンジュという地域から来た人たちのきっと豊作を願ってのお祭りなのでしょう。
見ていると、またあっと驚きました。石に結びつけた綱をみんなで引っ張って歌いながら石臼を地面につきます。私が小さい頃に夢中になった、そして今も細々と町内で子ども達がしている「いのこ」そのものなのです。私たちは、おじいさんの歌う歌にあわせてぞろぞろと歩き、お店の前に行くと、「いーのこ、いのこ、いのこもちついて、繁盛せい、はんじょせい」と石をついていました。ああ、これも朝鮮半島から来た伝統なのだわ、と初めて知りました。
まだまだ知らないことがいっぱいあります。何回行っても、新しい発見や出会いがあって楽しい国です。
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